今回手に入れたビデオは惜しくも第1巻無しですが、ごく初期が中心でいいお話が凝縮されている頃のものでした。というのは、始まった頃は原作者のトーベ・ヤンソンらがアニメ製作に関わっていたらしく、原作の世界観に基づいた深みのある物語になっていたのですが、いつからか原作とはあまりつながりのないコミカルな展開になってしまい、はじめは夢中だった自分もすっかり見なくなっていました。
ムーミンが変わったのは中身だけにはあらず。オープニング曲とエンディング曲も軽いタッチの子ども向けソングに変わってしまい「何か違う…」と思ったもんです。では元々の曲がどうだったかというと、これがずっと思い出せなかったんですが、買ったビデオを再生し、全て整いました(使い方が違う)。大人な女性の歌声で、寂寞とした佇まいが原作の世界観にうまくはまっているこちら。改めて聞いてもいい曲。
夢の世界へ たのしいムーミン一家オープニング曲
これを歌っている白鳥さんはナレーションも担当している、というのをクレジット見ていて初めて気づきましたが、何とトワ・エ・モワの女性の方なんですね。さすが歌がお上手…。気に入ったのでギターとピアノ両方で練習しています(^q^)
ぼくと同世代の人の中には、ハーモニカの音色をムーミンで初めて知った人もいるんじゃないでしょうか。みんなの憧れ・スナフキンがいつも持ってたアレです。アニメのスナフキンは原作以上にムーミンと仲良し。孤独を好む彼は自然や人々の心を冷静に観察してますが、第3話でも含蓄のある一言を。切手集めが趣味だったヘムレンというお爺さんが悩ましくしているのを見たムーミンは「ヘムレンさんより多くの切手を集めた人が見つかったのかな」と思いましたが、どうやらそうではなさそうで、なんで悩んでいるのか分からずにいます。そこでスナフキンが全てお見通しとばかりに「ヘムレンさんは切手を集める人ではなく、切手を持っている人になったんだ」と一言。コレクターに頭にふとよぎる虚しさ…ふところを突く鋭いお言葉でした。他の話を改めて見ても、泣けるものや考えさせられるものなど、子ども向けだからと侮れないアニメになってます。ムーミン谷の解説本を読んだところこれも面白くて、原作も読んでみたくなりますね~。
余談ですけど、カンガルーみたいな見た目のスニフというキャラの声を中尾隆聖さんが担当していたんですが、同時期にドラゴンボールZのフリーザ、にこにこぷんのポロリも担当していたようです。フリーザ……。
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ビート・クラブのDVDセット、1年くらいかけてちょうど半分見ました。
今は1969年の半ばくらいのシーズンなんですが、この頃は番組、というか音楽シーンそのものが変わりつつある転換期のようで、出演バンドのタイプや番組の演出に変化が出ています。もちろん序盤にもビート・グループ→サイケ・ポップへの路線変更はありましたが、それも数年すると新たな移行となります。
ビート・クラブの白黒時代はほとんどがフリだけの映像、口パクです。ごく初期は生演奏もあった気がしますが、英国ロック全盛期の68年はほとんどがフリな上にサイケぽい映像の加工があったりして…まぁこれはこれでいいんですけど、肝心の本人がほとんど見えないイメージ映像にされてたり、なんてのもあって(^q^)
ところが69年に入るDisk2で大きな変化が。まずビックリしたのが、突如登場するColosseum。60年代中頃から順番に見ていると、このグループが映像に出た時の違和感はなかなかのものです。スピード感に溢れ、ドラムとベースは暴れ、硬質なギターサウンドにサックスも絡む…それまでの横乗りウキウキなビート・バンドとはまったく違ったものです。これ以前にも番組の最新情報コーナーみたいのではフロイドとか出てた気もしますが、演奏者としては彼らがプログレ勢初登場ではないでしょうか。この日の収録ではProcol Harumも出ますが、どちらもフリでした。プログレではないですが、Steppenwolfも立て続けに登場しているのがこの頃で、これもニュー・シネマ到来な時節を感じさせます。
んでさらなるステップとなったのが全体の中盤となるDisk4で、ここで登場したSteam Hammerが生演奏を披露しています。ギャラリーのいない暗いスタジオで、ヘヴィなブルース・インプロを2曲続けて演奏。TV番組におけるブリティッシュ・ハードロックの萠芽ってことですかね。この後出たhumble Pieの演奏はフリでしたが、歌&コーラスは生だったようにも見えました。ちゃんと音源聞き直せばいいんですけど、ちょっと見当たらないもので…。
このDisk4のトリを飾った収録は、The WhoによるTommyを編集したメドレー演奏…つってもこちらは全部フリです。他の映像にコマ切れで使われることが多いのか、見たことあるのが大半でした。番組のほとんどを一バンドに費やすのは稀で、これもグループ/アルバムの人気の高さが関係あるのはもちろんですが、コンセプト・アルバムてことで時間を要してでも一連の流れをつくることにこだわったのかもしれません。バンド側の要請があったかもしれませんが。
そしてこの収録回で3曲生演奏を披露していたのがFat Matress。誰だっけなーと思ってギター弾いてる兄ちゃん見たら、このメガネに髪型はどうやらノエル・レディング。彼の在籍していたグループなんですね。そういえばアルバム・ジャケットは見たことある(でかいカーチャンの絵が描かれてるヤツ)…。悪くはないですが、エクスペリエンスにいた身からしたら物足りなさを感じたかも。すぐ辞めてますし。
Disk5も少し見ましたが、この辺りからバンド形態は生演奏率高く、The Niceではもはや恒例だった踊るオーディエンスはおらず、まさしく「展覧会の絵」を見に来ているようなギャラリーが演奏を見つめる、というような演出でした。Yesはクリス・スクワイアの半裸&驚愕速弾きを堪能…。どのバンドもちゃんとアンプが置かれて、だんだん無骨な感じになってきてます。そしてなぜかクリストファー・リーのインタビュー映像。そういえば、あのひょうきんなおっさんがいなくなりDave Dee?が司会に…。
表現の主体がシングルからアルバムへ。演奏も3分から10分以上へと、ちょうどロックが大きな転換に差し掛かるポイント。これまで以上に複雑な曲やインプロヴィゼーションを演るグループも増え、ビート・クラブにもありありとその様が出ていました。まだ到達していない&未開封のボックス3本目は70~72年てことで、今回の延長線上にある形態がお披露目となりそうな予感です。
The Nice-Hang on a Dream
Yes-No Oppotunity , No Experience Needed
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