兎にも角にも、まずは
明けましておめでとうございます。
もっと可愛い蛇があればよかったんですが、こんなしかありませんでした。群馬スネークセンターに行ってみたいのう、とどうでも良いつぶやきを後にしまして、今年は書籍紹介からいきます~。もう41冊目…。
ホワイト・アルバム・ネイキッド
著者:デヴィッド・カンティック
訳者:安藤由紀子
扶桑社
2006年
307ページ
1,905円
読みやすさ
(文章) :★★★☆☆
(構成) :★★☆☆☆
読みごたえ :★★☆☆☆
初心者にも安心 :★★☆☆☆
マニアック :★★★☆☆
オリジナリティ :★★★★☆
オススメ度 :★★★☆☆
ビートルズの本でも久しぶりに読もうかしらん、ということで、
ホワイト・アルバム だけにターゲットを絞ったらしい本を図書館で借りてきました。
以前は多少ビートルズ関連の本も読んでいまして、じゃあなんで今さらこういう類の本を、ということなんですが、生来本を読んでも頭に入らない&貧弱な記憶力&すぐに言葉が出ない、というタチなので、色々と思い出すつもりで読んでみるのもいいかもしれん、という思いに至ったわけです。ホワイトは好きなアルバムですしね~。
しかし2006年になってもまだビートルズの研究テイストな本は出ていらっしゃるんですね。というか、毎年結構な数出てますよね。たまにレココレの後ろの方読むと、だいたいビートルズ関連の本が出てる、気がします。デビューから50年てことですが、まだまだ彼らの残り火は消え入りそうにありません。
著者はイギリス人のジャーナリストで、音楽関連ではNME誌で80年代から寄稿しているとか。
◆「1968年」との結び付け
構成は曲目ごとの考察オンリーではなくて、このアルバムが出た1968年という時代背景を意識してる感があります。もちろんメインは各曲の説明で、メインソングライターや、誰がどの楽器を担当したのか一目で分かる書き方をしていますが、その他の目次では1968年に起こった出来事の説明、同時代の他のヒット曲やアルバム紹介なんてのがあります。
1968年といえば、ご存知のようにロック音楽が最も盛んな時期だったり、政治も大きな変動があり……というより、ロック音楽などのカウンターカルチャーと社会が強く反発し合いつつ、切っても切れない関係にあった時代、と言った方が良いかもしれません。ブラック・パワーにベトナム戦争、相次ぐ要人の殺害事件……社会の大きなうねりが世界中で起こり、戦後生まれ世代を突き動かして花開いたのが、その言葉通りフラワームーブメント。
そんな時代に生まれたこのホワイト・アルバムは、ヒッピー連中の起こした大事件で名前が取り沙汰されてしまいます。
チャールズ・マンソン 率いるヒッピー集団による連続殺人事件。その現場には血で
「Helter Skelter」 と書かれていたという……実際は綴りを間違っていたらしいですが。ご丁寧にも、そんなチャールズ・マンソンの事件とホワイト・アルバムの関連についてもページを割いています。
そーゆー時代だった、つーことで、たしかに1968年のロック・アルバムはいわゆる名盤扱いが多いイメージ。そして大抵のものがいわゆるサイケデリックとくくられるものですが、ビートルズのサイケなアルバム(と言っていいのか…)といえばその前年の
「Magical Mystery Tour」 の印象が僕の中では強いですね。
「Revolution9」 は時代と呼応する部分があるかもしれませんが、この曲が生まれた直接的な要因は
オノ・ヨーコ の影響によるもの。
「Black Bird」 が公民権運動の曲だと言われることがあるそうですが、ポール本人の話が曖昧。
「Revolution1」 は歌詞が時代性と深いつながりを見せていますが、サウンド面はサイケ色なくシンプル。そんなわけで時代背景へ結び付けるには材料が弱く、どうも一部の「1968年」を軸にした構成について、説得力に欠けると思います。
◆ダイレクトな曲解釈
その他ざっと中身の感想を書くと、同時代の他の曲/アルバムを紹介する
「Other Music of 1968」 の一言解説がとにかくドイヒー。巳年だけに蛇足(爆) あと、エベレストジャケは「Let It Be」じゃなくて「Abby Road」での話だった気がする、というような記述もあり、間違いが色々あるかもです。これはビートルズ本の宿命ですな…。
あと、以前から思っていたんですが、イギリス人の本てダイレクトに曲の評価を下すなーと。こちらの本でも「駄曲/傑作」とはっきり書いてます。主観なりに根拠は示していますが。
例えば、僕がこのアルバムで一番どうでもいいと思う曲は
「Why Don’t We Do It In The Road」 なんですが、この本では「ビートルズ・クラシックのひとつであるといえよう」「ビートルズがレコーディングした曲のなかで最高にシャープで簡潔で、滑稽なロックの位置を保っている」と絶賛。これの逆ももちろんあります。
また、別の本ですが、ずっと前に読んだイギリス人の本だと、赤盤/青盤のCDが2枚組で出ることに憤慨し(随分前ですね)「青盤はオクトパス・ガーデンを抜けば1枚になるのに」と書いてるのがあったり…多分それだけじゃ1枚に収まらないんじゃないかしら…どうなんでしょう。
そういえば、これを読んですごい久しぶりに思い出した曲がひとつありました。このレコーディング前にメンバーはインドのマハリシさんのもとへ瞑想しに行ってまして。そこで完成した曲というのが実は結構あって、その中には遊びで作った曲に、同行していたビーチ・ボーイズの
マイク・ラブ へ捧げた
「Spiritual Regeneration/Happy Birthday, Mike Love」 というのがありました。これがビーチ・ボーイズ風のコーラスを模倣していて結構楽しいです。
VIDEO
Spiritual Regeneration/Happy Birthday, Mike Love
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…ということでどんなわけで、よければ皆さんのホワイトへの思いに代えて
「このアルバムで最も良いと思う曲/最もダメと思う曲」
をぜひコメントに残していってください。新年のあいさつがてらにでも(笑)
ちなみに自分の場合は
最も良い曲「While My Guitar Gently Weeps」
最もダメな曲「Why Don’t We Do It In The Road」
です。良い方は
「Sexy Sedie」 や
「Blackbird」 などなどと迷いました。While…もデモ・バージョンがさらにいいんですが(^_^;)
というわけで、皆さんのホワイトのご感想もお聞かせください!
最後になりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします( `・∀・´)ノ
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