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4番、サード、いたち野郎

千葉ロックマリーンズ
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ロックがタイトル防衛をし続ける日々

どうも非常にお久しぶりです。こちらで今後やっていこうとしていたものの、やることが多くて結局どちらも手つかずですが…時間が結構できたので何か書いてみます。

前にジャニーズ所属グループのカトゥーンの誰だかが脱退するということになり、その理由が「方向性の違い」と発表されました。現代はこういうニュースの反応をネットを通して見ることができるということなんですが、このニュースには特に反響が強かったので見てみると、多かった意見が「アイドルに方向性も何もないだろ!個性なんて、オリジナリティなんてないくせに!ロックバンドでもないくせに!売れるように言われたことをやってるだけだろ!」というのが大半でした。

こうした反応を見たときに、自分はすぐにはピンときませんでした、というのは皮肉でもなんでもなく、そういった概念そのものが自分の頭から消失してうまく自分自身が反応できなかった、という感じでしょうか。
というのも、それはいつしか自分がレコード・ファンになったためで(ここでは敢えてロック・ファンではなく)、こうした世界でもコンポーザーやプロデューサーなどのクレジットというのは非常に重要なのですが、逆にミュージシャンでない彼らもレコードの世界では音を司るキーマンばかりで、そのレコードのアーティストが、自分で曲を作らないアイドルであろうがポップス歌手であろうが、音楽が魅力的であることが第一、という認識があるためなのでした。


自分たちで作曲して歌い演奏する、というのがロックの精神である、という向きは今も昔もないではないでして、今回のアイドルの脱退はそうしたロックの精神との対立軸上にあるために巻き起こる言説で、しかもこれが一般論なようです、同様のコメントの結構な数からすると。ロック音楽は自作自演するべきものであり、ひいては売れるために演らないのだから、オリジナリティ溢れるものなのだから、アイドルの曲なんかと一緒にしちゃ(アカン)、と、オリックスの岡田監督も憤怒の表情を見せている、のかどうかは分かりませんが、少なくとも岡田監督は現役時代に他人の作曲で歌手デビューしているのでせいぜい苦い表情で見守るくらいなのかもしれませんが…!


というわけで、今回は、ロックは自分で曲を作らなきゃいかんのか?という話です。


(岡田監督の続きから)とはいえ、ロック・ミュージシャンがそこまで完全に独り立ちできているのかといえば、ほとんどがそんなことはなく、かのビートルズだって、リンゴ・スターが何か作曲をして披露するたびに、他のメンバーから「それってナントカって曲にそっくりだな!」と言われていたそうで、ついでにソロになってからのジョージ・ハリスン渾身のナンバー「マイ・スィート・ロード」ですら、盗作であるという訴えで敗訴してしまいました。オー・ロード…
アメリカのニルヴァーナと同時期に成功を収めたバンド、マッド・ハニーのメンバーが言うには、コレクションしているパンク・レコードから、誰も知らなさそうで凄くいい部分を使っていた、とのことだそうで、案外こうした手法はロック・バンドが自作する上では結構メジャーなんじゃないかと思っています。それはDJがレコードの音から「テクスチャー」を探す動作と同じで、これはある素晴らしい楽曲の、特にどこが優れているか、というのを探すこと。それはドラムかもしれないしギターかもしれない、ということなんですが、こうしてそのネットで見かけた、一般で言われるロックの優位的精神という神話は崩れ去ってゆくのでした。

ロックが自作自演じゃなきゃいけなくなったのは、実はビートルズのせいなんじゃないか、という意見をどこかで見かけたことがあって、ビートルズが職業作家に頼らず自分たちで作曲し演奏し始めたことで、自分も作曲できる、と勘違いした人たちがあまりに増えてしまった。なんて非常に辛辣なご意見だったのですが、このことをロックが自作曲でなきゃいけない、という観点から見ると、こうした精神性の始まりがまるでビートルズからのように思えてくるのでした。 とはいえ、ビートルズが作曲してきたものの数々も、彼らが過去に愛聴していたレコードから影響を受けて作られたものなのも事実です。これはもちろん他のバンドも同じことですが…。いきなりぽっと生まれるほど作曲の世界はたやすくないようで、今まであったようでなかったのがかの「イエスタデイ」てところでしょうか。ポール自身が、何かの曲に似てる気がするのでほっぽってた、という曲です。これぞ最新のスタンダード、といえるナンバーかもしれません。


それでは、完オリジナルなんて個性なんてロックには存在しないのか、と言われればそうではない、ともいえるのでして、フランク・ザッパは自伝の中で「あなたも作曲できます。その方法を伝授します」と話していて「始めと終わりを自分で決め、その間の空気を揺らせば、あなたはちゃんと作曲したことになります」と言うではありませんか。つまり、これは物凄い極端な例を使って、音楽の懐の深さをフランク氏が説明なさった、ということなのですが、空気流の微細な乱れの差で違っているというのなら、どのバンドのどの演奏も違うものである、という言い方もできるということみたいです。これはロック・ファンというよりレコード・ファン的な発想と言えるのかもしれません(そういうことで先ほどは使い分けていました)。

と、そんな上げ足を取るようなことを書いていては、ロックは人のためにならん。いたち野郎はそんなことだからいつまで経ってもうだつが上がらないのだ、と言われるのではないかとおびえているところですが、おびえているのは自分だけでなく、世のロック・ファン、そしてロック・ミュージシャン自身の何割かも実は「自分がロック・ファン/ロック・ミュージシャンである」ということの証左に奔走し、説明、自己理解をすることに苦闘し、おびえる日々を迎えているのかもしれません。最初の例で出した非ロック・スタイルへの幾多もの攻撃はいわば自己防衛であって、果たしてそこから先、ロックのアイデンティティを守る手段があるかどうかは人それぞれ、となるところ…ミュージシャンの自己防衛としては、ジミ・ヘンドリクスの燃えるギター、変な恰好というのは内気な彼からすれば「他と違わなければならない」という自己防衛であったようで、こうした例は枚挙に暇がないところですが…。
ただいま書籍や資料の多くが倉庫にあるのでとりとめがなくなってしまいましたが、ロックはオリジナリティがある/個性的であるという精神性は、自己防衛の連続体という側面があるのではないか、という拙話でした。

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炎のドラマー列伝(11) Bill Brudord(Yes,King Crimson etc.)




視野の広さと行きあたりばったりをスタジオで実演できる勘を持つ人


日本のロックファンには最も馴染みの深いドラマーの一人であろうビル・ブラッフォードということです。自分なんかよりもずっと丁寧に追い続けてる人はいくらでもいるであろう人物なので書くのもおこがましいのですが、多数のビックなバンドに参加した経歴があるということでやはり無視することのできない人物ですね。

イエスキング・クリムゾン、フィルコリンズが歌い始めてからのジェネシスのライヴサポート、それにUKパブロフスドッグ…もちろんソロ・アルバムも70年代から出すなど積極的な活動が見られるドラマーで、それだけミュージシャンからの信頼も厚いということなのでしょう。
信頼が厚いということは、やはりリズム感覚が正確であるということも含まれると思うんですが、彼の場合はポリリズムのスタイルを多用していると言われるみたいですね。つまり拍をずらして意表を突くスタイルのことで、クラシックの曲なんかにはよく見られるスタイルです。ブラッフォードが参加した曲で言えば、たとえばYesの「Close to the Edge」が最も顕著かも。スネアを叩く位置が全然一定しないですよね。こうしたプレイはリズム感覚が正確であることが必要とされるようなんですが、どのバンドでもこんな叩き方してるところを見ると、周囲から許されるレベルであるということなのでしょう(爆)
本人の弁では、イエス「危機」あたりから好きなように叩けなくなった、という理由でイエスを辞め、キング・クリムゾンに参加するものの、今度はロバート・フリップに「もうちょっとバンドのことも考えて叩いてくれ~」と泣きの解散を喰らうということで… とにかく自分のスタイルをまず貫く人だと言えそうですね。ちょっとでも自分の立ち位置を退屈に感じるとすぐに抜けたがる。パブロフスドックでの彼の音を聴いてると結構地味ですよね。で、やっぱりすぐ抜けるし…。

そんなわけで我が姿勢崩さず「真から武士よのう」とか劉備から評されそうなブラッフォードですが、スタジオ作の多くが意表を突くドラムスタイルばかりで、しかもその多様性や種類がとてつもなく豊富。ライヴで思いつきでおかずを入れたりリズムを崩す、というのならまだしも、スタジオ作でもかなりはっちゃけてますよね。一筋縄ではやらない、というか。それでもオカズが多いというよりは、あくまで既存のリズムを崩すことを徹底しているというイメージでしょうか。逆のことをしてるのは同時代ではカール・パーマーなんかがそうなのかも。ブラッフォードがおかずをガンガン出してるのはキング・クリムゾンの「レッド」とかかしら… ずっと後の「ディシプリン」になると、逆にポリリズム・スタイルを固めに入っているのは興味深いところですが…

80年代以降はジャズユニットのアースワークス、ほぼイエスのABWH辺りでも叩いていて、彼のわがままなまでのドラムスタイルが揺らぐことはなかった模様です。逆にここまで徹底してやってきたので、あのクセのあるドラムが欲しい、というミュージシャンからはいくらでも声がかかるんでしょうなぁ。


ビル・ブラッフォードのおすすめドラミング曲

Perpetual Change(1971)-Yes






In The Dead of Night(1978)-UK







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炎のドラマー列伝(10) Bobby Elliott(The Hollies)




はじけるファンタな音で目立てるドラマー

メンバーどれもがやたら顔が個性的なホリーズなので、この変わったお顔のボビー・エリオットが意外と地味なんですが、一応努力してるのかよく帽子をかぶってますね。このチップとデールみたいな可愛い顔した彼はドラムの名手中の名手。

バンドをやったことがない人でもホリーズを聴かせて、ドラムどうです?と尋ねると、大概の人がイエス!彼はイーね!と答えてくれるんじゃないでしょうか。当然技量と資質を備えた人なので、ロカビリーの人みたいな堅実なウマさというのがまずあると思うんですが、彼は叩く音が物凄くデカい上に、ドラムセットの低音と高音を物凄く広く使っているというのが特徴的で、それをステージに繰り出す放漫なプレイスタイルは炭酸飲料のごとき
はじけ方なのでした。 スネアはスカーンスカーンと高音鳴らすのに対し、そのスネアの間で鳴らしているバスドラが逆に物凄く低い、そしてデカい。この迫力はやはり原盤7インチでお楽しみいただきたいところです。そして彼は現在でもホリーズの一員なのですが、このスタイルが一切ブレないという強靭な精神力の持ち主で、ホリーズ・サウンドをホリーズ・オンリーにし続ける名物マスコット的な方なのデス。

しかしこんなバカでかい音で叩くのも無理はない、というところで、何せホリーズ自体音がデカいバンドで、こういうバンドにいるドラムというのは可哀想な運命でして、エレキ楽器はちょいとツマミ回せばガンガン音を出せるんですが、ドラムはそうはいかないんです。力まかせにやってもたいしてデカい音がでないのもまたドラムの特徴でして、空手家が大きな石をてんけつするかのごとく筋を見極めて叩いてこその大音量…彼はそれを習得している技巧派でもありながら、陽気な性格が生み出した破天荒おかずまで兼ね備えた無敵なドラマーなのでした。おかげで嫌味さがまったくないのがまたいいです。ホリーズはどのメンバーも結構独立して演奏してる感じがあるのでどれも音が際立つんですが、それでもボビーのドラムの出しゃばりぶりは相当なもので、ライヴのたびに楽屋でメンバーからお前だけずるいよ~、と苛められてないのか心配なところです。

ボビー・エリオットのドラミングおすすめ曲
Look Through Any Window(1966)

↓はLook Through Any Window(1966)ですが、テレビ演奏でも容赦ないです。






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書籍 「スライ&ザ・ファミリーストーンの伝説 人生はサーカス」




著者:ジェフ・カリス
訳者:村上敦夫
初版:2009年
P-Vine Books
ページ数:384
定価:2625円

読みやすさ
(文章):★★★★☆
(構成):★★★★☆
読みごたえ:★★☆☆☆
初心者にも安心:★★★★☆
マニアック:★★★☆☆
オリジナリティ:★★★★☆


オススメ度:★★★☆☆



図書館で借りて読んだだけなんですが(爆) そういえばこのバンドについての本てあまり見かけないもので、それもそのはず、当のスライ本人がインタビューを嫌う傾向にあるらしく、このグループのバイオグラフィを作るという作業は並大抵のものではないんだそうです。日本だけでなく、アメリカ本国にもまともな本がない状態だとか。
今回のこの本でもスライ本人とはコンタクトが取れなかったらしく、さほどバンドの実態の核に迫る内容になっていないのが残念。前半の恋愛話や学校でのヤンチャ話が長い(爆) その当時のポピュラー音楽界全体を見渡しながら書かれてはいるものの、かなりファミリーストーンをひいき目に見過ぎてる感じ。 それでも元メンバーや関係者への聞き取りはかなりこなしたようで、相反する証言を提示しながら自身で結論を引き出さないところは非常に好感を持てます。

構成は、少年期、グループ結成期、「スタンド!」期、「暴動」期、ファンク期、その後 みたいな感じになっていて、しごく真っ当な感じでしょうか。まぁしかし読み進めていると映画「レイ」を見ている気分にさせられるような展開でして、スライが人種問題に一定の距離を置いていること、レコードが売れた途端に過去の友達との付き合いが悪くなった、LSDを始めて創作意欲が一時的に増したものの周囲と不和になる、健康を害する…と、まるで同じような道筋をたどってる感じでして、デビュー時期はずれていますが長きに渡る活躍の中でシンクロすることがある両者、何かの因縁かもしれません。

とりあえずこのグループは結成当時から地元じゃ負け知らず(爆) だったそうで、スライ自身が元々プロデューサーやラジオDJという異色の経験の持ち主だったのもあってか、速攻でマネージャーから声がかかり、レコード会社と契約も結べるという順風満帆なスタートだったようです。ただ、ウッドストックで評判になる前後から染めていたドラッグ癖のせいかスライは公演に度々遅刻するようになっていったんだそうで、おかげさまで観客の間でケンカ騒ぎになったりと営業に支障をきたすようになったようです。当然こうした行為はレコード会社やメンバーからの不評を買い足元がグラつく原因になったのですが、当のスライが遅刻の理由を言うには「この業界ってのは悪いヤツがたくさんいる…俺たちバンドをバラバラにして一人一人をデビューさせてレコードを乱発させようと企むヤツがいるのさ。そういうやつらのおかげで俺はスケジュールを知らされなかったり、通せんぼさせられる…だから遅刻しちまうんだ」とのこと。たしかに「君、ソロで曲を出してみないか」と持ちかける野心に満ちた新進気鋭マネージャーがいたりしますから、嘘とは申しませんが実に怪しい言い訳でござんした。

なお、ページの途中には珍しいデビュー以前の写真などを掲載したカラーページがいくらかあります。




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書籍 ジャーマン・ロック集成





マーキームーン社
初版:1994年
ページ数:241
定価:3600円

読みやすさ
(文章):★★★★★
(構成):★★★★☆
読みごたえ:★★★★☆
初心者にも安心:★★★★★
マニアック:★★★★★
オリジナリティ:★★★★★


オススメ度:★★★★★


前回紹介したブリティッシュ・ロック集成と同じシリーズのジャーマン・ロック版です。国内では数少ないジャーマン・ロックをを扱った一冊ですが、こちらも絶版となっているようです。
現代音楽的なアプローチをとっていた、いわゆるクラウト・ロックを中心に構成されていて、OHRなどレーベルごとの紹介、大物グループごとにページが割かれ、その他のカタログなどが後半に続きます。ハードロックのアルバムも載ってますが、だいたいはアバンギャルドなのが大勢を占めるので好みのある方は要注意です。ドイツ語で歌うような「生粋の」ドイツ・ポピュラー・ミュージックは範囲に入っておらず、やや片手落ち、もしくは米英史観にとらわれているという印象を受けなくもないですが、それでもこれだけの数のタイトルを一同に集めた国内書籍は、今のところこの本くらいのものではないでしょうか。ライターの独自解釈も相変わらず楽しく読めます。



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1984年生まれ。現在の住まいは千葉県浦安市。

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