著者:ジェフ・カリス
訳者:村上敦夫
初版:2009年
P-Vine Books
ページ数:384
定価:2625円
読みやすさ
(文章):★★★★☆
(構成):★★★★☆
読みごたえ:★★☆☆☆
初心者にも安心:★★★★☆
マニアック:★★★☆☆
オリジナリティ:★★★★☆
オススメ度:★★★☆☆
図書館で借りて読んだだけなんですが(爆) そういえばこのバンドについての本てあまり見かけないもので、それもそのはず、当のスライ本人がインタビューを嫌う傾向にあるらしく、このグループのバイオグラフィを作るという作業は並大抵のものではないんだそうです。日本だけでなく、アメリカ本国にもまともな本がない状態だとか。
今回のこの本でもスライ本人とはコンタクトが取れなかったらしく、さほどバンドの実態の核に迫る内容になっていないのが残念。前半の恋愛話や学校でのヤンチャ話が長い(爆) その当時のポピュラー音楽界全体を見渡しながら書かれてはいるものの、かなりファミリーストーンをひいき目に見過ぎてる感じ。 それでも元メンバーや関係者への聞き取りはかなりこなしたようで、相反する証言を提示しながら自身で結論を引き出さないところは非常に好感を持てます。
構成は
、少年期、グループ結成期、「スタンド!」期、「暴動」期、ファンク期、その後 みたいな感じになっていて、しごく真っ当な感じでしょうか。まぁしかし読み進めていると映画「レイ」を見ている気分にさせられるような展開でして、スライが人種問題に一定の距離を置いていること、レコードが売れた途端に過去の友達との付き合いが悪くなった、LSDを始めて創作意欲が一時的に増したものの周囲と不和になる、健康を害する…と、まるで同じような道筋をたどってる感じでして、デビュー時期はずれていますが長きに渡る活躍の中でシンクロすることがある両者、何かの因縁かもしれません。
とりあえずこのグループは結成当時から地元じゃ負け知らず(爆) だったそうで、スライ自身が元々プロデューサーやラジオDJという異色の経験の持ち主だったのもあってか、速攻でマネージャーから声がかかり、レコード会社と契約も結べるという順風満帆なスタートだったようです。ただ、ウッドストックで評判になる前後から染めていたドラッグ癖のせいかスライは公演に度々遅刻するようになっていったんだそうで、おかげさまで観客の間でケンカ騒ぎになったりと営業に支障をきたすようになったようです。当然こうした行為はレコード会社やメンバーからの不評を買い足元がグラつく原因になったのですが、当のスライが遅刻の理由を言うには
「この業界ってのは悪いヤツがたくさんいる…俺たちバンドをバラバラにして一人一人をデビューさせてレコードを乱発させようと企むヤツがいるのさ。そういうやつらのおかげで俺はスケジュールを知らされなかったり、通せんぼさせられる…だから遅刻しちまうんだ」とのこと。たしかに「君、ソロで曲を出してみないか」と持ちかける野心に満ちた新進気鋭マネージャーがいたりしますから、嘘とは申しませんが実に怪しい言い訳でござんした。
なお、ページの途中には珍しいデビュー以前の写真などを掲載したカラーページがいくらかあります。
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