「ルーツ・オブ・ブリティッシュ・ロック(ハード・ロックの黄金時代)」
著者:深民淳
シンコー・ミュージック
1988年初版発行
ページ数:199
定価:1751(消費税3%計算)
内容:
~125…本文(半分はアーティスト等の写真)
125~136…座談会
136~199…オリジナル・ディスコグラフィ
読みやすさ
(文章) ★★★★★
(構成) ★★★★☆
読みごたえ ★★★★☆
初心者にも安心★★★★★
マニアック ★★★★★
オリジナリティ ★★★★★
オススメ度: ★★★★★
※書評する際の指標も兼ねて、評価を項目別にも作って見ました。結構適当なのでオススメ度だけ見てもらえれば…でございます。過去のエントリーにも同じものを付け加えました。
前回の書籍のエントリーにて、強く紹介したいという本は、こちらなのでした…。僕は自信を持って満点評価!ですが、読まれたことがある方の評価やいかに!?20年近くも前に出版された本のようで、もう絶版なのでしょうか?
主に60年代~70年代中ごろまでの英国ロック…特にハードロックの変化に焦点を当てて書かれた本です。ハードロックといっても、いきなり
レッド・ツェッペリンをご紹介~…ではなくて、イギリスでウケたアメリカ産ロックンロールを皮切りに、
ビートルズ、デイヴ・クラーク・ファイヴ、ゾンビーズ、キンクスなどといったビートグループ勢にその根幹を置いて書かれています。その辺りにページもかなり割かれていて、イメージとしてのブリティッシュ・ハード・ロックではなく、純粋な音楽性の変化やそれがシーンに与えた影響、レーベルとの関係の変化など、多くの側面からこの時代のロックを多面的に捉えており、なおかつ面白いのでどんどん読み進められてしまう…60年代~70年代英国ロックの全体像を捉えたい方には、必読だと個人的には思います。
この時代のロックに触れてきた方々にも嬉しいマニアックさもかなりあって、毎ページ左面すべて使って割かれているバンドの写真は、結構見たことがないものも多いです。
ガンや
ベイカールーなどのメンバー写真を掲載している本もなかなかないのでは?メジャーバンドの写真ももちろん多く掲載されていますが、これまた見たことのないのがかなり多かったです。時代とジャンルの構成として、ファミリー・トゥリー的な図表もあったり、かなり個性的、かつ意欲的な書籍なんじゃないかと思います。
巻末にあるディスコグラフィも、プログレ、ビート・グループ、純正ハード・ロックなど、ハードロック的な作品を有名無名の310枚を掲載。CD枚に手に入りやすさを五つ星で書いてくれているのも嬉しいですが、20年経った今となってはやや怪しい情報…
やや分量は少ないですが、これ一冊で、論文となっていてもおかしくない内容なのではないでしょうか…といっても読んでいて肩が凝るような感じでもない。読み手を納得させる説得力と読みやすさ、読者のロック歴を問わず読める本…オススメいたします…。
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