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4番、サード、いたち野郎

千葉ロックマリーンズ
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2016年に観た映画10本

1.ユーズドカー(1980年・米)

老舗VS金満 中古車屋同士の熱き戦い、に巻き込まれた老舗経営者の爺さんが半ば殺される形で死に、あとを継いだカート・ラッセルが金満業者にビジネスで勝負。お互いに無謀な広告作戦を展開し、最後は敵をやっつけるというシロモノです。
ロバート・ゼメキスmeetsカート・ラッセルの小気味よいコメディ作品は、セリフで笑かせにいくのではなく、絵で笑わせてくれるのがいいですね。また、本作が終始痛快なのは、やられたからやり返す、の応酬ではなく、あくまで経営による、恨みっこなしのタイマン勝負ってところもあるんじゃないでしょうか。人間は過去にこだわるからストレスがたまるんだと思いますが、この世界の人たちは良い生き方をしてるんだなーと感心しました。

2.東京ジョー(1949年・米)

ハンフリー・ボガート主演。戦後間もない東京を舞台にしたハードボイルドぽい作品で、脚色はあるにしろ日本ぽい情緒が肯定的に描かれており、その一方で、昔一緒の釜戸で飯を食っていたはずの日米人同士が、戦争を経て暗黙の主従関係が生まれ、ギスギスするっていうのは万国共通でしょうか。人種関係なくビジネスに専念していたレコード・レーベル、スタックスですら、キング牧師暗殺事件によって良好な関係が断たれたというくらいですから、集団間における闘争がスッキリと終わることはないんですかね。

3.家族ゲーム(1983年・日)

どうも僕という人は映画の中の、観客に暗に気付かせるための仕掛けに全然気付かないことが多く(あのシーンはああいう意味があるのよ。それに気付かないとかあなた無能ね、というあの類)、本作も見終えたあとにちょいと検索して、なるへそ、と、その作品で揶揄していたであろうシーンの解説に関心しきりでした。
というような奇怪なシーンがいくつかあり、だからといって奇をてらうものではなく、真剣に考え込んだであろうセリフひとつひとつが無視できない魅力を持ち、意味ありげでいて本当に意味を持たせないよう気を配っているんじゃないかと思います。
その一方で、いじめや受験問題、尊属殺人といったリアリティを背景にちらつかせるので、映像全てにブラックユーモアが内在しているような錯覚を引き起こします。湾の側に団地があるっていう風景そのものが半分ファンタジーにすら思えて、グレーな現実感に浸りました。

4.回転(1961年・英)

古典的な物語のホラーですが、古いモノクロ映画でありながら3回ほどマジでビビりました。夜に眠れなくなる、って思ったときにまぶたに浮かぶ映像って、こんなだよなあとなりますよ。屋敷の空間に響き渡るサイケデリックなエコー、逃げる術がなくなり生存率がみるみる落ちていくような妄想的、幻惑的な閉所サウンドも至高です。子どもらが発狂したように叫んだかと思えば、突然口汚く罵る多重人格性など、突発的なホラー現象が強烈。

5.死刑台のメロディ(1971年・伊/仏)

アメリカ史最大の汚点とも言われる、サッコとヴァンゼッティ事件。1920年代でしょうか、この2名がアナーキスト(共産主義者)だったことによっていわれない殺人事件の濡れ衣を着せられ、死刑判決、執行されたというもの。当時、ヨーロッパなどにも飛び火して判決を取り消すよう多くの国で大規模デモが起こりました。それから50年ほど経って、あの裁判は間違いであった、と政府が認めたそうです。
本作はサントラのLPだけ持ってました。エンリオ・モリコーネ作!ジャケットのとおり、実在した2人とよく似せていらっしゃる。※スーマリではありません。
世の中には名作なのに胸糞が悪くなるものがあって、強盗・強姦集団への復讐を果たす「わらの犬」に引き続きこちらもそんな類かと思います。冤罪事件ってのはある程度政治的な思惑があるわけですが、100年前実際に起こったこちらはモロな政府VS反政府の代理闘争で、過激な罵倒の泥仕合によって法廷が混然としていく様子が痛々しい。音量のレッドラインをオーバーするほどの怒鳴り合いです。
それにしてもこの邦題はなんでしょ。ヨーロッパ映画の有名作をかけ合わせただけでしょうか。

6.ヤコペッティの大残酷(1975年・伊)

傑作!ペキンパー並にスローモーション使いますが、本来は感動や戦慄を呼ぶはずのその技法が一種のアイロニーとして機能しており、その点でホドロフスキーのようでありながらまったく芸術性は感じず、なのに素晴らしいと思わせるのはなぜかしら。土地も時間も超越して飛び回る、自由度の高い作品、でありながら、お固い欧州宗教史を軸にした物語。こんな映画を撮りましょう、といってこれだけお金かけてやらせてくれるものなのでしょうか。日本のファミコンソフトの名エンディング「こんなげーむに まじになって どうするの」よりはるか前に、見応えあるナンセンス作品を残していたんですね。

7.きっと、うまくいく(2009年・印)

近年大ヒットしたインド映画ですね。いろいろと泣かせにくるなーという作品で、ぼくは涙腺が弱く、かっけの条件反射のごとく泣きやすいので本作でも10回ほど泣いたんですが、それは置いといて。
日本も含めて経済発展と学歴社会というのは切っても切れぬ関係のようで、学生の自殺が増加しているインドの現状を痛快なほどライトに描いたのは、とても示唆的であるように感じますね。同じテイストを日本人キャストでやられたらイライラしそうですが、ほのかな異国情緒があるってのが奏功しました。というわけで好みでない部分があるにせよ、他人にはオススメしやすいですね。ドリアン助川はU2「ポップ」が好きでいろんな人に買い与えていたそうですが、映画をギフトする機会の多い方はそのカタログにいかがでしょう。部分部分を見れば実によくある設定なのに、出色の出来になっていることも興味深い。

8.スーパーマリオ 魔界帝国の女神(1993年・米)

当時はキワモノとして紹介されてた記憶且つ、デニス・ホッパーも落ちるとこまで落ちた的な扱いされてた気がします(ブルー・ベルベット、悪魔のいけにえⅡ以来3度め)。今はネットで誰でもできるし披露もできる二次創作がはやりですけど、そんな潮流を吹き飛ばすような、柔軟なアイデアを生み出す原動力を感じますね。ゲームのマリオ・ワールドはほんの下敷きで、あとはサイバーパンク風に仕立てたってのは、芸術性の是非は別にして、本当に人間的で創作的な行為だなあと思います。キノコ要素は汚い菌になってますし。でかくもなりません。そんなアイデアが全編に行き渡っており、非常に刺激を受けました。まさかのディスコで流れるLove is the drug!クイーンのTie your mother downも。

9.西部戦線異状なし(1930年・米)

後年数々生まれる戦争映画はあらゆる要素(楽観、組織、権力、狂気、淫乱、絶望、達観など)を盛り込んでいますが、本作は第一次世界大戦後の時点でそうしたポイントをすべて盛り込んでいます。そしてさまざまなシーンで印象的な映像の工夫、経過とともに移りゆく主人公青年兵士の目つき、といったように大味に終わらぬ配慮もあり、そしてあの戦争の、はじめ楽観的だった雰囲気が徐々に変質し、現場とは程遠い自国の人々が意気軒昂としていく描写の細やかさ。映画でここまでやりきったけどすぐ第二次が始まるのです。

10.ライフ(2013年・米)

おなじみLife誌を下敷きにした、ノンフィクションのテーマを土台に展開するフィクション映画でして、Life誌に勤めていた冴えない表紙ネガの管理者が、自分が担当する最終号の表紙ネガを探し出すべく、世界を周り成長するというもの。
序盤から中盤にかけて、主人公は自分がスーパーマンになるかのような空想を何度も続けるのですが、風向きが変わっていよいよ世界へ飛び立つとき、Space Oddityがメインテーマのごとく流れ、それが最後の空想癖になります。その場面だけ、空想と現実の境目にまで近づいたようなリアルさがあるのはとても象徴的で、そしてバックパックが終わったあとの終盤、「空想することは減った」というシャレたセリフにつながるわけです。
たいていの孤独な人々は空想、妄想が肥大化していくんですが、社会で評価されずとも、自尊心を獲得することはできるという意味で希望にあふれた作品だなと思います。

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1984年生まれ。現在の住まいは千葉県浦安市。

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