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4番、サード、いたち野郎

千葉ロックマリーンズ
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非英米圏の深い森 The Matadors「The Matadors」



どうもご無沙汰しておりました。

なぜご無沙汰してしまったかというと、実は最近映画を寝る前に観るのがマイブームになってまして、マメな性格なのか、観終わった後にブクログに感想書いて寝る、という夜の生活が続いています。ブログ横にブクログのブログパーツを付けてみたので、あやつはこんなのを観たらしい、とご笑覧ください。ちなみに今まであんまし映画は観ていないので、なんちゃらの手習い、てヤツですか。

そんなわけでブログ更新前に寝てしまう生活が続いていたのですが、その間に面白い収穫もありました。電車でちょいと行ったところにある某レコ店はごく稀に非英米圏(西欧も除く)のレコードをまとめて入れることがあって、前に行ったらちょちょいと入っていました。何かのついでに入ってきたようなものばかりのようで、結構お安めです。上の写真はその一部ですが、半年くらい前にも入ってきたときは、ブラジルの詩人であるトン・ゼーのシングル盤をまとめ買いできました。

中身は分かりようがないので適当に漁ってきたのですが、今回その中でも唯一ピンときて手にしたのがThe MatadorsというグループのLPです。






The Matadors「The Matadors」(1968・チェコ・スロヴァキア)

チェコ・スロヴァキアは旧共産国ですが、こんな英国センスに溢れたレコードがあることに驚き。と、いうわけでビートサウンドなレコードです。全曲英語詞。

この「Supraphon」というレーベルは国営レーベルだそうで、なかなか気高いロゴマーク。内側に刻まれた品番はちゃんと機械打ち。ジャケットはペラッペラの紙で、ちょっと和紙みたいな感触。手持ちのは底が完全に破れ、上部も欠けているボロジャケ。盤もかなりの傷ですが、盤が持った感じ重かったので、うまくかかるんじゃないかと思い、購入。再生はまったく問題ありませんでした。ステレオとモノラル両方出ていたようですが、手持ちはモノラルです。

音は相当悪いんじゃないかという予感もあったのですが、想像を超えた良さです。同時代のイギリスのレコードに比べたら音域にもろさを感じますが(高音でビビったり低音で入りが悪くなったりなので、プレスの問題かもしれません)、ビートグループに必須の荒削りな迫力は申し分ありません。音がガッツリ前にきますし、声も息遣いまでよく聴こえます。

ようやく内容。本作は前身バンドがドイツなどでの遠征活動を経て改名後、本国で出された唯一のアルバムだそうです。演奏も相当なものですが、アレンジのクオリティもかなり高いものです。イギリスのロックやブルースを下地にしたものが多いですが、英国や米国のそれとは一線を画す異端さが感じられます。A面最後に収録されたオリジナル曲「Extraction」は「聴かせる」コンクレート音楽、といった風情で、創造性の高さがここで聴いてとれます。コンクレートといってもほとんどギターノイズのようですが。

こんな曲があるくらいなので、甘いナンバーは皆無で、ガレージ系のサウンドが中心。A-3でスモーキー・ロビンソン「My Girl」、A-5「I'm So Lonesome」はジョン・メイオール、B-5「It's all over now, baby blue」ボブ・ディラン(バーズのサウンドに近い気がします)、B-6「You'll be mine」ハウリン・ウルフと、バックボーンを身近に感じさせるカバーもあります。B-2の「Hate Everything Except Hattered」はオルガンを土台とした、アニマルズ風のスローナンバー。「朝日のあたる家」のような哀愁溢れる曲。スモール・フェイセズが奏でたような感動的なB-4「I must hope」、これまたオリジナルのB-3「I feel so lonely」は、重心低いピアノ&ギター・ブルースをバックに語りが入ったりとかなり面白い作り。

そんなわけで数多のビートグループを排出してきた英米にひけを取らないどころか、オリジナリティで凌駕する面もあるこのレコードですが、グループはこの後、メンバーの相次ぐ脱退と新加入を経て、ドイツで解散となったそうです。



It's all over now, baby blue(Dylan)




I Feel so lonely

メンバーのほとんどが若返ってますが、近年のライヴ映像らしきものも色々youtubeで見つかります。

また機会あらば、上の写真のレコなどから取り上げることがあるかもしれません。


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Comment

おぉ!これはー!!

  • もりたん
  • URL
  • 2011-09-07 02:26
  • edit
マタドールズ!!キターーー!!!

いや~、私もこのバンド大好きですよ~!
ナゲッツIIに「Get Down From The Tree」が収録されて知りました!
このバンドの中心人物の人が、このバンドの後にやったブルーエフェクトっていうのも
つい最近、ニッキーさんブログで知って聴きました!
グラハムさんからはチェコの良いグループをたくさん紹介してもらってます(笑)
チェコスロバキアって国はチェコとスロバキアの両方の国が併さった国だということもつい最近知ったばかりです(爆)

ところで冒頭の、ブラジル詩人のシングル曲っていうのも気になるところです!
これまた最近、ブラジリアン・サイケのコンピ盤をゲットして
奥が深いな~と再認識したばかりでした♪
ブラジリアン・サイケ、ハマりそうです(笑)

無題

  • いたち野郎
  • URL
  • 2011-09-07 15:32
  • edit
もりたんさん、コメントありがとうございます♪

このアルバムの最初の曲「Get down from the tree」、ナゲッツに収録されているそうですね!他の曲もカバー含め、レベルの高い楽曲が揃っていると思います。このエントリはまた後日追記する予定です…。

ブラジルの詩人であるトン・ゼーは、ブラジルで60年代に起きたトロピカリアという芸術革新運動(アメリカでいうヒッピー運動みたいな感じ?)の中心人物の一人なんだそうです。詩人ということで、本当はなんて歌っているのか知りたいところですが、シングル盤なので歌詞もわからず…(爆)
この頃のアーティストには、その後亡命して世界的にも有名になるジルベルト・ジルやカエターノ・ヴェローゾもいて、傑出したサイケを聴かせてくれます!

無題

  • Graham
  • 2011-09-07 17:09
  • edit
いたち野郎さん、こんにちわ。

これはやはり一番レアな1stプレスのジャケですね。
状態は悪いものの、よく出てきましたね。
Supraphonのジャケはペラペラの極地ですからね。
ま、それでも南米のLPサイズの2つ折のジャケの紙にビニールのカバーをかけただけという仕様よりはマシですが(笑

Radim Hladikのシャープなギタープレイは、当時のチェコスロバキアは別格だったみたいですね。
68年ごろからやっていた歯ギターとかのプレイはスイスツアーでLes Sautrellesに教えてもらったのかな(笑

それよりも気になるのはさり気に見えるルーマニアのSincronのEPです。
こんなものまで出てくるのか(笑
裏ジャケに別のEPの曲目まで記載されているので2枚組かと思ってしまいますね(笑

それにしてもElectrecordって微妙な名前だな(笑



無題

  • いたち野郎
  • URL
  • 2011-09-08 15:17
  • edit
グラハムさん、どうもお待ちしておりました(笑)

ジャケと同じく相当なボロ盤ですが、モノラルだったせいか傷にも強く、さほど音に出ないで聴けてます。南米LPはカビがひどいことになっていて、触れるのもためらわれるくらいひどかったり…とほほ。

いやぁ、やはりSicronというEPに目がいかれましたか(笑) エレクトラ・レコードだったら驚きだったんですが、似て非なるレーベルのようで…。7インチに6曲入りというのは初めて見ました(笑) 

アナログ盤はいいですね!

  • nicohoi
  • 2011-09-09 16:14
  • edit
いたち野郎さん、こんにちは
初期型のギター・プログレバンドと言ってもいいMATADORSの初回盤~初めて見ました。
かつて1st~3rdまで揃えるのに諭吉さん5枚は要ったスウェーデンのキャメルKAIPAの1stもある~!
ブルガリアのビートルズSHTURZITE、チェコのカンタベリー系ジャズロックのMAHAGONは判ったんですが、黄土色のジャケは?でしょう。気になります。
床のSBBの1stはフェイバリットです。
2nd以降での抑制しすぎ、行きそうで行かないいつもの演奏のSBBが豹変、タガが外れて暴走するところがたまりません。

〉イギリスのレコードに比べたら音域にもろさを感じます

共産圏のレコードはRIAA特性でないものもあり、再生カーブが違うので、西側の機器では音域に違和感があるそうです。

無題

  • いたち野郎
  • URL
  • 2011-09-10 02:24
  • edit
nicohoiさん、コメントありがとうございます♪ どうもご無沙汰しておりました。

うぉ~すごい!こんな小さな写真でほとんどの盤が分かってしまうとは!
まだどれも1~2回ずつしか聴いてませんが、SBBは本当に当たりの盤でした。ライヴの熱量が半端じゃないですね。 他のLPも売っていたのに、そのときは内容がわからなかったのでパスしてしまいました。毎日の出先とは逆方向にある店なのでなかなか行けず…。もう売れてしまったかしら…。

黄土色ジャケもMahagonのLPです。80年の作品?もう一枚に比べて大分ジャズ色が薄れたように思います。
ブルガリアのグループも、音は軽いですがメロディ色豊かでした!ビートルズと言われるのも一理あると思います。
Kaipaはそんなに高かったんですか?このファーストは傷盤で安めに買えたんですが、残念ながら音飛びが…。あまり入れたくないですが爪楊枝の出番かもしれません…。

> 共産圏のレコードはRIAA特性でないものもあり

なるほど~!60年代以降はRIAAカーブが当たり前と思っていましたが、共産圏はそうでない場合があるのですね。これは盲点でした。

どれも分からないグループばかりだったので、色々教えていただき助かりました♪ ありがとうございます。
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