有楽町の角川系映画館で催されている音楽映画祭みたいのがありまして、こないだ観たジョージのもその一環。というわけで、昨日も前から見ようと思っていた2本を続けて見てきました。これで打ち止め。明日朝が早いもので、パパッと感想などを。
今回観た2本とは
「ディスコ・レボリューション」と
「アントニオ・カルロス・ジョビン」。どちらも日本初上映となる近年の作品だそうで、前者はカナダ、後者はブラジル製作の映画だそうです。
まずは朝一で上映していた
「ディスコ・レボリューション」。休日に公開初日を迎えたにもかかわらず、10人いなかったような…。まぁ来週から午後を独り占めしてメインに据えるようなので。
大雑把な内容は、70年代、ニューヨークから始まり世界中を席巻したディスコ・ブームとは何だったのかを描いたドキュメンタリーものです。
良かったかどうか、と聞かれれば、間違いなく「良くなかった」と言うであろう一本…。理由は色々ありますが、一つには作品がディスコを社会学的にとらえようとしすぎていて、袋小路に陥った感があります。ドキュメンタリーなので当時のDJやミュージシャン、プロデューサーなどへのインタビューが出てくるのですが、最も多くの時間を割いていたのは、謎のおばさんのご高説…。この人はディスコ・ブームを性や人種の解放運動と結び付けた本の著者(学者でもあるぽい)だそうで、ある程度はたしかにその通りだと思うんですが、兎にも角にもストーリーはこの人のインタビュー(そして恐らくその本)を下敷きに進められています。
しかし当時の関係者に聞くと結局は、というか案の定なんですが、やってる本人からしたら「そんな政治的意図はありませんよ」と返されまくる有り様。映画の終盤で突然そんなインタビューが連発するんです。多分社会運動と結び付けるつもりで撮影を進めていたのに、思ったほどそういった話を引き出せなかったためグダグダな終焉にならざるを得なかったのでは…。
ヴィレッジ・ピープルへのインタビューではメンバーが質問内容に対して明らかに苛立ってるし、本編を締めくくるコメントでインタビュアーの首をつかみながら「君は本の読み過ぎだ!」と冗談半分で叱っていました。おほほ。
視点が一方的で強引な展開が目立つ&ロック音楽との構図を強調していたけど両者の共通項には言及もなし。あとドキュメンタリーにありがちな合間の小芝居がド下手です。インタビュー受けたゲストもさほど豪華ではなかったですね…ジョルジオ・モロダーは素晴らしい音出してるプロデューサーだったのでぜひ話を聞いてほしかった。他にも、どうせならディスコに色目使ったボウイやロッド・スチュアートにも何か聞けばよかったのに、さすがにそれは予算の問題ですかね。音楽と社会を結び付けるのは、簡単そうで非常に難しいんです。
気を取り直して、30分後には
「アントニオ・カルロス・ジョビン」という作品へ。こちらは1週間前から封切られているにもかかわらず、30~40人近いお客さんが(これでも休日の映画としちゃあ非常に少ないですけど…)。世代や流行に関係なく人気のあるミュージシャンはやはり地力がありますね。
こちらはかなりユニークなつくりで、彼の作品を古いものから順番に取り上げるんですが、曲目についての解説やナレーションは一切なし。年代、演奏者、国に限らず自身やカバー演奏をひたすら年代を追って流していくというシロモノです。でもこれが古い映像も多くて、ぼくみたいに古い映像ほど貴重とか単純に思ってる人にはなかなか楽しめるつくりでした。
フランク・シナトラとデュエットしているジョビン、
ガル・コスタや
ジルベルト・ジルといったトロピカリア連中の演奏、
オスカー・ピーターソンによる「Wave」、そしてなんと
マルシアの歌う「イパネマの娘」!しかも数年前のNHKの映像…。そんなわけで古今東西様々な映像を無造作に垂れ流しています。こういう脚本も、音楽的ルーツが現代まで強く根付いているブラジルだからこそできるのかもしれません。そして、これだけ多種なカバーが存在するのも、ブラジルを代表する作曲家ゆえなんでしょうね。言葉がなくとも、その存在の大きさがひしひしと伝わる面白い映画です、と、非常に適当な感想になってしまいましたが、これも季節の変わり目だからかしら←無関係
The Sercret Disco Revolution Trailer
The Music According to Antonio Carlos Jobim Trailer
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