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4番、サード、いたち野郎

千葉ロックマリーンズ
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2014年見た映画10本

年末までにレコードの10枚は間に合わず∑(゚Д゚)ガーン まぁ年始でもいいじゃない、減るもんじゃなし。ということで2014年最後は今年見た映画10本を選んでおしまいです。みなさまよいお年を(^_^)/~

1.ヤコペッティの残酷大陸(1971・伊 グァルティエロ・ヤコペッティ)

アフリカ系黒人が西洋社会に蹂躙されてきた歴史を「大げさに」再現したヤコペッティ作品。彼の諸作の中では、批判精神が最も直情的で、ユーモアを配する余裕が少ないと思います。しかし振り切った方法が功を奏し、どす黒いシリアスさが放たれます。
お得意の虚構フィルムの後、時間の針が現代に戻り別の物語がスタート。それは、アフロヘアーの黒人が日々楽しく暮らす白人に対し、残虐な「復讐」を始める、という夢想です。ヤコペッティの文明批判は「やらせも手のうち」とばかりに大仰ですが、この場面は現在でも十分に通ずるリアリティを持っています。フランスやアメリカに限らず、グローバルを標榜する国すべてが抱える問題として。そして、本作最高に痺れる場面となる、アフロヘアーが白人少年のボールを拾うシーンへ……。サントラのレコードもあったはずなんですが、どこへいったやら。


2.わらの犬(1971・米 サム・ペキンパー)


今まで見た中で、最も胸糞悪くなる映画かもしれません。ホラー映画を見てもそうなることはないんですが、ホラーではないこちらを見てそうなるというのはなぜなのか……。
復讐の鬼となり、暴力で正義を遂行する役柄を、ダスティン・ホフマンが超絶に熱演。バイオレンス描写を得意とするペキンパー作品は他にもひと通り見ましたが、これが特にきます。傑作なのは疑いようもありませんが、2度も見たくないと真から思っております。。。


3.ジャズ大名(1986・日 岡本喜八)


北野武版「座頭市」、当時は時代劇なのにタップシーンがあるってんで話題になりましたよね。しかし「ジャズ大名」のどこまでも浮かれた熱っぽさを体験してしまうと、タップシーンがあまりに物足りなく感じます。
ストーリーはとても単純。アメリカから流れてきた黒人たちが日本の小さな藩に流れつき、そこで殿様をやってる古谷一行が彼らに教えてもらったジャズ・サウンドにハマってしまう。殿様のみならず城の者や民衆すべてがジャズの演奏に没頭し、城の地下にこもる。その間にも地上では血で血を洗う戦争が続いていく……。
コメディタッチですが、音楽的に見ても重要な設定がいろいろあります。ここでのジャズはフリーキーなもので、城の人たちはヤバイことをしているという自覚があるのか、アンダーグラウンドへ自ら下っていきます。本来は江戸時代の人たちがジャズを演るというズレが肝なんですが、あまりに本気で長い尺を取って演奏しているもんで、その空気そのものの熱さが一番の魅力になってるんです。手を抜かないことの恐ろしさを見せつけられました。



4.セックス・チェック 第二の性(1968・日 増村保造)


いま何気に話題の「ふたなり」というやつでしょうか。スポーツ選手が両性具有であった場合の判断は難しいもので、実際にも近年そうした事件があったような記憶があります。
改めてどんな映画だったか思い出してみると、主演の緒形拳の大胆さがとんでもないんですね。陸上界ではアウトローであり、己の欲望のままに生きることを厭わない彼が、大変な逸材を見つけ、その女の子を厳しく指導していく。しかし、その女性は両性具有者であることが分かってしまいます。その後のストーリーは破天荒すぎて、こちらで説明するのももったいない。増村保造監督ですから面白さは抜群です。


5.暗黒街の対決(1960・日 岡本喜八)


「ジャズ大名」に続き、岡本喜八監督2本目。このシリーズはどれも面白いですが、まーしかし鶴田浩二の素敵なことよ(^O^) 殴られ地面に打ちつけられても、そのまま考え事を始める三船敏郎のスマートさも素晴らし。そこへ訪れる女が、その後の展開を握るというスピーディーな流れも岡本監督のショーマンシップってやつでしょうか。若き日のミッキー・カーチスは2枚目ですが、3枚目をやらされてます。


6.アギーレ・神の怒り(1972・独 ヴェルナー・ヘルツォーク)


最近の日本代表サッカーに絡みまして、なんともしっくり来る映画タイトル。もちろんサッカーとは何ら関係ありません。
アマゾン開拓を巡り、一部隊が揉めに揉め、内紛とかありながらも奥地へと進んでいく謎映画。結果は火を見るより明らかでして、無残な結末が待っているのは誰もが予想する通りでしょう。それを分かりきっていてもこの映画が興味深いのは、部隊の人間たちが時間をかけてゆっくり死んでいく様が、静謐にすら感じられるところだと思います。弓矢が飛ぶときって、だいたいの映画では「ヒュッ」てSEが入るものですが、本作では音がほとんど入りません。いつの間にか射たれて死んでいる。でも、実際は弓矢の音って大きくは聞こえないはずですよね。本当のアマゾンでロケしてまして、役者さんを見ても疲れきった表情。そうした不意の効果も含め、徹底したリアリズムを感じるのでした。


7.フェイズⅣ 戦慄!昆虫パニック(1974・米 ソウル・バス)

デヴィッド・クローネンバーグの初期作に近いテーマを持ってますね。映像の質感は全く違いますけど、侵略側(本作では蟻ん子)の徹底した生への希求という点で、クローネンバーグ的といえます。
NHKドキュメンタリーのようなミクロ映像で何度も蟻が映り、B級パニックものにとどまらない不気味さが威厳を保っています。死後硬直した死体の手に作られた蟻の巣なんて、なかなか奇抜なアイデアですし、その不明瞭な相関関係が気持ち悪さをドーンと高めています。音楽は冷ややかでいいな、と思ってエンディングのクレジットを見たら、若き日の名前であるツトム・ヤマシタでした。


8.HANA-BI(1998・日 北野武)


むかーしのドラマの曲で「君が笑ってくれるなら 僕は悪にでもなる」て歌詞がありましたが、そんな映画だと思います。なんとひどい説明。
余命わずかとなった妻のために、主人公(ビートたけし)は銀行強盗で得たお金を使い旅行に連れ出す。道中借金取りのヤクザに終われるもぬっ殺し、妻の余生のためには非道な手段も辞さない。彼の親友(大杉漣)はまた別の孤独な生き方をしており、往生する2人がどのように人生を全うするのか。キッズ・リターンよりも物語に広がりがあり、そして後ろ向き。
何でもないようなセリフが、映画のテーマを巧妙に表す場面がありますね。つまみ枝豆が「枯れ木に水やってもしょうがないだろ」と言いたけしにボコボコにされるシーンは、その意味で最も象徴的。


9.チャイナ・シンドローム(1979・米 ジェームズ・ブリッジス)


政治的な作品だと思って甘く見てましたが、そのことを抜きにしても傑作サスペンスになってると思います。製作と出演にマイケル・ダグラス。
アメリカの原発事故の告発を巡り、リポーター&告発者と原発会社がギリギリのところでせめぎ合いを展開。ついには内部告発者が原発施設を乗っ取り、テレビの生放送で告発することを要求する。しかし、施設側は事故の事実を知られたくないため、機動隊を突入させて事件の鎮圧を図る……。
映像そのものの緊張感も相当なものですが、スリーマイル島の事故より12日だけ早く公開されている点も重要でしょうか。施設側の隠蔽体質、反原発団体のピースフルな活動どちらにも異議を唱えているように思えます。そして、何よりも巨大利権を内部告発することの危うさを肝に据えているんじゃないでしょうか。我々が生活するあらゆるところに、暴力が緻密に作用しているのかもしれません。


10.ジャージー・ボーイズ(2014・米 クリント・イーストウッド)


唯一の2014年作品!映画館で見ました。お客は一桁、若者なし。大丈夫か日本の映画興行。
クリント・イーストウッドが監督した、フォーシーズンズの伝記映画です。ちょいミュージカル仕様……というのも、本作で出演しているフォーシーズンズの面々は、アメリカでロングセラーとなっている同ミュージカルに実際に出演している方々なんだそうです。
これが軽快ポップな味付けをしてまして、ストーリーの解説を当事者であるフォーシーズンズのメンバーが次々としていく。役者が時たまカメラに寄ってグチをこぼす、って具合いですかね。そのおかげで鑑賞する側と映画との距離がすこぶる縮まるんです。
映像のテンポは軽やかなんですが、物語自体はなかなか重い。メンバーにマフィア絡みのワルがいて、これがジェームス・ブラウンもびっくりのヤバさ。ソロでも成功するフランキー・ヴァリは、クライマックスで「君の瞳に恋してる」を歌うんですが、この曲に込められた苦悩の物語は涙なしに見られない。・゚・(ノД`)・゚・。



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Comment

無題

  • SAMARQAND
  • 2015-01-01 11:53
  • edit
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

無題

  • いたち野郎
  • 2015-01-02 01:47
  • edit
SAMARQANDさん

ご挨拶ありがとうございます。今年もよろしくお願いします。
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