今日初めて夜停電を経験…もっと真っ暗になるかと思いきや、月のせいか対岸の東京からの光のせいか、意外と明るかったので安心しました。サザエさんの最初の方の巻はいつも停電しっぱなしなので、磯野家の余裕ぶりを見習いたいと思います。と話すのは自称都内に務める会社員、アナゴさん(27)。
地震後に街中で耳にしてジーンとした曲は、東京で避難した帰りに入ったラーメン屋の有線でかかっていた
ジョージ・ハリソン の
「マイ・スウィート・ロード」 で、帰って三枚組
「オール・シングス・マスト・パス」 を2周するという快挙(?)を成し遂げ、泥サウンドのついでにUSロックに移行しつつあります。不便な生活が続いていますが、なんとなくアメリカ、特にスワンプなサウンドの地に足のついた感じに癒されます。
そんなところでまず今日選んだのが
オールマン・ブラザーズ・バンド のファースト・アルバム…ということなんですが、僕は長い間このアルバムの存在を知らなくて、初めて買ったのは去年の夏ごろ。レコ屋の安いコーナーにあったところで見つけたものでした。
買ったものが発売当時の国内盤(サンプル)だったので、日本で発売した1970年当時(アメリカでは1969年)ライナーもあったのですが、その内容は「このバンドはとてもうまい。だけど成功はこれからのアルバム次第」といったことが書かれているんじゃないかと思います。微妙な書き方してるんでホント読む人によって捉え方が違うかもしれませんが…。もっとミクロに確実なところから抜き出すと、売れ線を狙ったようなバンドではなく、演奏がとてもうまいグループ。音楽的主張は次回以降に期待したい、という感じ。 その後の世界での爆発的ヒットぶりからは想像もつかない消極的なレビューですが、昔の新人バンド向けのライナーて結構慎重なのが多いですよね。駄作ぽいのにも慎重で、90年代の、スポンサーであるレーベルに遠慮して何でも褒めちゃうライナーとは違い個人の感想がちょろちょろ出ているのが面白いところです。
当然デュアン・オールマンもいるという、当分続くオリジナルの編成ですが、一曲目が意外なところからのカバー。イギリスの
The Spencer Davis Group の
「Don't Want You No more」 。しかもバンドの看板だった
スティーヴ・ウィンウッド が抜けた後のシングル。ブルースナンバーという意味では、オールマンが逆輸入してカバーしたとも取れるかも。
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The Spencer Davis Group「Don't Want You No more」
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The Allman Brothers Band「Don't Want You No More」
オールマン兄弟は20歳前後でデビューしたにもかかわらず、オリジナルをはるかに凌駕するようなギターの音の強さで圧倒。他の曲でも、渾然とした音の中から耳をつんざくように現れるデュアンとディッキー・ベッツのギターのユニゾンで輪郭がハッキリし、且つデカい音が主役という感じで、グレッグの声はすでに喉をからして振り絞ってます感で熟れたブルース歌手のような歌いぶりでナイスガイぶりが出てます。全部でわずか7曲ながら、その後のライヴ盤での長尺を思うと一つ一つが小粒に感じるスタジオ作ですが、
Whipping Post のように短い中に手を込ませた変化多彩な曲もあって、これがフィルモア・イーストでさらに拡大されているという…。
オールマンはそのときの時代を反映するようなバンドというイメージがなくて、パーカッションにこだわったりブルースに難解な変化を加えたりと、他にない独自路線を突っ走っていて、しかも一度解散する70年代半ばまでは、大所帯ながらほぼ不動のメンバーだったというのも驚き。このアルバムも69年ながらサイケデリックやヒッピーな音楽とは無関係な(見開きジャケの中写真はちょっとヒッピーぽいですが)立ち位置にいるような印象を受けます。 何よりも、若さ溢れる音の強さと声の張りがいい具合に響くのがいいですね。最初から渋めですが、ある意味ヤングミュージック。ナウ。
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Trouble No More
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Whipping Post
アトランティックの見本盤は青なんですかね…これで初めて見ました。
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