昨今のエントリに続きアメリカのバンドで、西海岸はカリフォルニア生まれ。この「ボール」は前作に比べかなりコンパクトにまとめたアルバムで、それでも展開の妙にこだわった曲が多く、どれも面白い曲ばかりです。ギターは目立ったエフェクターの使用が多く、特にファズを多用してますが、他のギターソロのバックで突然鳴らすなど、かなり奇怪な使い方。メロディはほとんどベース任せですが、こちらもかなり動きます。ドアーズのキーボードのような音が終始流れていますが、ブルース度はかなり低く、おもちゃのようなシンプルさで響かせるところがまた良いところ。かなり素っ頓狂とした展開ばかりな上、アンサンブルにこだわらない楽器の演奏で、ツヤっぽいボーカルが上手に出てくるところも面白いですね。冗談ぽさも音のセンスの良さでカッコよくしてるし、実はすごい色々作りこんでるんじゃないかな、と思います。B-1「It Must Be Love」とかシャレた感じもしてて、イマドキの器用なミュージシャンがマネしてそうですが、このスイッチの切り替えたときの痺れってのはやはり彼ら限定ということで…。A-3「Lonely Boy」やB-4「Belda Beast」のダーティな哀愁はイギリスには見られない感じもしますね。どっちかといえば日本的かも。