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音楽
土曜日はロック好きな同級生らと飲んでいたのですが、その席で「いたち君のブログは気持ち悪いくらいマジメだよね。普段は悪ノリしかしないのに…」と言われたのですが、恐らくその通りです(爆) しかしそれはリアルでは喋り方など冗談が過ぎるということで、ブログで書いている中身やコメントについては実直だよね、ということで落ち着きました。素面はイメージと180度違うとよく言われます…そう、まるであの映画の主人公のように…↓
先日書いたバトンの中の好きな映画で
「シャイニング」と書きましたが、有名なこのシーンが好きなんです。
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奥様の表情がいいですね。今出ているDVDには当時の出演者のインタビュー映像があるのですが、映画で主演級を張る子役が「僕はその辺の子どもと違って天才だから…」とめちゃくちゃ生意気なんですよ(笑)
さてさて、本日は書評第三弾ということで…前回までの二冊はキンクス関連でしたが、今回はかなりマクロなロック本で…
「ロックの伝道者―インタビュー集―」
シンコーミュージック
1992年初版
読みやすさ
(文章) ★★★★★
(構成) ★★★★★
読みごたえ ★★★★★
初心者にも安心★★★★★
マニアック ★★★★☆
オリジナリティ ★★★☆☆
オススメ度:★★★★★
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この本は
「ミュージック・ライフ」に掲載されたインタビューをまとめた単行本「ロック・アーティスト・インタビュー集」(1973)の中から13篇を選び文庫化したものになります。13組のアーティストによるインタビューでほぼ全てを占める、純粋なインタビュー集。
なんといっても文庫本なのが嬉しい。おかげで定価600円、まぁまぁ安価。それと評論家の言葉より何千倍と貴重なアーティスト本人の発言が数々載っているということで、結構重宝するんではないでしょうか。
インタビュー集というのも数あると思いますが、そうした本の中でもこれが特に良かったな、と思う点がいくつかあります。
一つ目はロック・アーティストの中でも王道中の王道、流行に終わらず未だに多くの支持を集めるアーティストのインタビューばかりということ。60年代後半から70年代頭、ミュージック・ライフ的に言えば
「ニューロック」なんて呼ばれた連中がほとんどです。
二つ目は、インタビューそのものがメンバーの絶好調期にされたものであること。インタビューというと、大抵は皆さん落ち着いた年令の頃にされたものが多くて、思い出話に花を咲かせ、マネージャーや当時の相棒の悪口をジリジリ…記憶もあやふや…年のせいかしら(爆) なんてのを多く目にしますが、この本に載っているのはミュージック・ライフ誌に当時載ったものばかりですから、まさに旬の頃に届けられた声が密封されているわけです。
そして三つ目は、13篇のインタビューを年代順に掲載しているということ。好きなアーティストのインタビューだけを見ることもできますが、これら13篇を順に追えることで、アーティストの心象や、彼らが興味あることの推移を感じることができると思います。全て通して読まれることを強くオススメします。
掲載されているアーティストは、以下の方々。
ジミ・ヘンドリクス
エリック・クラプトン
ジョン・メイオール
ミック・ジャガー
レッド・ゼッペリン
エマーソン、レイク&パーマー
CCR
ステッペン・スティルス
エルトン・ジョン
ロッド・シュツアート
マーク・ボラン
ポール・マッカートニー
ジョン・レノン
(掲載順。1969~73年)
ミュージック・ライフなんだからビートルズのインタビュー載せてくれても…と思ったのですが、たわいもない話ばかりだったせいでしょうか?ここでは見送られたみたいです。星加ルミ子さんが恐らくイヤイヤ編集長やってた時期ですね~(笑) アーティストの抽出にテーマがないのではないか、とも思いますが、その雑多さも含めて「時代を追える」ということでもあるんじゃないかと思います。後づけで語られる「ジャンル」でアーティストを抽出してしまうと、それこそアーティスト同士がつながっていた数珠の紐を見失うことになりますから…。
最初に載る
ジミヘン、クラプトン、ジョンの三人は本当にブルースの信奉者という感じで、
「我々は若い人たちにブルースを知ってもらうために演奏してます」なんてノリなんですよね。自分がどう偉いかなんて一言も言わない。自分が何が好きで何が嫌いか、というのをたくさん話してた印象でした。
それが時代を経てブルース・ロック自体が下火になってくると、
ストーンズや
ツェッペリンはブルースからの影響について少し濁した表現をしていたと思います。 他でよく記憶にあるのは
CCRの連中はひたすらビートルズを讃えていたこと(自分たちがアメリカでビッグバンドになっても喜べないのは、
ビートルズが解散してしまったから…)や、
ロッド・シュツアートが自身が在籍していた伝説かつ幻のグループ
「スティーム・バケット」での
ブライアン・オーガーのやり方をこき下ろしていたり、
ジェフ・ベックとの共同作業がうまくいかず、彼のやり方は理解できない、とか言っていたことでしょうか…。
そんな一つ一つのエピソードやアーティスト同士のいさかい話も興味深いのですが、何よりも彼らが当時どういった方向性を至高と信じて音楽活動をしていたか、というのが一番ですね。年をとったあとからなら「あれは失敗だった、若かったし」と幾らでも言えるんですが、そのときの時代性を背景に自身の中で確信めいたやり方があったはずですから…。
最後にこの本で好きなのは、アーティストが話す語調が丁寧語なのが多いことです。最近だと古臭い不良言葉みたいな訳ばかりで、ちょっと胡散臭いなぁ、ダサいなぁ、と思うんですが、ジミヘンとかCCRは、日本人へのインタビューでは敬語で話してそうだなぁ、そっちの方が面白いしなぁ、と思っていたので(笑) でも当時のゼッペリンの人たちが敬語使って話してたら気持ち悪いかも…
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