年が明けてしまいました!明けましておめでとうございます。
いきなり昨年の話になりますが、例年に比べ多くレコードを買った2015年。その一方でライヴに足を運んだのはポール・マッカートニーとキング・クリムゾンの2つだけで、まあオーディオを一新したことだしそれでいいのさ、とひとり嘯いているところです。
昨年の日本の年間シングルチャートをこないだテレビで見てたんですが、トップ100のほとんどをEXILE、ジャニーズ、AKB、韓流の4派が占めていました。趣味が多様化したと言われる昨今、なぜ一部に人気が集中しているのか不思議なんですが、じゃあラジオはどうかというと同じ曲ばっかりかかっててね。そんなナウな環境に飽きたら昔のレコードを探してみましょう!いまよりも新鮮な発見がいくつもあるはず。
1.Paul McCartney「New」(2013・英)
ポール・マッカートニーの来日公演はこちらの最新作ツアーだったわけですが、本作は近年の中でも好みの作品だなーと思ってまして、来日公演後にあの光景を再び思い出したいという気持ちもあってレコードを探し出し、何度も聴きました。プロデューサーが曲ごとにバラバラだそうなんですが、まとまりのある中にもバラエティに富んでいて、ライヴではもっと新作から演奏してもいいんじゃないか、と思うほどどれも印象に残る曲ばかり。
2.Albert Marcoeur(1979・仏)
今年は初めて新潟県に上陸した記念すべき一年となりまして、とはいえはじめは目的もなく来てしまったので、じゃあってんでまず向かうところはレコード屋なわけですが、その中の1件で買ったのがこちら。
「フランスのフランク・ザッパ」と呼ばれているらしい
アルバート・マルクールの3枚目のアルバム。まあザッパのようだといえばそうっぽいのですが。見た目も含めて。いわゆる即興演奏ではなく、調子外れのメロディ、厚みがありつつどこかズレている管楽器など、随所に脱ロック志向が伺えまして、その辺がアバンギャルドに類別される所以でしょうか。これより前の2枚は同じデザイナー?ジャケットが秀逸ですのでセカンドのジャケ写をこちらに。
3.Television「The Brow Up」(1982・米)
来月再び来日するんですよね、といってもぼくが観たことあるのは
トム・ヴァーレインのソロだけで、
テレビジョンの公演を見るのは初めてになります。その準備ってつもりでもなかったんですが、ようやくこのライヴ盤を聴いている次第。音はあんまりですが、それを補うライヴならではのスピード、声、演奏の揺らぎというのものが終始持続する様はテレビジョンらしく、一方でスタジオ盤のライヴ的な意志をも感じ取れる、いい作品だと思います。
4.T・Rex「Electric Warrior」(1971・英)
中学生の頃にピクチャーディスクのCDを買い、その後国内盤レコード、米盤再発、と経てついにUKオリジナル盤。ポスター無しのせい?か妙に安価でラッキー。それまであんまし真面目に聴いてないアルバムでしたが、あまりの音の良さに何度もかけちゃいましたね。このパターンはボウイの
「ジギー・スターダスト」でもそうでした。どちらも
トニー・ヴィスコンティのプロデュース作品ですが、彼の音はオリジナル盤でこそ真価を発揮するのか?これまで聴いてきたものとは別物、という表現がピッタシでした。こういう瞬間に出会うのもレコードを買う楽しみの一つ。
5.Ton steine Scherben「Warum geht es mir so dreckig?」(1971・独)
10年近く前に録音させてもらったCDRを聴くたびになんつー過激な、と思っていました。ドイツのインディーズレーベルから発売された作品で、バンド名の意味は
「粘土、石、破片」。本作に収録された挑戦的なシングル
「Macht kapurt, was ench kapurt macht」(お前たちを壊すものを破壊しろ)がヒットしています。フォークというにはヘヴィで、ガレージというには後ノリで、パンクというにはやけっぱちすぎる。類型の壁を打破するごとき
ラルフ・メービウス(リオ・ライザー)の暴発ボイスは、ドイツ語のためか他の国では出ておらず、いわゆるクラウト・ロックの範疇にもなく。果たして日本には何枚存在しているのか。レコード再発もありますが、こちらはオリジナル。ポスターに写ったメンバーの目つきもイカしてます。ジャケットはボール紙のような質のもので、両サイドをホッチキスで留めただけという過激なもの。アルバム・タイトルの意味は
「俺たちはなぜこうも冴えないのか?」。
6.Ned Doheny「Ned Doheny」(1973・米)
ネッド・ドヒニーてなんでか知らんが水着でニヤニヤしてるジャケの人か、ていうある種マイナスな印象でしたが、あのアルバムも日本での人気の通りいい内容ですし、そしてそれより遡ること3年前のファーストもCDで聴いて、こりゃいいなと思ってました。今回は国内盤(東芝EMI)ですが見つけまして、録音がいいのか(レーベルはあのアサイラム)、国内盤でも結構いいな、って感じです。優しいメロディに少し力の入った歌声を添え、バックの演奏がまたしっくりときまして、名盤だなーと思います。
7.Nirvana「The Story of Simon Simopath」(1967・英)
初期の名曲
「Pentecost Hotel」はシングルで持っていて大好き。アルバムもCDでは持っていたんですが、あんましピンとこなくて放置してました。アナログも高いので入手するとは思っていなかったのですが、ほとんど行くことのない地にて米盤ですが買える値段で発見。ステレオですけど1日置いて買いました。こうしてアナログで改めて聴くといいんですね。
サージェント・ペパーズにいち早く反応した作品といいますか、兎にも角にもアルバム冒頭のイントロが最高。SF的な音の中にも、田舎然としたバンジョーでサクッと終わるB面ラストの有り様もイギリスらしくてこれも憎い。ジャケも素敵だし。しかし収録時間短すぎです。
8.サウンドトラック「The Shining」(1980・米)
スタンリー・キューブリック映画
「シャイニング」の曲といえば、やっぱピンチの時のアレですよね。レコードではB面の冒頭からスタートしますが、嵐の前の静けさを湛えたA面から一転、アラームなサウンドに身構えてしまいます。そして帯見ると
バリー・リンドンも出てるのね。全然売れてなさそう。
9.Todd Rundgren「Something Anything?」(1972・米)
今年はオーディオを一新。その際に音がいいレコードといえば、ってことでこちらを何度もかけて元々音の鮮度のよいこのアルバムを、さらに引き出す環境に満足していました。あまりにハマってしまい、2枚組を1枚にした国内盤も入手。帯付きならなかなかの値段がする一品で、日本オリジナルジャケットも手伝って海外で人気があるとか。
10.The Rolling Stones「Their Satanic Majesties Request」(1967・英)
ストーンズを普段ほとんど聴かない上、このアルバムは15年くらい前に国内盤を1回聴いて売った苦い経験あり、ですがニルヴァーナと一緒にやはり米盤ですが美盤モノラルを物は試し、で入手しました。すると、音が別物といいますか、何とだよ、と言われるとよくわからないんですが、このモノラル、アメリカ盤でしか出なさ気な遠くからこだまする感じ、根っからのサイケサウンド、と思わせました。この音そのものは唯一無二だなと。しかし曲の印象は変わらず……A面の
ビル・ワイマンの次の曲がいいなと思います。
その他、紹介しきれなかったけどよく聴いたアルバムのジャケだけ載せていきます。本年もよろしくお願いします。
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