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「Lou Reed ワイルド・サイドを歩け」
著者:ピーター・ドゲット
訳:奥田祐士
大栄出版
1992年初版
489ページ
定価2000円
読みやすさ
(文章) ★★★★☆
(構成) ★★★★★
読みごたえ ★★★★★
初心者にも安心★★★☆☆
マニアック ★★★★★
オリジナリティ ★★★★★
オススメ度: ★★★★★
うーん、4つ星か5つ星か迷いましたが、読み応えがとにかく圧倒的だったということで、5つつけてみました。またしても大栄出版のカルト・バイオ・シリーズより。そろそろこのシリーズも読んだものは打ち止めかしら…
バイオシリーズなので、彼の生い立ちから90年頃までの活動をパーソナリティな側面から追っているのですが、学生時代やベルベット時代に偏ることなく、リードにとっても公平に、満遍なく研究された良書といえるのではないでしょうか。彼の学生時代の経験がどのように作曲に生かされ、反映されているか…とらえどころがしっかりしていて、実にうまく描かれています。
これは注文というより、この本の特性として気になることなのですが、アルバム毎に曲の評価を、著者が独自の視点で、かなり主観的に評価を下すシーンが非常に多いです。主観的と書いたのは、リードのどの曲のどの詞が優れているとか(全体的にあまり音楽的な点には言及が少ない)で、英語もまっとうに読めない僕にはいかんとも評価しがたいところなのですが…リードの詞を読み解く参考にはかなりなると思います。
リードはアーティストとして、どこまで本気で聴衆を感動させようとしているのか、はたまた、知性の鋭さゆえに、まったくもって人々を計算高く愚弄しきっているのか…表現方法において謎につつまれたリードの人物像を、哲学や文学の分野からも突き詰めようとしています。果たしてこれほど得体の知れない人物を紐解ける日はくるのか…
本の冒頭に、村上龍による至極どうでもいい序文(自分の優位性を主張したいだけの中身)がありますが、無視して構わないと思います(大爆)
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