「The History of English Youth Culture(イギリス「族」物語)」
著者:ジョン・サベージ
訳者:岡崎真理
毎日新聞社
初版:1999年
ページ数:228
読みやすさ
(文章):★★★★★
(構成):★★★★★
読みごたえ:★★★★☆
初心者にも安心:★★★★★
マニアック:★★★★☆
オリジナリティ:★★★★★
オススメ度:★★★★★
ロックというのは音楽だけでなくその時々の世相を反映することもあって、特にマイノリティな若者の集団がその自己同一性の表現として服装、髪型などをスタイル化する一環として、そこにロック音楽が関わることが多いようです。日本で言えば、竹の子族がディスコ音楽や軟派なロックンロールで踊るとか(爆) 本書はイギリスでのそうした生まれは消えていく戦後登場した若者集団について事細かに書かれたものですが、どれにもロック音楽が深く結びついているのでヤンチャなニーチャンに興味がなくても程よく読めるようになっております。
程よく読める、とは言ったものの、一応学術書的な範疇にも入る本のようで、きっと文化論のような分野で語られる内容なんだと思います。そういう意味では意味深だな、と思うのが邦題の「族」という言葉で、かぎ括弧まで付けられてるんだからよほど強調したい言葉なんだと思うんですが、普通は「族」というと血縁的なつながりのある「部族」やら「民族」…tribeを指すと思うんですが、そうではなく同じ思考、思想を持った共同体こそを「族」と呼ぶにふさわしい、それこそが現代的な集団の在り方、という意味でつけたんじゃないか、という感じがします。
全部で12章からなっている構成ですが、一部そのタイトルを挙げるとテディ・ボーイ、モッズ、ヒッピー、グラム、パンク、ニューロマンティック、マンチェスター…などなど、時にはロックそのものを指す言葉でもあるわけで、イギリスでロック音楽がいかにユースカルチャーの形成に深く関係していたか、ということに気づかされます。一つ一つについて書いてもアレなので、全体を観て思うことは、どのスタイルも流行った頃はいいけども、流行りすぎると自滅するということでしょうか(爆) 風邪をひいているのとまたちょっと忙しくなったので、このあたりの大激論(爆) はまた後日とあいなります。
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