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書籍 「ブラック・ミュージック入門」



「ブラック・ミュージック入門」
著者:泉山真奈美、河地依子、高見展
編集:ロック・クラシック研究会
初版:2008年
発行:河出書房
ページ数:254
定価:1900円

読みやすさ
(文章)    :★★★☆☆
(構成)    :★★★★★
読みごたえ  :★★★☆☆
初心者にも安心:★★★★☆
マニアック  :★★☆☆☆
オリジナリティ:★★☆☆☆

オススメ度  :★★★☆☆


前にエントリした「魂のゆくえ」と同時に借りた本です。その名の通り、ブラック・ミュージック入門者用の本だそうで、3人のライターにより書かれたものです。「魂のゆくえ」の次に読みました。

まず目を引くのが、構成面での分かりやすさ。まず年代で大きく3つに分け、各セクションの冒頭で年表の表示と、大まかな時代背景の話。その後少し細かくレーベルやらの話を盛り込み、あとは一気にミュージシャンを一組ずつ紹介、とあいなります。自分の読んでいるミュージシャンの項目が、どういった時代にいたかというのが頭に残りながら読み進められるといったところでしょうか。
さらに、ページの下部は本文と切り離され、文中に登場する言葉の解説や、ミュージシャンの項目では盤の紹介をするスペースに。言葉の解説のとこはそんなに珍しい単語を扱っているわけではないのですが、基本に立ち返る意味でも確認できるのはいいですね。
何よりうれしいのは、アメリカの地図が見開き2ページ使いたまに出てきて、レーベルの場所を示してくれること。自分のような地理や地図が大苦手な身としては東海岸と西海岸の記憶がイマイチなので、こうして絵で見せてくれるのは重宝します。

本文は女性が書かれているところが多く、普段見慣れている男性の文章とはほんの少し違った印象受けますね。僕は女性の書いた雰囲気というのが好きです(なんだそりゃ)。ただ、入門編という前提があるせいかもしれませんが、教科書というか便覧のような文体で、曲名やチャートや年代の数字やらデータ的なものが盛り込まれており、読み進めるのが億劫になるところもしばしば。集中して読める人には気にならないのかもしれませんが、自分はこういう形式を読むのが結構苦手です。


この編集にあたったロック・クラシック研究会というのは、他にもプログレやロックの入門本らしきものも出しているみたいですね。表紙見たらたしかに見たことあるような。たまにはそういった入門ものも、現在はどう書かれているのか少しは興味あるので、眺めてみようかどうかというところです。




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映画での音楽(8) 「フラッシュ・ゴードン(Flash Gordon)」




「フラッシュ・ゴードン」といえばクイーンのアルバム・カタログのひとつとして、そして同名映画の音楽について全権を得たサウンドトラックとして有名・・・なのですが、意外と映画そのものを見た人は少ないはず。かくいう自分も最近になってようやく見ました。

フラッシュ・ゴードンはアメリカのユニヴァーサルから1980年に登場した映画。原作はアメリカで超絶人気を誇る国民的なコミックで、この作品を映画化してみたい、という監督は多かったようです。あのジョージ・ルーカスも映画化を目指した一人だったようですが、ついに実現していません。

そのジョージ・ルーカスが創り上げたスターウォーズの発表が1977年。フラッシュ・ゴードンは「スターウォーズを凌駕するSF映画に」という目標のもとで製作されました。当時最高額の数十億円ともいわれる制作費、アート系からも集めた優秀なスタッフ、そして原作は有名コミック・・・日本でも宣伝だけのためにロジャーとブライアンが来日するなど、大名作になるのも時間の問題かと思いきや。
蓋を開けてみれば、ドイヒーなデザイン・センスにハリボテなセット・・・ 1980年にしてこれではいかんでしょ、と言いたくなるような…。それでも、大作志向が転じて大味なB級作に堕した雰囲気は独特ですし、ややサイケがかった記憶を巻き戻す映像や薄黄色い空と雲、多用しまくる光線など、実は何気に面白いです。フットボール・ファイトも最高ですし。コミックをもとにして躍動感を作ることには明らかに失敗してますが、それでも個人的にはスターウォーズより好きと言えるような作品かもしれません。恐ろしいほど偏った見解なので真に受けぬよう…。

そんな謎映画であるフラッシュ・ゴードンで流れまくるのがクイーン・サウンド。突然とあの攻撃なコーラスや重苦しいバンド・アンサンブルが登場すると、否が応にも盛り上がるというもの。とある結婚式のシーンがあるのですが、そこでは思い切りブライアン・メイのあのギターの音で入場曲が演奏されるという、トンデモな展開。こうして映画の中でクイーンの音を聞くと、下手なオーケストラよりもずっと厚い音ですし、存在感が半端じゃありません。その貢献ぶりを象徴するように、エンドクレジットでまず登場するのがクイーンの名前。クイーンを聞くための映画という側面もあるといっても過言ではないでしょう。

サウンドトラックで最も有名な曲は表題曲(フラッシュのテーマ)でしょう。グレイテスト・ヒッツで聞けるのはシングルver.で、映画内の台詞や効果音を足したもの。これらを映画の中で聞けた喜びは格別です。僕のどうでもよい特技のひとつとして、この台詞や効果音をソラで言える、というのがあります。徒歩歩。
アルバムver.つまり映画のオープニングでは、こうした台詞や効果音は一切入っていません。
このシングルは世界的にもなかなか売れたようで、オーストリアではなんと首位を獲得したこともあるとか。
しかしこのサントラ盤を改めて眺めると、メンバー4人がそれぞれ単独で作曲したのを集めているんですね。ひとつの映画に4人も作曲者がいるなんてなかなかなさそうですが…。プロデュースはメンバーからブライアン・メイが担当。

ストーリーを書き忘れていたので少しだけ。フットボールの名選手・フラッシュ・ゴードンと女性を乗せた飛行機が何かの煽りを受けて墜落。その場所が陰気ながら頭のキレる博士の研究所だった。博士は宇宙人が地球を破壊しにきた、と力説。流れで3人はロケットで宇宙へ飛び出し、宇宙を支配する皇帝が住む惑星へと降りてしまう。3人は殺されそうになりながらも他の宇宙人と結束を固め、地球破壊を目論む皇帝をぬっ殺しにいく、ということでござんした。

こうなると、A kind of magicの収録曲と関わりの深い「ハイランダー」も見たいのですが、有名作の割には近場のレンタル屋では全滅の模様。DVD化の波がきてから借りられるものが随分減った気がしますね。韓流のスペース取り過ぎですし。尋常じゃないくらいスペース取っててビックリしますよ、TSUTAYAは。たまには愚痴で終幕。



Flash-Queen(Video Clip)







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書籍 「魂(ソウル)のゆくえ」




「魂(ソウル)のゆくえ」
著者:ピーター・バラカン
初版:2008年(1989年出版のものを改訂増補)
発行:アルテスパブリッシング
ページ数:285
定価:1800円


読みやすさ
(文章)    :★★★★★
(構成)    :★★★★★
読みごたえ  :★★★★☆
初心者にも安心:★★★★★
マニアック  :★★★★☆
オリジナリティ:★★★★★

オススメ度  :★★★★★

すごい久しぶりに音楽関連の本を読み切りました。ロンドンっ子の音楽マニアとしても有名なブロードキャスター、ピーター・バラカンさんにとって初めての著書だそうです。

タイトルにはソウルとありますが、ソウルという題目に縛られることなく、目次にある通り、ゴスペル、R&B、モータウン、サザン・ソウル、ニュー・オーリンズR&B、ファンク、ジャズ・ファンク・・・と、アメリカのブラックミュージックについてゴスペルを起点として書かれたものです。


自分がバラカンさんを認識したのは日本テレビの深夜に放送してた(今でもやってるかな?)CBSドキュメント、みたいなタイトルの番組でコメンテーターとして毎週出ていたのが最初。アメリカのドキュメンタリー番組で扱った内容について解説している姿なのですが、その後、レコードコレクターズなんかでも自分のコーナーを持っているのを見たりして、強烈な音楽ファンであることを知ります。

バラカンさんといえば、実に誠実で丁寧に喋るイメージがあるのですが、その調子が本の文章にもにじみ出ています。それでも、さらっと好き嫌いをはっきり書いているのもさすがで、やはりディスコの多くは苦手、産業ロックについては思い出したくもないそうです。

「ソウル・ミュージックを知らない方のための入門書を」ということでスタートした本書。まさに自分はソウルの流れはほとんど知らない身で、せいぜいがビート・グループと関わりの深いモータウンを少々、というくらいだったので丁度よく図書館で見つけて借りたわけです。
基本的には時系列でソウル音楽を追っていくのですが、この一冊に書かれていることすべてがひとつの流れとなるような読みやすさです。読みやすいということは、自分の頭にもスイスイと入っていくので、気持ちよく読み進めることができました。

どうしてこれほど読みやすいのか・・・。いわゆる初心者向けの本にも色々タイプがあると思うのですが、データや事実関係に執着するあまり、聞いたこともない曲名やチャート、その他数字などの情報がゴチャゴチャ入り乱れて読みづらくなる場合があります。それがこの本では、データ的な記載が本文にはあまりなくすっきりしており、重要な歌手やレーベルの変遷に重点を置いて、伝記的な読み物のように書かれています。そこに、著者のリアルタイムでの経験が盛り込まれることで、音楽への所感が盛り上がりを増して描かれているので、ただのお勉強な本にならない読む楽しさがあるのだと思います。

最後まで読んだ自分なりの解釈ですが、ソウルという括りはロックのそれと非常に似ている気がします。たしかにソウルとロックはルーツ、ひいては音楽性で相違があるのですが、音楽のタイプを超えたところで聞き手が受ける強いインスピレーションが「ソウル」であり、「ロック」なのではないかと思います。違いであったはずの音楽性も、スティーヴィー・ワンダーやマイルス・デイヴィス、プリンスらといったミュージシャンの尽力(?)もあってロックへの接近もあり(もちろんロック→ソウルもしかりですが)、この辺りもソウル音楽の変節と深いかかわりがあるそうです。

本書では手に入りやすいCDガイド、DVD、それに日本語訳されているソウル関連の本も紹介されています。今回図書館での借り物で読みましたが、ぜひ手元に置きたい一冊です。







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宇宙家族ロビンソンDVDキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


昨年末にひっそりと発売していた「宇宙家族ロビンソン」のDVDセットをようやく購入しました。
今までも出ていたのですが、今回の再発はFOXからのシリーズものということで、値段がグッと下がってなんと7~8枚の1セット定価4990円、でアマゾン等はさらに安くて3300円くらいで出しているわけです。このシリーズの他の作品が24とかアグリー・ベティとか比較的最近の作品ばっかりの中で、このロビンソンは妙に浮いておりますが果たして。
とりあえず3300円くらいだったシーズン1と2を思い切って手にいれました。シーズン3だけ3900円に落ち着いていたので様子見←ケチすぎる アマゾンでの値段は日々変動しますからねぇ…たまに見ておかないと…。

なんで私がこのロビンソンをがっつり買っているかというと、出会いは15年くらい前。日本テレビで深夜に「宇宙家族ロビンソン」なる番組の再放送があったのです。当時は映画版「ロスト・イン・スペース(宇宙家族ロビンソンのオリジナルタイトル)」の宣伝もあってか、毎日のように放映されてました。
日々登場する珍妙な宇宙生物、人(または目に見えない存在)や、ロボットと船員との軽妙なギャグトーク(日本語吹き替え、声優さんらの力量に依るところが大きい)が素晴らしすぎて、起きていた日は頑張ってビデオに撮ってまで見てました。今でも残ってます。




↑だいたい、この初老の人とロボット(フライデー)が日々喧嘩してます。

そんなちょっとしたロビンソン・ファンだった僕としては、待ちに待った安価でのDVD登場、となったわけです。


再放送していたのはシーズン2だったようで、シーズン1の第一話などでロスト・イン・スペース(宇宙で迷子)になった経緯をようやく理解。シーズン1はモノクロなんですね。結構キャラの性格やら雰囲気等、色々違ってます。

で、廉価DVDの装丁なのですが、かなりコンパクトに仕上がっている、という評価を見ていましたが、たしかにコンパクト。


これでディスクが8枚。すごいケースがあるもんです。ブックレット的なものはありません。なんでも、レーザーディスク時代のだと、豪華なブックレットがあったみたいで…これも拾うことがあれば見てみたいもんです。

まだ手にしていないシーズン3ですが、日本では放映されなかったようです。よって、おそらく吹き替えはないようで…。ただ、放映されていたものでも、編集の関係でオリジナルから省いた箇所もあったようで、そこにはご丁寧にも字幕が置かれます。有り難い限り。しかし、1セットに30話弱、1話50分くらい。いつになったらすべて見終わるのかしら。


それにしても、ロスト・イン・スペースといいスター・ウォーズといい、ロボットの声でコミカルな吹き替えに慣れてしまうと、元のダンディな声に違和感を覚えてしまいますね~。







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遙かなる宇都宮

先日、半年に一度くらいの宇都宮行脚へ行って参りました。以前住んでいたり、後から知り合った方が宇都宮在住だったりで色々な方にお会いしたいところなんですが、今回も日帰りということでいつものレコード屋さんにだけ行ってきました。


JR宇都宮駅前、ヨドバシや新星堂楽器も入っているララスクエア なんでしょうこの建物の目つきは


以前、移動の際に壊れてプチ話題になった宇都宮餃子像。なんでも消費量で浜松に抜かれたそうで…。



と、いう感じでお店に着きました。中古レコード店の「BEATBOOM!」です。


このお店の裏は以前ブックオフ&ハードオフだったのですが、今や住居ビルが 横に見えるキャッスルは結婚式場どす。


店の前を通る国道123



相変わらずのマニアックな壁掛け 写真ボケててすみません。特にビートルズの多種ぶりはさすがです。



今回も色々お話させてもらいつつ色々レコ買ったのですが、今回はその中からこちらを…

Tages「Tages 2」(1966)




必殺Platinaラベル! こないだCD5枚組入手したばかりですが、せっかくここまできたらレア盤&なかなか安めな値段だったのでお持ち帰り。ステレオ盤ですが、こうしてレコで聴くとよくできたミックスで、迫力は相当なものでした。


この時はオーディオに詳しい友達が同行してたんですが、以前POPOSUKEさんのエントリで気になっていたモノラル針GRADOのMC+について聞いたところ、その上位機種であるME+を貸してくれるということで、早速借りてもともと持っていたORTOFONのOMD25Mと比べました。



 
やはりPOPOSUKEさんのエントリにあった通りで、解像度の高さは断然ME+の方が良いですし、結構な傷盤でもノイズを拾わなくなりました。これ以上のものと比べたことはないので分かりませんが、モノラルらしい迫力にはやや欠けるかも? その点OMD25Mの方が低音も効いているんですが、個人的にはME+に軍配といったところでした。
これでまた久しぶりにモノ盤をとっかえひっかえして遊ぶ楽しみが増えそうです。


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1984年生まれ。現在の住まいは千葉県浦安市。

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