4.Pink Floyd「サイケデリックの新鋭(The piper at the gates of down)」日本盤(1967年・英)
なぜわざわざ大昔の邦題であるこのタイトルで記したかというと、実は古い国内盤を買ったんです。しかし、ぼくはこのタイトルは初回盤だけかと思っていたんですが、後発でも続いていたんですね。このレコードは、「狂気」が出る前までがカタログ化された東芝音工盤です。エミリーも入ってますよ。
これが何気に音がよくて、買ってから随分聴きました。マイベストレコ候補の一枚が、自分の中で再びブームとなりました。
5.etron fou leloublan「Batelages」フランス盤(1976年・仏)
これを最初に知ったのは中学か高校くらいのときで、なぜそのような早い段階からこのアルバムを知っていたかというと、プログレを独自視点からまとめますよ風なナルシスティックな安いガイド本に掲載されていたからで、特に本作はジャケットのインパクトが強く何度も解説を読み返していたんですが、そこにはCDは廃盤だよとも書いてあり、それじゃこれは一生聴くことはないのかも……でも聴いてみたいなんて思っていました。なにせこの頃はフランスの音楽がどんなのかなんて想像もついていなかったですから。いまもよくわかりませんけど。
しかし、時がすぎゆくままにチンタラしていたら、ぼくではなくて世の中が成熟し、インターネットが開通するなどしたおかげでこうして本作を手元に置くことができたのですが、果たして2回聴いたかどうかすら忘れてしまった。
子どもが欲しいと言っていたおもちゃを買い与えたのに思いのほか興味を示さず、あんなに欲しいと言っていたから買ったのに……とワナワナ震える親の気持ち。そうしたものを汲み取れず、またチンタラと過ごしていくのです。
8.スーパーマリオ 魔界帝国の女神(1993年・米)
当時はキワモノとして紹介されてた記憶且つ、デニス・ホッパーも落ちるとこまで落ちた的な扱いされてた気がします(ブルー・ベルベット、悪魔のいけにえⅡ以来3度め)。今はネットで誰でもできるし披露もできる二次創作がはやりですけど、そんな潮流を吹き飛ばすような、柔軟なアイデアを生み出す原動力を感じますね。ゲームのマリオ・ワールドはほんの下敷きで、あとはサイバーパンク風に仕立てたってのは、芸術性の是非は別にして、本当に人間的で創作的な行為だなあと思います。キノコ要素は汚い菌になってますし。でかくもなりません。そんなアイデアが全編に行き渡っており、非常に刺激を受けました。まさかのディスコで流れるLove is the drug!クイーンのTie your mother downも。
5.Ton steine Scherben「Warum geht es mir so dreckig?」(1971・独)
10年近く前に録音させてもらったCDRを聴くたびになんつー過激な、と思っていました。ドイツのインディーズレーベルから発売された作品で、バンド名の意味は「粘土、石、破片」。本作に収録された挑戦的なシングル「Macht kapurt, was ench kapurt macht」(お前たちを壊すものを破壊しろ)がヒットしています。フォークというにはヘヴィで、ガレージというには後ノリで、パンクというにはやけっぱちすぎる。類型の壁を打破するごときラルフ・メービウス(リオ・ライザー)の暴発ボイスは、ドイツ語のためか他の国では出ておらず、いわゆるクラウト・ロックの範疇にもなく。果たして日本には何枚存在しているのか。レコード再発もありますが、こちらはオリジナル。ポスターに写ったメンバーの目つきもイカしてます。ジャケットはボール紙のような質のもので、両サイドをホッチキスで留めただけという過激なもの。アルバム・タイトルの意味は「俺たちはなぜこうも冴えないのか?」。
7.Nirvana「The Story of Simon Simopath」(1967・英)
初期の名曲「Pentecost Hotel」はシングルで持っていて大好き。アルバムもCDでは持っていたんですが、あんましピンとこなくて放置してました。アナログも高いので入手するとは思っていなかったのですが、ほとんど行くことのない地にて米盤ですが買える値段で発見。ステレオですけど1日置いて買いました。こうしてアナログで改めて聴くといいんですね。サージェント・ペパーズにいち早く反応した作品といいますか、兎にも角にもアルバム冒頭のイントロが最高。SF的な音の中にも、田舎然としたバンジョーでサクッと終わるB面ラストの有り様もイギリスらしくてこれも憎い。ジャケも素敵だし。しかし収録時間短すぎです。
そんなわけでキンクスのシングルはわりかし贔屓しつつ買っていたぼくも、69年のシングルは見かけない上にたまに見ても手を出しづらい値段なので鬼門になっていたんですが、さすが当事者国では安い。ドイツ盤ですけどどの国でもチャートインしなかった「Drivin’/Mindless child of motherfood」を安価で発見しました。状態は悪かったらしゃーない、と清水の舞台から何とやらで購入&到着してみると問題なくノン・ノイズ。ラッキーです。