はじけるファンタな音で目立てるドラマー
メンバーどれもがやたら顔が個性的なホリーズなので、この変わったお顔のボビー・エリオットが意外と地味なんですが、一応努力してるのかよく帽子をかぶってますね。このチップとデールみたいな可愛い顔した彼はドラムの名手中の名手。
バンドをやったことがない人でもホリーズを聴かせて、ドラムどうです?と尋ねると、大概の人がイエス!彼はイーね!と答えてくれるんじゃないでしょうか。当然技量と資質を備えた人なので、ロカビリーの人みたいな堅実なウマさというのがまずあると思うんですが、彼は叩く音が物凄くデカい上に、ドラムセットの低音と高音を物凄く広く使っているというのが特徴的で、それをステージに繰り出す放漫なプレイスタイルは炭酸飲料のごとき
はじけ方なのでした。 スネアはスカーンスカーンと高音鳴らすのに対し、そのスネアの間で鳴らしているバスドラが逆に物凄く低い、そしてデカい。この迫力はやはり原盤7インチでお楽しみいただきたいところです。そして彼は現在でもホリーズの一員なのですが、このスタイルが一切ブレないという強靭な精神力の持ち主で、ホリーズ・サウンドをホリーズ・オンリーにし続ける名物マスコット的な方なのデス。
しかしこんなバカでかい音で叩くのも無理はない、というところで、何せホリーズ自体音がデカいバンドで、こういうバンドにいるドラムというのは可哀想な運命でして、エレキ楽器はちょいとツマミ回せばガンガン音を出せるんですが、ドラムはそうはいかないんです。力まかせにやってもたいしてデカい音がでないのもまたドラムの特徴でして、空手家が大きな石をてんけつするかのごとく筋を見極めて叩いてこその大音量…彼はそれを習得している技巧派でもありながら、陽気な性格が生み出した破天荒おかずまで兼ね備えた無敵なドラマーなのでした。おかげで嫌味さがまったくないのがまたいいです。ホリーズはどのメンバーも結構独立して演奏してる感じがあるのでどれも音が際立つんですが、それでもボビーのドラムの出しゃばりぶりは相当なもので、ライヴのたびに楽屋でメンバーからお前だけずるいよ~、と苛められてないのか心配なところです。
ボビー・エリオットのドラミングおすすめ曲
Look Through Any Window(1966)
↓は
Look Through Any Window(1966)ですが、テレビ演奏でも容赦ないです。
[7回]
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