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書評「ザ・キンクス-ひねくれ者たちの肖像」

JUGEMテーマ:音楽
 

どうも何かカテゴリーが抜けているような…と、ふと思いついたのがロック関連の本。それこそネタものも含めればとんでもない数のロック関係の本があると思うのですが、自分で読みきったことがある本に限り、たまに書評を書いていこうという新コーナーです。

ロックアルバムの作品の価値にたいして、点数をつけるのはしり込みしてしまうのですが、今回は少し冒険。カテゴリー名にあるように「傲慢採点方式」(まるで最近のボクシング・ジャッジのような名前…)でいこうジャマイカ、というわけです。中には、正直買って損した、他とたいして変わらないことばっか書いてある、ビジュアルや文章が見づらい、読みづらい、といった本も世の中多数あります。
アマゾンで本のタイトルを検索すれば家に届いてしまう現代、昔のように立ち読みをして中身を判断して買う、なんてことが減っているんじゃないでしょうか。自分なんかはその口なので…
もし、このブログで取り上げた本が偶然気になっていた本で、少しでも購入の参考になればこれ幸い。「あっ、いたちさんがこの本を2点と辛口評価!よし、敢えて買ってやろう。逆にきっといい本に違いない」…なんて具合で(爆)
といっても、読んだ本の数などたかが知れているので「ものまね歌合戦!」の審査員、針すなおさんのように厳しい意見ばっかつけるこたぁないと思うので、あしからず…

とりあえず、いきなり怒られることがないように、自信を持って充実した内容だとオススメできる本から。といってもキンクス関連の本なのでその周辺の方限定の本になってしまうかもしれませんが…一通りキンクスのアルバム、そして60年代R&B系のビート・グループや、ブリティッシュ・インヴェイジョンを取り巻く環境が頭に入っていると、更に読みやすい本だと思います。




「ザ・キンクス-ひねくれ者たちの肖像」
著者:ジョニー・ローガン
大栄出版
読みやすさ
(文章)    ★★★★☆
(構成)    ★★★★★
読みごたえ ★★★★★
初めての人 ★★★★☆
マニアック  ★★★★★
オリジナリティ★★★☆☆

オススメ度  ★★★★★


アマゾンに写真がなかったので、自分の私物の写真をのっけました(デカすぎスミマセン)。
知る人ぞ知る、大栄出版による、ロック・ミュージシャンのカルト・バイオグラフィ・シリーズの一冊です。手持ちのものは95年発行、全554ページ、定価2400円。著者はイギリスの音楽評論家、ジョニー・ローガン。訳はキンクス・ファン、野間けい子。

全体としては、デイヴィス兄弟の誕生から、第一版ではワード・オブ・マウスの頃あたりまで、95年発行のこちらでは、更に進んでTo The Born発売辺りまで書かれています。そんなわけでページ数も膨大なわけですが、一ページの次数がかなり少ないので、思いの他すいすい読めると思います。

バイオグラフィと銘打つだけあって、バンド活動の時系列の流れの中で、キンクスを取り巻く周囲の環境や、オーディエンスの変化、バンド内の人間関係の変遷など、まるで観察記録のように事細かに書かれています。そのため、地方公演の詳細や、レコードの詳細な売上枚数の記録などがデータとして見やすく記録されている本ではないのでご注意を。

この本のユニークなところは、時代ごとの関係者の証言を中心に構成されていることで、読んでいるこちらがアレコレ詮索しながら読む面白さがあるということ。例えば、キンクスといえば60年代、マネージャを3人も雇ったことによりバンドはマネー・ゲームに陥ってしまい、長期間裁判に束縛されることをよぎなくされたようなのですが、その構図とはラリー・ペイジVSウェイス&コリンズ(&キンクス)というもの。これは、アメリカツアー中に同行していたラリー・ペイジが、バンドのわがままさについていけず、ついに自分だけ英国に帰国してしまい、仲が決裂したことによるものなのですが、恐ろしいほど互いの証言が食い違うんです。ラリー・ペイジが「俺はバンドに対して最後まで最善を尽くした」といえば、対するウェイス&コリンズは「あいつは自分の仕事を放棄した上に、そのときのマネージメント料まで求める、セコいやつだ」といった具合に…。
いつの時代もロックバンドの悩みの種となるレコード会社、マネージャーとの金銭面や興行面での確執…特にキンクスの場合はそれが他のバンド以上に複雑だったため、成功のチャンスを逃したと言われていますが、そうした華々しいバンド活動の裏側について、本書の前半で事細かに書かれています。

とにかく仲が悪い、と言われるキンクスですが、この本を読み終わってふと最初からたどってみると、ほとんどといっていいほど、バンドがうまく運営されたことがないみたいです(爆) とにかくつまらないことでケンカ、ケンカ、ケンカ…の毎日、で済めばいいですが、そうしたケンカが30年以上も続くわけです…読んでるこちらもハラハラしたり、ウンザリしたり…。かの有名な、ドラムのミック・エイヴォリーが、ライヴ中にギターのデイヴ・デイヴィスにドラムを蹴っ飛ばされたのにブチ切れて、シンバルで思い切りデイヴの頭をカチ割った事件も載ってます。当のミックは殺してしまった、と思い込み、フリル付衣装を着たまま街に逃げ、逃げる彼を、事情を知らないティーンのファン100人ほどが追っかけるという事態になったとか…(大爆) こうしたひどい状況でも、ギリギリの状況で今までバンドを一度も解散させずに生き残ってきたことは、この本でも書かれていたのですが「キンクスは集団力学の研究対象となりえる」といったとこでしょうか。

執筆者はレイ・デイヴィスの能力を非常に高く評価しながらも、アルバムごとの評価としては、ことごとく厳しい言及をしています。海外のバイオ本やディスコグラフィって、作品評価が本当にシリアスですよね。でも、そうした独自の審美眼があるっていうのは素晴らしいことだと思います。なんでもかんでも名作だよ~名盤だよ~…じゃ、ロックリスナーとしての成長の芽が止まってしまう危険も孕んできますし…。そういうところは斜に見るくらいのつもりで、自分なりに同意や反論を頭で考えながら読むっていうのも面白いかもしれないです。

唯一残念だったのは、この本の執筆にあたり、レイ・デイヴィスからあまり多くの証言を得られなかったこと。構成の段階ではレイから協力を得られるはずだったものの、レイは自伝を書く作業に入ってしまったため(おそらくエックス・レイという、後に出版される自伝のことでしょう)、それ以上の協力を拒否されたとのこと。ただ著者はそのことをプラスに受け取り、あの気まぐれの証言を鵜呑みにして書いていくより、他の人たちからの証言を収集した方が客観的に書けるだろう…と、なんとも強気のご様子。それでも、過去のレイのいくつかの発言はバッチリ収められています。


常に哲学的な発言で周囲を困惑の渦に巻き込むレイ・デイヴィスですが、数多くの彼の発言が収録されているこの本より、一つだけ、特にお気に入りの一言を抜粋します。


「最初、大西洋の向こう側のアクセントで話すやつがこう言ったんだ。『すきっ歯じゃ、ポップスターになれない』って。それで、歯医者をよこしたんだが、彼が歯を削る道具を取り出そうとしたとき、ぼくは言った。『やっぱりやめるよ』って。あれはぼくの人生で最大の決断だった」
-レイ・デイヴィス-



オマケ:本を探しやすいように、背表紙をドゾー

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