クイーンのアルバム「A Kind of Magic」の収録曲はすべて「ハイランダー」のために書き下ろされ、そのほとんどが使われています。インタビュー映像のうろ覚えですが、ハイランダーの監督ラッセル・マルケイがクイーンに1、2曲作ってほしいと要請したところ、メンバーからはそれをはるかに超える数の新曲が提案されたそうな。果たして監督にとってそれが本当にありがたかったかどうかは謎ですが(爆) こうして多くのクイーンの曲がハイランダーで使われることになったということです。
バンドがかかわった映画の中では最も商業的に成功したものではないかと思います。ストーリーは興味深いもので、現代と中世(過去)の二層を織り交ぜるように話が進みます。主人公の男は大昔に生まれながら不老不死の種族であるため、現代まで生き永らえている剣士。しかし、ある時を境に、その種族同士で剣を交えなければならない掟があり、それが現代の市街地で突如繰り広げられます(不死だけど首をはねれば死ぬらしい…)。生き残ることが許されるのはたった一人という過酷な状況で、誰が勝者となるのか。
話自体は惹かれるものがあるんですが、色々と気恥ずかしいシーンや整合性の厳しさから決していい映画とはいえないかな…というのがぼくの感想です。ということでクイーンの曲がどんな風に使われているかってことなんですが、以前に見た「フラッシュ・ゴードン」と違い、楽曲を大胆にサンプリングして流しているのに驚きました。オープニングで流れる「Princess of the Universe」(PVで主演のクリストファー・ランバートを出演させ、映画のシーンと合成させている)ではメロの楽器のパートだけを繰り返し流したり、A kind of magicも楽曲から切り離した音を使っているようです。OPはバンドのコーラス術がサスペンス的な空気を醸し出していてなかなかいい感じ。他のいくつかの曲はカーラジオなどに忍ばせたりして登場しますが、特筆すべきはフランク・シナトラで有名な「New York, New York」のカバーが聞けるトコでしょうか。わずかな時間ですが。
ハイランダー!
無題