最近久しぶりに海外通販を再開しまして、一時期やたら滅法に注文してましたがようやく冷静と情熱のあいだにまで落ち着いたところです。
そんなレコ買い動乱期に
The Kinks「Drivin’/Mindless child of motherfood」 のドイツ盤シングルを取り寄せいたく感動したのでこちらをご紹介します。
キンクスは活動期間が長いおかげでシングルも非常に多いのですが、中にはレア盤と目されるタイトルもあります。デビュー期のシングル2枚はとりわけその象徴的なタイトルですが、バンドとしてはアルバム「ヴィレッジ・グリーン」 から「アーサー」 へ移ろうとする1969年頃のシングルもちょっと高くなってます。この頃のチャートを確認するとどの国でもまともに売れておらず、本国イギリスで健闘したのは33位が最高の「ヴィクトリア」 くらい。70年に大ヒットする「ローラ」 まで、キンクスのウィンターリーグは続くのでした。
そんなわけでキンクスのシングルはわりかし贔屓しつつ買っていたぼくも、69年のシングルは見かけない上にたまに見ても手を出しづらい値段なので鬼門になっていたんですが、さすが当事者国では安い。ドイツ盤ですけどどの国でもチャートインしなかった「Drivin’/Mindless child of motherfood」 を安価で発見しました。状態は悪かったらしゃーない、と清水の舞台から何とやらで購入&到着してみると問題なくノン・ノイズ。ラッキーです。
A面の
「Drivin’」 は「アーサー」収録曲。ですが、シングルではモノラルミックスが施されていて…といいつつアルバム「アーサー」もモノラル盤で出ていたのですが、当時はほとんど出回らず激レア盤扱いされてます…というわけで、「アーサー」モノ盤をほんの少し体験できる、という趣きもあったりします。
手持ちの「アーサー」ステレオ盤
果たしてレイ・デイヴィス がステレオとモノラルのどちらを所望してプロデュースしたのかは知らないんですが、キンクスでいえば…というか大抵のバンドでもそうですが、この69年頃から急激に音がクリアになるなーという印象があります。キンクスにとって「アーサー」がそれでして、トラック数が増えたのか機材の問題なのか、各楽器の分離、音の繊細さといった面で格段に進歩している感があります。
じゃ一方のモノラルはどんな音かというと、アルバムで見せているステレオの良さを踏みにじる?かのような極太一本サウンドで、ステレオで見せていたドラムを丁寧に左右へ散らしたオーバーダビングもお構いなしとばかりに中心に据え、これがドライブしてるってやつか、曲名だけに…なほどライヴのような定位で聴かせます。「You really got me」 のノイジーサウンド再び、というか彼らのシングルはずっとこんな音できていたんだ、ってことを改めて思い起こさせてくれました。栄光と滅亡。
ポップスの世界ではわりかしドライブをテーマにした曲って多い気がしますね。ハイウェイ・スターとか(爆走) ドライブ系の曲はアップテンポというか元気な曲調といいますか、そして歌詞を見ると行きずりの女性とデートやらハイクラスな生活やら都会的やら、リア充を謳い全身で表現するのが一般的なドライブ曲なんだと思います。
一方のこちらは出だしからして冴えないといいますか、段々音が下がってるし。エンジンがかかりません、て感じです。それもそのはず、歌詞を読みますと、英語が苦手なので間違ってたらすみませんが、前線で戦いを繰り広げる世界情勢を尻目に田舎にドライブに行くっつーもので、「ヴィレッジグリーン」一連の曲の流れを汲んだものだと思うのですが、一向にスピードの上がらないポンコツ車のイメージ。お茶を持ってピクニックに行こう…どこでもお茶を飲むのはキンクスの歌詞によくある光景です。
B面はバンドのギタリストでありレイ・デイヴィスの弟デイヴ・デイヴィス の作品。結構偏屈なつくりでぼくは好きなんですが、アルバム未収力なんでアナログで聴くのはいつぶりか。アメリカでは「ローラ」のB面なのでわりかし聴かれてるかもしれませんが…。
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