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4番、サード、いたち野郎

千葉ロックマリーンズ
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2011年 今年見た映画この10本

今年の秋からふと見だした映画作品、ほぼ毎日何かしらは見ていたのですが、140本強の映画を見ました。
毎年年末になると、1年間で最も多く聴いたアルバムを5枚挙げているのですが、折角ですのでそれに先立ち、特に気に入った映画を選ぼうと思います。やはり数字を合わせて5本、といきたいところでしたが、どうもうまく絞れないので10本にしました。なお、再見したものは排除しました。

1. 悪魔のいけにえ(1974・米)


完全映画初心者なんで、「悪魔のいけにえ」という有名なものも見てなかったのですが、DVDジャケの通りホラー映画です。血や臓器みたいなグロテスク描写はほとんど出ない低予算映画ですが、今でもホラー映画の代表格のひとつに。演者の狂気的な挙動や、有名な晩餐、夕焼けシーンでのカメラワークが実に印象的。
ストーリーは若い団体の旅行者が田舎で殺人鬼に出くわす、というものですが、2000年に入ってから登場したリメイク作品では、若い連中がレーナード・スキナードの公演を見に行く途中に襲われる設定になってました。監督のトビー・フーパーは後に「ポルターガイスト」でもメガホンを握りました。


2.遊星からの物体X(1982年・米)


ところ変わって、こちらはジャンジャン血なまぐさいのでご注意を。極地で基地をはっている調査員らが、獰猛なクリーチャーを相手に生き残りをかける、というものなんですが、これが生き物に寄生して変身するという厄介なパターン。閉鎖的な状況の中、調査員同士に不信感が漂う緊張感も描かれています。監督のジョン・カーペンターはシリアスなホラー作品を何本もヒットさせています。


3.ヘルレイザー(1987・英)


イギリスのホラー小説家、クライヴ・バーカー原作を、原作者自らが映画化した作品。本シリーズのマスコット的な存在「ピンヘッド」が非常に有名。「痛みの先にある快楽」というテーマを土台に、ピンヘッドら水先案内人が暗躍するヘヴィなホラーです。


4.忘れられた人々(1950・メキシコ)


ようやくホラーゾーン脱出、ですが実に重い映画。監督のルイス・ブニュエルはこれよりずっと前に画家のダリと映画を作ったこともある人物。メキシコの貧民街を舞台に、拠り所のない浮浪児たちがいさかいを起こし、まさかの結末へ。サイケな夢の描写シーンが有名。


5.ブルー・ベルベット(1986・米)


いつだか当ブログでもこの映画での音楽をエントリしました。デヴィッド・リンチ監督の作品。性倒錯とオールディーズを結び付けた退廃的な雰囲気が非常にカッコいいです。


6.夕陽のガンマン(1965・伊)


クリント・イーストウッド主演の名作西部劇。イーストウッドの登場から体質が変わりゆくウェスタン映画ですが、ここでは大胆不敵な賞金稼ぎをニヒルに演じてます。このあと数年にして監督業にも携わり、2000年代にも名作映画を世に送り出し続けています。


7.秋刀魚の味(1962・日)


日本を代表する映画監督、小津安二郎のカラー映画。小津作品は幾つか見たことがあったのですが、カラーは初めて。「だめかなー」「ダメよ、ダメダメ」「そうかなー、いいんだけどなー」という感じの独特会話のノリがまた。言葉数の少ない中に数々の含みがあるような。


8.男性・女性(1966・仏)


ゴダールの低予算映画。乱雑に区切られたシーン、そのひとつひとつの破壊力は相当なもので、思想や感情を単純化しつつ、それでいて掘り下げているような感覚がゴダール的なんでしょうか。数本見ることができましたが、多作な方なので他のも色々見たいですね。


9.雨月物語(1953・日)


溝口健二監督による、古典文学の映像化。戦国時代に化けて出る幽霊の話ですが、死生観に深く踏み込んでいる点や、霧に包まれたような幻想的な映像など見所が多いです。

10.モンキー・ビジネス(1952・米)


コメディ映画の重鎮、ハワード・ホークス監督による作品。脇役にはなんとマリリン・モンロー。まだ有名になる前なんですかね?あまり有名な映画ではないっぽいですが、とある表象学者が推している文章を見て借りたところ、狙ったのかどうなのかぶっ飛んだ描写が多数で、それもコメディ作品の範疇であるという、ギリギリのところで品格が保たれた面白さ。幾つか有名な映画も撮っている監督のようなので、探したいところですね。



数行による説明が実にひどい感じですが、あまり参考になさらず。他にも色々挙げたいのがあったのですが、キリがないのでこの10本で。時代も国もジャンルもバラバラですが、とっ散らかっているのはご了承ください。しかしずっとレコードを聞いてきたせいか、映画で使用される音や音楽も重要な要素になってしまいますね、自分の場合・・・。そしてやはり近年の作品があんまし無い、というのはレコと同じく好みの問題で、雰囲気とか色々総合して、この辺りの時代が自分は好きなのかなぁと改めて思いました。

あとは年末までに耳ダコ5枚をば、です。



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Dave Davies「Hidden Treasures」

先ほど久しぶりにPretty Things「S.F. Sorrow」を聴いていたら、ちょうど0時をまたいだくらいに「クリスマストゥリ~♪」という歌が聞こえて、そういえばクリスマスイヴですこんばんは。このアルバムの最初の曲「S.F. Sorrow is born」もある意味クリスマス・ソングになるのかどうか。



というのはともかく、先月ほどに出たDave Davies「Hidden Treasures」を聴きました。新古品を海外が出しているマーケットプレイスで買ったため、到着が長らく遅れていました。
キンクス時代にデイヴがソロを出すかどうか、という頃の自作曲を集めたもので、初登場となるステレオ・ミックスの曲なんてのもちらほらと。27曲を1枚のCDいっぱいに詰め込んでいます。

デイヴの曲をずらーっと聴いていると、なんかカントリー・アルバムを聴いてるような気持ちになってきますね。純然たるカントリーをやってるわけでもないんですが、デイヴをイメージ作ってきたメタリックな要素がほぼ皆無といっていいほどです。デイヴがソロ志向になってきたアルバム「Something Else」以降は、それまでのビートサウンドからの脱却を図る要素も少なからずあったと思うので、本人の作曲趣向にもそれが反映されていたのかもしれません。もっと率直に言えば、やはり側で演奏していたお兄さん(レイ・デイヴィス)の影響が最も色濃かったのかも。





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映画での音楽(5) 「さらば青春の光(Quadrophenia)」



前回の「アメリカン・グラフィティ」に少しかかるというところで、「さらば青春の光」で使用される音楽事情を・・・内容を覚えているうちに・・・(爆)。
「さらば青春の光」は、The Whoのアルバム「四重人格」を元に映画化された1979年のイギリス映画。監督はフランク・ロッダム
前回の「アメリカン・グラフィティ」がブリティッシュ・インベイジョン前夜を舞台にしたオールディーズ曲満開の作品だったのに対し、「さらば青春の光」はブリティッシュ・インベイジョン成し得た1960年代中頃のイギリスを舞台に、モッドなヒット曲と「四重人格」の収録曲が次々の絡んでいく構成。両者ともに青春映画としての側面を持っているものの、前者は過去に、後者は目の前に迫る現在の問題に目が向いているといった感じでしょうか。前者となる「アメリカン・グラフィティ」ではこれからヒットしようというビーチボーイズが否定される場面がありましたが、逆に後者となる「さらば青春の光」では、過去のヒットメーカーたちがモッズ精神を持つ若者の攻撃対象となっています。

オープニングではアルバムと同様、「Real Me」が流れます。アルバムでは次の曲へのつなぎとともに途中で終わりますが、映画内では最後まで聞くことができます。
主人公はヒョロヒョロしたモッズ青年。そうとうな下町のモッズを描いたのか、綺羅びやかな恰好をしたモッズはそれほどでてきません。モッズの誰もが退屈でお金の入らない仕事に不平不満を言い合い、そのはけ口として週末に改造した単車で集まって遊びに行くってわけです。もちろん外出用の洋服の仕立ても忘れません。
そしてモッズと対立しているのが硬派なロッカーズで、主人公はロッカーズがジーン・ヴィンセントを鼻歌するのを阻止したり、ホームパーティでかかっていたカスケーズのレコードを強引に下ろしてMy Generationをかけるといった行動に出ます。最終的には、ノンフィクションでもある大抗争にまで発展した場面を描いているのでした。

映画内でかかるのは、The Kinks「You Really Got Me」(鼻歌)やモータウン系のヒット曲などもありますが、ほとんどがThe Whoの曲。当時の曲は映画の中での小道具的な使われ方(テレビの中、レコードなど)といった感じで、サウンドトラックとして使われるのはあくまでも「四重人格」の曲です。「ベルボーイ」がかかるところでは、モッズのカリスマとして出演しているスティングがベルボーイの仕事をするシーンが。
個人的な感想としては、ちょっと曲の溶け込みが悪いようなところもあって、すべて歌物というのが難しくしているのかもしれませんが、サウンドが流れると断絶されたシーンという風になりますね。そこが面白いところでもあるのですが。

映画の内容ですが、あるところで他の方の感想を見ると否定的なものも結構見ますね。特に多いのが主人公の子供っぽさだそうで、まったく感情移入する余地がないんだとか・・・。
僕としてもその意見はもっともで、主人公がどんどん不幸になっていくのは、自業自得な面がほとんどです。しかし、別に出演者に感情移入する必要性はないですし、むしろ突発的なカウンターカルチャーであったモッズに群がるのは子供っぽい精神が根底にある可能性が高いわけで、それが理由で本作がダメというのは尚早なのではと思います。むしろ、他のモッズが不良を自称しながらなんだかんだでうまく立ち回っているのが、モッズカルチャーに全てを捧げた主人公からしたらオカしいわけで、そうやって描くことで、瞬間風速的な偶像に自己同一性を預けることのはらむ危険性をも表しているのではないかと・・・。

ちなみに、当時からこの映画のサウンドトラックはレコードが出ていて、CDでも出ています。




Quadrophenia Trailer






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The Feelies「Crazy Rhythms」


The Feelies「Crazy Rhythms」(1980)

久々のレコードの登場です、ということでフィーリーズ。アメリカ出身のバンドですが、レーベルはStiffということでUK資本からのデビューでしょうか・・・。タイトルと(そして中身とも)かけ離れた、何とも人を食ったようなジャケットですね。ご丁寧にもメンバーの姿は上から塗りたくられたようになっていて、いかにも懐かしい曲を寄せ集めた編集盤にありがちなコテコテの演出ジャケ。そういう意味ではこちらも人を食ったジャケ、Throbbing Gristle「20 Jazz Funk Greats」のジャケット・コンセプトに近いのではないかと勝手に思ってます↓。発売年も1年しか違わない(20 Jazz...は1979年)。



本作に戻りまして。中身の方ですが、タイトル「Crazy Rhythms」が示す通りリズムサウンド(特に打楽器やパーカッション)は音が強烈にプッシュされていて、例えば1曲目「The boy with perpetual nervousness」はパブロック風でもあるスピーディな曲で(どれもスピーディですが)、なんとスネアとタムを叩く役割が分かれてます。別だん一人で叩くのが難しいフレーズというわけではないのですが、二人で役割を分けての集中された打音はかなり深いものがあって、しかもセットを切り離して録音しているからなのか、それぞれの音が独立して違うところから聞こえてくるので印象度が実に高いです。ほとんどでハイハットを使った音作りを放棄しており、リズム変革に意識を置いたことが伺えます。
ギターは多くの場合エフェクタを使った音色の変化に頼らず、前のめりに出していくダイレクトな音が小気味良いです。B面ではビートルズ「Everybody's Got Something th hide」演ってますが、この原曲もうるさい金物の音と絶妙な刻み方がインパクトのある曲なので、これを選んだのも筋の通ったもののように思えます。

前半で書いたジャケについてですが、やはりフォロワーもいるようで、Weezerの1994年のファースト・アルバムに近いんだとか。言うほど似てるか?という感じもしますが、どうなんでしょう。今ちょっと見たら、このアルバムのプロデュースがカーズのリック・オケイセックなんですね。今度借りてこよう(いまさら)。
それ以上に似せているのが日本のバンド、チャットモンチーのChatmonchy has comeというミニアルバムのジャケット。立ち位置のみならず、メンバー写真の鮮度を下げるとこまで似せてます。しかしフィーリーズのように手書き感で塗りたくると結構気持ち悪くなるので、ほどほどにとどめた感じでしょうか。市場は辛いよ。
※各ジャケは作品名をクリックして見ることができます。



「The boy with perpetual nervousness」



CDではボーナストラックとして入っているPaint it blackのカバー



インナースリーヴ。ここもジャケのノリを貫徹。



UK盤のカスタム・レーベル。期待の証ですね。



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映画での音楽(4) 「アメリカン・グラフィティ(American Graffiti)」



映画としてももちろん、サウンドトラックもかなり人気の高い「アメリカン・グラフィティ」。監督はジョージ・ルーカス、製作がフランシス・フォード・コッポラというメンツで1973年に公開されました。
ブリティッシュ・インベイジョン前夜、1962年のアメリカの田舎町が舞台。学校の卒業などで新たな旅立ちを翌日に控えた一夜に、数々の登場人物がそれぞれワンナイトで体験する出来事を追ったもの。青春モノでもありますが、最後まで見ると分かるように、その後起こるベトナム戦争とも関連付けており、古き良きアメリカの終焉を描いた社会的にもノスタルジックな作風となっています。

で、この中でいわゆるオールディーズ曲が使用されているのですが、その使用率が半端でなくて、終始流れているといってもおかしくないくらいです。ゆうに20を超える曲数。サントラ盤には41曲入ってるそうですが、映画で使用された以外にも、ルーカスが好きな曲を選んだんだそうです。

これらの曲は高校で行われているダンス大会のバンドが演奏していたり、カーラジオから流れてきたりとシーンの状況に合わせて登場するのですが、これが見事ハマってます。今となっては(もちろん当時からも)有名な曲ばかりですが、この映画の果たした役割も相当に大きいはずです。

登場人物の中に、いかにもガキ大将、だけど好漢な走り屋のワルがいるのですが、若い女の子がカーラジオでビーチボーイズをかけると「サーフィンは嫌いだ。ロックンロールはバディ・ホリーまでだ」と怒ってラジオを止めるシーンがありまして、イギリスでいうロッカーズの先祖を見た気持ちです。ちなみにこの大将のライバルは若き日のハリソン・フォードです。これに出演する前は俳優を一度辞めて大工やってたらしいです。

使われている楽曲は、冒頭のビル・ヘイリーに始まり、デル・シャノン、ビーチボーイズ、バディ・ホリー、プラターズ、スカイライナーズ・・・チャック・ベリーもあったり、結構な数です。

テーマが意外と重いので退廃的な雰囲気もあるのですが、明るいイメージのオールディーズ・ナンバーが名残惜しさを演出するというのも不思議なもの。パーティの後やお酒を飲んだ後に寂しい気持ちになるなんて言いますが、そういう印象をもたらすんでしょうか。
前に書いた「ブルー・ベルベット」もオールディーズ曲を使ったカルトチックな映画でしたが、「ブルー・ベルベット」の方は直感的に曲を選んだという感じですね。この辺を深く比較すると面白いのかもしれませんが…。

僕自身ルーカス作品はそれほど気に入ったものが今のとこないんですが、本作はぶっ飛んだギャグもあったりして見所も多いと思います。



'American Graffiti' official trailer

そろそろ本業のレコでいこうと思っていたのですが、今回も手軽なところに逃げてしまいました。それではまた!





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1984年生まれ。現在の住まいは千葉県浦安市。

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