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クラフトワークのリマスタシリーズ、ジャケ刷新の謎










輸入盤の方は発売しましたクラフトワークのリマスター盤…これが以前からジャケットを新装して発売します、という触れ込みだったのですが、CDショップで見て驚きです。上の三つはほんの一例ですが、なんてこったというか、とにかくオリジナル・ジャケットに親しみを覚えている人にはかなりえげつないことになったようです。
一番上は名盤誉れ高いTrance Europe Espressで、我々がよく目にしてきたのはメンバー写真の上から柔らかい色調加工を施したジャケットなのですが(本国ドイツのジャケはその裏面にあたりモノクロのメンバー写真だったと思うんですが)、御覧の通りそれとは遥かに程遠い寂しいデザイン。Radio-Activityはラジオの形を施したジャケでしたがこれもアルバム・テーマを端的に表したものに、The Mixは当時のデジタルデザイン技術を駆使したジャケットだったのが、逆に記号化されたものへ…。ちなみに今回も初期傑作の三枚はCD化されずじまいです。 そんなわけでファンの大半にとっては音への期待以外はありがたくない新装と言っても過言ではないのかもしれませんが、果たしてジャケットを変更した狙いとは…


以前にエントリしたクラフトワークの本ですが、ここに書いてあるクラフトワーク像…つまり主要なメンバーであるヒュッター&シュナイダーによる両者の哲学と言っていいのですが… たとえば上に挙げた画像の一番下にあるThe Mix、これはそれまで発表してきた曲のリミックス集なのですが、本人たちはリミックスとはいえ、あくまでオリジナルと切り離した別物と捉えていたようです。そういう主張は別にクラフトワークに限ったことではないでしょうが、彼らの場合はそう主張するこだわりを「音そのもの」に向けているようです。つまり、作品そのものというよりも、レコードやCDを再生したときに耳に伝わる音そのもの…このThe Mixが登場したのはCDが普及した頃で、ソフトがレコード全盛の頃に作ってきた「音」を、新しいデジタルソフトに変換する作業というものが、彼らにとっては不安であり熟慮しなければならないことであったのではないでしょうか。常に時代の先端として新しい音を提供してきた彼らの過去の作品が移行作業も適当にそのままCD化され今となっては古臭い音と評されては、クラフトワークがこれまで築いてきた信頼やブランドに傷がつく…そうした誤解を招かないために、そしてCD化の時代でもクラフトワークが前線でやっていけることを証明するために、大義のためのリミックス作業が行われたのではないでしょうか。つまり彼らにとって過去に作りあげた音はその時点で過去の音であり、作品は残り続けてもその本質というのは一瞬一瞬のうちに変化、または消失していくものなのかもしれません。

たかがリマスター、されどリマスター、作品が作品のままであることに変わりはありませんが、今年のビートルズのリマスターシリーズで、改めてリマスターでの音の変化の大きさを味わった方も多いでしょう。ビートルズ以外の話ですが、労力を惜しんだ結果、ミニコンポやMP3プレイヤー向けに低音を効かせて終わるような悪質なリマスターがあるのも事実で、リマスターが過去の作品に新たな付加価値をつけ、時間が経てば塗り替えてしまう可能性もあります。当時の音とは、まったく異なる音になっており、時代も変われば人の耳や評価の視点も変わるわけですから…

話をクラフトワークに戻しますと…。ジャケットの変更は、彼らにとってリマスタ盤は過去のレコード、またはCDとは別の作品として聴いて欲しい、という意思の表れのような気がします。まだこのリマスタがどのような音がするか聴いていないのですが、2009年にしてようやく発表されたクラフトワークのリマスタ盤。この間にリマスタ盤を出すタイミングをうかがっていただろうし、その期間すべてをリマスタ作業に費やしていたのかもしれません。果たしてオリジナルに忠実にしようとしたのか、それとも来る新時代に送るべき絶大な変更をしたのか。どちらにしても、二人にとってはこのリマスタ盤は過去のオリジナル・アルバムで作った「音」への決別であり、新作として発表したという気概もあるのではないでしょうか。

そのリマスタ盤の中で興味深いのはAutobohnのジャケットです。






よく知られているのは運転席からのアウトバーンの景色をやや写実的に描いたジャケットですが、今回のこのジャケットは当時から使われていたアートワークで、英国盤は初めこれを使用していたはず…手持ちにドイツ盤がないのでオリジナルがどちらかよく分からないんですが。ただ、真ん中の絵のバランスがちょっと違います。今回のシンプルなジャケが多い中に混ざってもまるで違和感がないですね。これに何か意味があるのかどうか…。



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