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4番、サード、いたち野郎

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エキセントリックな大名盤 David Bowie「Scary Monsters」





ちょいと更新してませんでしたが、また少し長くできなさそうな気もしているので、ちょっと空いた今こそなんとか更新を。

ミュージシャンで長く活動してる上、結構なペースでアルバムを出し続ける人というのはアルバムを順を追って聴くだけでもその人の流れが汲めるような気になれて面白いんですが、特にボウイは音楽性の変化が顕著だし、個人の心情も深く反映されていて、単なるカタログ的な楽しさを超えた歴史を刻み続けている人なんじゃないかと思います。

前のブログでもボウイは結構書いた気がしますが、このアルバムはまだのはず…いやはや個人的には1,2を争うほど好きな作品…といっても、不思議とこのアルバムのUK盤というのが欲しいのになかなか見つからなくて、あれば大した値段でもなさそうなもんなんですが、かなり長い間手にしてませんでした。ヒーローズもウチの近所ではあまり見かけないです。よく見るのはこのアルバムの一つ前のロジャー。それまではずっと国内盤で聴いてきたわけですが、ようやくオリジナル盤を手にしました。 中音にごっそり集め、篭った空間での音ながら音は細部までよく響く生っぽさがあって、いわゆるこれ以前のベルリン三部作に近い印象を持ちました。ただ、楽曲の指向性がそれまでとまったく異なり、メタリックなギターが展開されるので、受ける印象はそれまでとまるで違うという場合もあるかもしれません。実際、プロデューサーもバンドメンバーもまったくといっていいほど一緒なのに、ベルリン4部作とは言われないですね。83年の「レッツダンス」に挟まれ、宙ぶらりんな位置づけなのかもです。このボウイもそうだったんですが、海外レコードをウィキで見ると、一枚一枚のカテゴリーが違うことが多いので、面白いなぁと思ってます。このアルバムはpost punk, new waveとか書かれてますが、一つ前のロジャーはart rock, world musicと表記されているという…他のミュージシャンで調べているときも大抵こんなことがあります。自由に誰でも編集できる場ではありますが、英語圏の人々は細かなカテゴライズに意欲があるってことなんでしょうか。ヒーローズなんてkrautrockて書かれてるぞ。思い切ってます。

こんな長く書いてると読んでくれる人なんてそうそうおらんのでキリトリ線配置。そんなわけでオリジナル盤で聴くと、身体が震えるような素晴らしさを体感したというお話です。大袈裟だなライアー。と言われるかもしれませんが、このアルバムに関しては国内盤あまり良くないと思います。オリジナル盤を基準にすると、ボウイの意図した音とは程遠いのでは。とかはともかく、日本語の語りがイキナリ入るという「It's no game」で幕開けする本作、仰々しい語りに、日本人の我々からするとげんなりした人がいるかもしれませんが、異国の人になったつもりで「語感」をとらえるように聴くと、演劇性な語りに感じられて、こういうのも演劇に理解の深いボウイが細かく注文を付けた結果なのかも、という想像も。語りの内容は、ボウイが英語で歌っているのを直訳して喋っているんですが、特に詩的でもセンチメンタルでもない、あれま、という内容(爆) しかしこれもまたボウイらしさ。

この曲もそうですが、この頃恐らくKing Crimsonの復活を企んでいたロバート・フリップがギターで多く参加していて、音を外して弾いてる曲は大抵フリップ参加曲です、というかほとんどの曲で弾いてるんですが。以前にもボウイの作品には参加しているんですが、やはり彼のギターはかなり強烈で、特に弾きまくりの表題曲「Scary Monsters」での妙なタイム感は最高!他にも、The Whoピート・タウンゼント「Becouse you're young」一曲にギターで参加していますが、手につかないような音の質感がフリップとまったく違ってこれまた面白い。近年、てほど最近でもないですが、アルバム「ヒーザン」の「slow burn」でもタウンゼントがギターで参加してました。

前作の「ロジャー」で、ドイツ風なひょうきんさとそこからの脱却とが半端に同居していたところの、脱却しかけていたところがさらに進んだ形で全面に出てるなぁ、というのがこのアルバムの印象で、ジャケの裏にはいわゆるベルリン三部作のジャケが載っていて、色んな意味合いがあるんでしょうが、過去の3作品を強烈に意識しているのは確かなんだと思います。違いといえばブライアン・イーノが本作にいないというところだと思いますが、これは案外当時のボウイにとっては大きなことだったのかも…。以前のドイツ風、というよりイーノ的なユーモアが色濃かったエキセントリックさとは違う、ボウイ個人によるエキセントリックさがモロに出てる感じで、そこもまた良いところ。イーノが演じる「冷たさ」というのは脚色が強い印象ですが、ボウイの無機質感は自然な感じで…そんなわけで、どの本流を汲まなず、互いに接点を持たないような魅力が多いと感じるため、漠然とした感想になってしまいましたが、以上でございま~す(サザエでございま~すという感じで)











Scary Monsters




Ashes to Ashes




It's no Game





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Comment

無題

  • OASI-Z
  • URL
  • 2011-03-12 10:25
  • edit
そちらは地震の影響は如何ですか?
どうか、ご無事である事をお祈りしています。
落ち着いたら、また音楽を聴きましょう。

「アッシェズ・トゥ・アッシェズ」は、名曲だと思います。

OASI-Zさん、ご心配ありがとうございます。

  • いたち野郎
  • URL
  • 2011-03-12 13:39
  • edit
こちらは埋立地ということもあって、道路の液状化や割れ、突起といった現象が起こっている上、水道とガスが止まっています。しかし、家族や友人で所在不明という人もまだ見当たらないのが救いです。
北海道も大きかったのでは?OASI-Zさんの地域は大丈夫ですか?
こういう事態でもCDやレコードはいつもと変わらぬ音で、癒してくれますね。昨夜も色々かけて落ち着いてました。こちらの状況も改めてエントリするかもしれません。

ご無事で何よりです

  • ひで
  • URL
  • 2011-03-12 15:38
  • edit
いたちさん、お風呂が使えない状況で大変ですね。
今、原発の方も大変な事になってるみたいで心配です…

このアルバム、日本語の語り(?)がやっぱり気になりますね。なんか赤面しちゃう恥ずかしさを感じます。
アート指向が強く、正直、地味な印象だったベルリン三部作の次に、ジギーみたいなキャラクターを再び登場させて、ボウイやるな!って感じっすね。

あぁ、地震の影響か、自分で何言ってんのか分からなくなってきましたので、このへんで…(汗)

ひでさん、ご心配ありがとうございます。

  • いたち野郎
  • URL
  • 2011-03-13 20:46
  • edit
ひでさんのお宅でも物損があったようで…関東も色々なところで被害が出てますね。原発も一度は血の気が引きましたが、大量の放射能漏れは食い止められてるようで…あとは事態が安定するのを祈るばかりです。

地震の日や次の日は自分もかなりパニクってましたから(笑) 普段思いもよらないことが頭をよぎるというか…

日本語の箇所はつい笑っちゃいますね。読み方もワザと滑稽な感じですが、日本語を知らない人にはどう聞こえたのか…日本人が聴いても、洋楽レコにあんな日本語が入ってればビックリしますよね。こういう変化もベルリン三部作になかった志向ですし、色々と興味深い作品ですね…。
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