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炎のドラマー列伝 Paul Thompson(Roxy Music)

 

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久しぶりにこのカテゴリでのエントリーとなります。注目しなくてもよさそうなドラマーを、敢えて注視してみるコーナーです(爆)…というのは嘘ですが、自分の中でなんとなく追っかけてきたドラマーをたまに取り上げています。追っかけるといっても、頑張って参加作品を全部聴く!…みたいなところまではやっていないので、言葉足らずなところが多々あるかと思います。

久しぶりのエントリーは、ロキシー・ミュージックにファースト・アルバム「Roxy Music」(72)~「Manifest」(79)まで在籍していたPaul Thompsonです。まさかロキシーを聴きながらドラムに耳を傾ける人はなかなかいないんじゃないかと思いますが…


スタジオ録音を聴く限りでは、スタンダードというか、ノリに忠実なドラムを叩く人といった感じで、ロキシーの隙間だらけのサウンドの中でも、あえて中立的な立場を守り続けたポール・トンプソン… もしロキシーがロバート・ワイアットのようにシャッフルのノリで自由に叩くタイプだったとしたら?おそらく、今まで以上にインテリジェンスな感じになって、むしろ同時代のプログレの範疇でくくられていたのかも?またはフェリーによって即刻クビにされていたかも(爆) とりあえず、8ビートから逸脱しないこの地味なドラミングによって、Tレックスゲイリー・グリッター、ハードロック寄りのスィートスレイドなどといった、70年代グラム・ロックのサウンド的特徴として収まることが出来た…と言えるのではないでしょうか。ポップ・アート的な音楽性の中にも、単純なリズムによる分かりやすさがあったからこそ、セールス的に成功した、とも言えるかもしれません。

イーノが在籍したいたファースト・アルバム「Roxy Music」~セカンド「For youre pleasure」では、スネアの音がかなり低いと思うのですが、次の「Stranded」から段々スネアの音が高くなって「ポコーン、ポコーン」と打ち響きだすのが分かると思います。ドラムに限らず全体の音が斬新になる「Manifest」をのぞけば、その前の「Siren」なんかは特にこの音の感じが顕著なんじゃないかと思います。
先ほど挙げたスウィートやスレイドといったバンドのスネアの音は、音は重くても「ポコポコ」とはいわず、「ドスッ ドスッ」っと、太鼓を叩いた瞬間に重力に負けて下に落っこちるような、そんな音がすると思うのですが、これはロック・ドラムでは一般的なもので、スネアの下部にあるスナッピーと呼ばれる金属のザラザラしたものを、スネアの下部本体に密着させることでこの独特な音が生まれるのですが…ポールの音というのは、恐らくそうした処理をせず、スネア以外のタムと同じような性質の音として、つまり太鼓として純粋な音を出すことに努めているのではないでしょうか…?普通はこのスナッピーというのを立ち上げることで、ビートの基盤となるスネアの音を前に出すのですが、ポールのようなやり方の場合、前に出ずにはるか上の方に伸びていってしまうんじゃないかな…?そんなところに耳を傾けて聴いてみると、実はロキシーのリズムの音って、気持ち悪いな、と改めて思うかもしれません…。

ポールはロキシー脱退後、数年の空白ののちにゲイリー・ムーアのバンドの一員としてカムバック、ロキシーの再結成ツアーなんかのときにたまにいたりします。今では太って髪も短くなって同一人物とは思えない具合でございます。


ポール・トンプソンのドラミング・オススメ曲

Re-Make Re-Model(Roxy Music収録)(72)
ポールの数少ないドラムソロやエンドロールが聴ける曲。当時のライヴでも同じように叩いていますが、スタジオでの音よりずっとうまく叩いています。それを観た限りでは、本当は色々叩ける人なんだろうな…と思いました。

Both Ends Burning(Silen収録)(75)

三拍目のスネアの音を半拍早く叩くことで、絶妙なバランス感を曲に与えた名演だと思います。



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書籍「ルーツ・オブ・ブリティッシュ・ロック」深民淳

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「ルーツ・オブ・ブリティッシュ・ロック(ハード・ロックの黄金時代)」
著者:深民淳
シンコー・ミュージック
1988年初版発行
ページ数:199
定価:1751(消費税3%計算)

内容:
~125…本文(半分はアーティスト等の写真)
125~136…座談会
136~199…オリジナル・ディスコグラフィ

読みやすさ
(文章)      ★★★★★
(構成)      ★★★★☆
読みごたえ   ★★★★☆
初心者にも安心★★★★★
マニアック    ★★★★★
オリジナリティ ★★★★★

オススメ度:  ★★★★★



※書評する際の指標も兼ねて、評価を項目別にも作って見ました。結構適当なのでオススメ度だけ見てもらえれば…でございます。過去のエントリーにも同じものを付け加えました。


前回の書籍のエントリーにて、強く紹介したいという本は、こちらなのでした…。僕は自信を持って満点評価!ですが、読まれたことがある方の評価やいかに!?20年近くも前に出版された本のようで、もう絶版なのでしょうか?

主に60年代~70年代中ごろまでの英国ロック…特にハードロックの変化に焦点を当てて書かれた本です。ハードロックといっても、いきなりレッド・ツェッペリンをご紹介~…ではなくて、イギリスでウケたアメリカ産ロックンロールを皮切りに、ビートルズ、デイヴ・クラーク・ファイヴ、ゾンビーズ、キンクスなどといったビートグループ勢にその根幹を置いて書かれています。その辺りにページもかなり割かれていて、イメージとしてのブリティッシュ・ハード・ロックではなく、純粋な音楽性の変化やそれがシーンに与えた影響、レーベルとの関係の変化など、多くの側面からこの時代のロックを多面的に捉えており、なおかつ面白いのでどんどん読み進められてしまう…60年代~70年代英国ロックの全体像を捉えたい方には、必読だと個人的には思います。
この時代のロックに触れてきた方々にも嬉しいマニアックさもかなりあって、毎ページ左面すべて使って割かれているバンドの写真は、結構見たことがないものも多いです。ガンベイカールーなどのメンバー写真を掲載している本もなかなかないのでは?メジャーバンドの写真ももちろん多く掲載されていますが、これまた見たことのないのがかなり多かったです。時代とジャンルの構成として、ファミリー・トゥリー的な図表もあったり、かなり個性的、かつ意欲的な書籍なんじゃないかと思います。
巻末にあるディスコグラフィも、プログレ、ビート・グループ、純正ハード・ロックなど、ハードロック的な作品を有名無名の310枚を掲載。CD枚に手に入りやすさを五つ星で書いてくれているのも嬉しいですが、20年経った今となってはやや怪しい情報…

やや分量は少ないですが、これ一冊で、論文となっていてもおかしくない内容なのではないでしょうか…といっても読んでいて肩が凝るような感じでもない。読み手を納得させる説得力と読みやすさ、読者のロック歴を問わず読める本…オススメいたします…。

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書籍 「ブリティッシュ・ロックの黄金時代~ビートルズが生きた激動の十年間~」船曳将仁

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「ブリティッシュ・ロックの黄金時代~ビートルズが生きた激動の十年間~」

著者:船曳将仁
青弓社
発行:2006年

価格:2100円
ページ数:254

読みやすさ
(文章)      ★★☆☆☆
(構成)      ★★☆☆☆
読みごたえ   ★★☆☆☆
初心者にも安心★★★☆☆
マニアック    ★★★☆☆
オリジナリティ  ★★☆☆☆

評価:★★☆☆☆


タイトル通り、英国ロックに、しかもビートルズが活動していた時代に焦点を置いて書かれた本。1963年前後~70年前後のロックを総体的に捉える…というのが本書の狙いのようです。

「英国ロックの黄金時代」をこれから知る人には恰好の本ではないか…とも一概に言えないところをこの本からは感じました。年代順にロックの変化を描いているのはいいのだけれども、文章は無味乾燥な感じでやや退屈するし、各項目に関連性があまりなくて、年ごとのロックの特徴を掴むのですらやや苦労すると思います。何よりまずいと思うのでは項目の分け方で、その時々に出てきた、本書では重要と思われるバンドごとに焦点を当てるような形になっており、画一的で単純なロック史観に読者を誘導しかねない構成とも言えると思います。
逆説的に言えば、何かのバンドの情報をさっと見たいときに、索引もついているこの本で各バンドの流れのようなものはチェックできると思います。でも明らかにそうしたことを狙った本ではなさそうですが…。

かなり近い枠組みながら、個人的には本書以上に強く推薦したい本もあるので、それはまた後日エントリーしたいと思います。

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祝!400エントリー記念! 書籍「レコスケくん」本秀康

JUGEMテーマ:音楽 このエントリーで、ちょうど400個目のエントリーとなりました。飽きっぽい僕がここまで同じことをテーマに書き続けることができるとは…(爆) いつもコメントくださる方、また見てくださる方々あってこそ、改めてお礼を申しあげます(やたら丁寧) では、第400号記念に、最寄り駅からの景色でもご覧下さい(爆) 本日はロック本…といってもかなり異色ですよ~ ※画像をクリックすると拡大して見られます レコスケくん 著者:本秀康 ミュージック・マガジン 2001年初版 Complete Edition版…2007年発売 ページ数:138/197 定価:1000円/1500円 各種評価省略 オススメ度:★★★★★ レコード・コレクターズをご覧だった方にはおなじみでしょうか?なんとレコード・コレクターが主人公の漫画です。漫画なので、中身を見てもらうのが一番早いのですが、激写はさすがにやばそうなので(爆) 写真左が初版、右が6年後に出たComplete Edition。初版は絶版らしいですが、その中のほとんどが現在流通している版で読むことができます。いくらか初版にしか載っていないのもありますが、それは本さんの他の漫画本で読むことができます。 とにかく…中身が尋常ではないくらいマニアック…マニアックというのは、レコードやミュージシャンのウンチクが書かれている…ではなく、レコードを買う人なら誰しもが経験あるだろう「あるある」が、主人公の「レコスケくん」を中心に繰り広げられていく…といった感じでしょうか。とりあえずレコスケくんとはどんな人物か… レコスケ 年令や仕事などは不明。ジョージ・ハリスンの大ファン。他ではベイ・シティ・ローラーズ、グッバイなど。主にアメリカン・ロックを聴く。初期は頭が悪くてダマされている役ばかりだったが、最近はジョージ愛がマニアックになりすぎ、周りが引いている。 レコゾウ レコスケの友人。エルビス・コステロのファンぽい。「オール・シングス・マスト・パス」の箱に国生さゆりのファーストを入れ、シールドをかけてレコスケに売りつける悪い友達。 レコガール レコスケのガール・フレンド。ジェシ・エドが好きな趣味が渋く可愛い女の子。ただ「落語のコーナーにいい盤が取ってあったりするからそこから見ないと」という独特のこだわりで、周りを度々引かせている。 マガジン・レコードのおっさん レコスケらが日々通うレコード屋の主人。 テラさん ストーンズ・フリークの可愛いオジサン。レコード・コレクターズの編集長。 登場人物だけでも、かなり濃い!!ですね~。この作者の漫画自体、不条理な感じで面白いのですが、それよりはもう少し緩いかな?と思います。 ギャグ中心の展開で、バングラ・コンサートのDVDを観ながらも、あっさりラヴィ・シャンカールの出番は早送りしたり、「マテリアル・ワールド」のジャケをカッターで切って八角形にして変形ジャケで売りつけたり、シュールなネタ多し。 コンプリート・エディションに入っていた話ですが、ストーンズの来日コンサートで、レコスケの隣の空いた席にブライアン・ジョーンズが降臨してくる話、ジョージ・ハリスンが撃たれたニュースが流れた夜、夢でダーク・ホースがアップル・ジャムをジョージに与えて復活させた話など、泣ける話もありです。何より、レコードや音楽への愛情溢れる暖かい描写が魅力だと思います。

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書籍 「Lou Reed ワイルド・サイドを歩け」 by Peter Doggett

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「Lou Reed ワイルド・サイドを歩け」
著者:ピーター・ドゲット
訳:奥田祐士
大栄出版
1992年初版

489ページ
定価2000円

読みやすさ
(文章)      ★★★★☆
(構成)      ★★★★★
読みごたえ   ★★★★★
初心者にも安心★★★☆☆
マニアック    ★★★★★
オリジナリティ  ★★★★★

オススメ度:   ★★★★★


うーん、4つ星か5つ星か迷いましたが、読み応えがとにかく圧倒的だったということで、5つつけてみました。またしても大栄出版のカルト・バイオ・シリーズより。そろそろこのシリーズも読んだものは打ち止めかしら…

バイオシリーズなので、彼の生い立ちから90年頃までの活動をパーソナリティな側面から追っているのですが、学生時代やベルベット時代に偏ることなく、リードにとっても公平に、満遍なく研究された良書といえるのではないでしょうか。彼の学生時代の経験がどのように作曲に生かされ、反映されているか…とらえどころがしっかりしていて、実にうまく描かれています。

これは注文というより、この本の特性として気になることなのですが、アルバム毎に曲の評価を、著者が独自の視点で、かなり主観的に評価を下すシーンが非常に多いです。主観的と書いたのは、リードのどの曲のどの詞が優れているとか(全体的にあまり音楽的な点には言及が少ない)で、英語もまっとうに読めない僕にはいかんとも評価しがたいところなのですが…リードの詞を読み解く参考にはかなりなると思います。

リードはアーティストとして、どこまで本気で聴衆を感動させようとしているのか、はたまた、知性の鋭さゆえに、まったくもって人々を計算高く愚弄しきっているのか…表現方法において謎につつまれたリードの人物像を、哲学や文学の分野からも突き詰めようとしています。果たしてこれほど得体の知れない人物を紐解ける日はくるのか…


本の冒頭に、村上龍による至極どうでもいい序文(自分の優位性を主張したいだけの中身)がありますが、無視して構わないと思います(大爆)



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1984年生まれ。現在の住まいは千葉県浦安市。

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