クイーンのアルバム「A Kind of Magic」の収録曲はすべて「ハイランダー」のために書き下ろされ、そのほとんどが使われています。インタビュー映像のうろ覚えですが、ハイランダーの監督ラッセル・マルケイがクイーンに1、2曲作ってほしいと要請したところ、メンバーからはそれをはるかに超える数の新曲が提案されたそうな。果たして監督にとってそれが本当にありがたかったかどうかは謎ですが(爆) こうして多くのクイーンの曲がハイランダーで使われることになったということです。
話自体は惹かれるものがあるんですが、色々と気恥ずかしいシーンや整合性の厳しさから決していい映画とはいえないかな…というのがぼくの感想です。ということでクイーンの曲がどんな風に使われているかってことなんですが、以前に見た「フラッシュ・ゴードン」と違い、楽曲を大胆にサンプリングして流しているのに驚きました。オープニングで流れる「Princess of the Universe」(PVで主演のクリストファー・ランバートを出演させ、映画のシーンと合成させている)ではメロの楽器のパートだけを繰り返し流したり、A kind of magicも楽曲から切り離した音を使っているようです。OPはバンドのコーラス術がサスペンス的な空気を醸し出していてなかなかいい感じ。他のいくつかの曲はカーラジオなどに忍ばせたりして登場しますが、特筆すべきはフランク・シナトラで有名な「New York, New York」のカバーが聞けるトコでしょうか。わずかな時間ですが。
他の曲はいかにも調査中って感じの「Audrey’s Dance」や、時たまクラブ・バーで登場し歌うジュリー・クルーズの「The Nightingale」や「Into The Night」、「Falling」などありまして…。好評のため引き伸ばされて30話近くにも渡るシリーズになりましたが、あまり多くの音楽を使用していないです。そのおかげでコンセプトがぶれることなくドラマの世界がまとまっているんだと思います。
バックで流れている曲の多くは、映画のために作られたシタールな感じのサウンドですが、4曲だけロックが入ります。そのうち3曲がKinks。ということで、それ目当てで見たといっても過言ではありません、なんですけど、見たのは2ヶ月くらい前なんでもうあんまし覚えてない(爆) ちなみにもう1曲は、Rolling StonesのPlay With Fire。
ロックナンバーを映画のワンシーンでポコンと挿入するのはなかなか難しいもので、それがそのシーン用に作ったとか、ディスコものの映画とかだったらいいかもしれないですけど、過去の曲はそれだけでイメージが成り立ってたりするんで、あとから映像にハメる、ってのはなかなか難儀なものです。クセが強くなりすぎたり、急にバランスが崩れたり。
先日上げた「Stand By Me」はたくさんオールド・ナンバーを流してますが、だいたいはラジオから流れてくるっていう設定にして時代を醸し出すにとどめていますよね。
そこへくると、やはり「Blue Velvet」の「In Dreams」のシーンはすごいなぁ、と改めて感心。