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4番、サード、いたち野郎

千葉ロックマリーンズ
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映画での音楽(22) 「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」



近所の映画館のレイトショーにて「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」見ました。
あのベル&セバスチャンの人が監督した作品、つってもぼくはベルセバをちゃんと聴いたことがないんですが、一連のジャケットを見ての通りビジュアルには一貫したこだわりがありそうですから、映画もやはりネオアコ系甘酸っぱい青春もの仕立てです。とはいえこの辺の層というのはポップスオタクと申しますか、そういう言説がちょらちょらと顔を出しているので、そのあたりについて紐解けたらいいなと思います。
まずはあらすじを書いていますが、予告編動画の通りミュージカル色が強いのでフツーに演奏&ダンス&ビジュアルに身を任せる、って具合いにも楽しめます。

【ストーリー】(オチには触れません)
主人公の美少女・イヴは精神病棟に入院しているが、自由を求め何度も脱走する。その折にミュージシャン活動をしているギタリストのジェームズと出会い、ジェームズは彼女に作曲の才能を見出して友達のジェシーとともに音楽活動を始める(ここまでが案外長い…)。
バックバンドも大勢に膨れ上がって青春を謳歌する3人だったが、ちょっとした気持ちのズレからそれぞれが離れてしまい、イヴは放蕩した末に精神病棟へ連れ戻される…。

舞台は現代のスコットランド(オレンジ・ジュースやジョセフKの名前も出てきます)。主な登場人物はバンドを始める3人ですが、その中でも重要なポジションに置かれているのがイヴとジェームズです。この2人がくっつきそうでもどかしいっつー展開なんですけど、そこは置いときまして。
ジェームズはひ弱そうなギタポ少年で、しかもポックスのウンチクが得意といかにもなネオアコ男子。彼はレコードを出すことを夢見て音楽活動に精を出しますが、その野望はというと「ポップス史に小さな旗を立てたい」と控えめです。男子たるもの目指せミリオン、とでも言いたくなりますが、ある場面で彼はこんな発言を。
「イギリスのポップスは1969年以降進化していない」
1968年はサイケと英国のポップ感覚がマッチして様々な名盤が生まれた年であり、それはスコットランドでも同様の評価を受けてるみたいですね。それに対して女の子たちはそんなの関係ないじゃん、って感じで反論する、ありがちな口喧嘩が繰り広げられます。それでもジェームズはヒット曲を生み出したミュージシャンは「神に認められたんだから、神に近いんだ」と最大限の言葉で尊敬を表し、自分もその中に割って入れたら、なんて気持ちでいるみたいです。

この辺がネオアコ勢の忸怩たる思い、ってのが表れていると思ってまして、あの時代の音楽は超えられないけど、それでも音楽で認められたいという欲求が見られるんじゃないかと思います。
ストーリーの節目でラジオ放送の音声が入るんですが、そこで議論されるのは「ロックの神格化」についてでして、ニック・ドレイクカート・コバーンは早世したから伝説になれたんだ、みたいな話を2人のDJが合間に論じていきます。このことについてジェームズを含め登場人物は無関心ですが、精神疾患を患い日々不安と戦うイヴは、登場人物の中で唯一、死に近い存在かもしれません。仮にそういう設定だとするならば、ジェームズが彼女の才能に驚嘆し、イヴという名前からしても、そして物語の中でイヴ宗教を絡める話もあり、そんなわけでイヴは音楽の神様なのかもしれない…しかし、そうだとすると最終的におかしな方向へ発展するので、目の付け所がシャープでない可能性があります。

ここからはちょっとだけネタバレになりますが、イギリス青春ものは「ウィズネイルと僕」といい「さらば青春の光」といい似たような終焉を迎えますね。小ネタでは、Left Banke「Pretty Ballerina」の米オリジナル盤をかけるシーンあり。他、ダイエットシーンでスミスの「肉食うな!」のTシャツ着てます。


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Comment

またしても舞浜にやられた!

  • Kinks girl
  • 2015-09-23 05:40
  • edit
これわたしが見たかったやつ!
またしても千葉は舞浜オンリーなんですよ〜ていうか舞浜ももう週末で終わっちゃったし!(笑
いたち野郎さんが見に行かれたのは意外でした〜。この映画ってわりと女性向きというか。まぁ、配給会社がお洒落な女性に売り込もうと画策していました。
ファッション雑誌に取り上げられていたり、おしゃれブランドとコラボしらグッズを出したり。
わたしはおしゃれだから見たい訳ではなく、単にベルセバ好きなのですが。(60年代の音楽ばかり偏愛しているくせに珍しく21世紀の音楽!)
でも、おしゃれ女子でなくても音楽好きにも楽しめそうですね。やっぱり見たかったなぁ〜やっぱりこれもツタヤかな…
やっぱり、舞浜って千葉じゃないなぁ(笑い

無題

  • いたち野郎
  • 2015-09-26 00:18
  • edit
Kinks girlさん、コメントありがとうございます♪

すごく見たい、というわけではなかったのですが、レイトショーでこれしかなかったもので…笑 kinks girlさんおっしゃる通り、わりと女性向けですよね。ファッション雑誌にも取り上げられているんですね。たしかにオシャレな方にウケがいいと思います。実際中身も可愛らしいですし。

ベルセバをあまり聞いたことないのですが、彼らは60年代のポップスがとても好きなんじゃないかと思いますね。映画の中でも60年代音楽が少しだけ出てきますよ!
千葉市にも映画館があると思うので、そこで見られればいいんですけどね…舞浜のレイトショーは全然ひともいないので、広いところ大好きな自分にはうってつけです笑

無題

  • yuccalina
  • 2015-09-29 19:00
  • edit
こんばんは。
ワタクシはジェームスのゴチャゴチャと理屈コネてるとこは、殆ど聞き流しておりましたわ。ん、何か言ってるけど、まーいーじゃん!と。
ダイエットにMeat is murderのTシャツは、明らかに時代錯誤ではありますな。肉食って、意外に太らないのは、今では常識ですから、とか突っ込みながら見てますたが、私はあのアルバムでモリッシーが嫌になったんだ、と思い出しましたわ。

「お前はこの歌を、アラスカのイヌイットの前で歌えるのか?」と突っ込みたくなったからです。

映画と関係ない話ですみません。

ひなたぼっこがわたしの趣味♫

  • Kinks girl
  • 2015-10-01 18:15
  • edit
いたち野郎さん、こんにちは!
最近、キンクスのRCA時代どっぷりハマっています♪
ちなみに、アリスタ時代はまだ到達していません…。
といいつつも、眠る前に「Sitting In The Midday Sun 」のPVを必ず見てからベッドに入る毎日です〜
すっかりキンクス教に夢中です。

記事と関係ない話でごめんなさい(頭の中はキンクスのことでいっぱいなのでお許し下さい)。

ベルセバのアナログ盤でずっと欲しいと思っているものがありまして、(もちろんインテリア用です)アマゾンだと1万3千円くらいするのです…
キンクス同様レコードやさんで気長に探そうと思っています。(千葉でなかったら都内遠征も考えてます)
そんなわけで、いたち野郎さんのレコード買い方放談を参考にさせていただきますネ♫
アドヴァイスありがとうございます!

こちらのさサイトのおかげで最近クイーンを聴いています♪

無題

  • いたち野郎
  • 2015-10-04 01:34
  • edit
ユッカリーナさん、コメントありがとうございます♪

先日、ユッカリーナさんのブログでもご覧になったとありましたね。ぼくもコメントさせていただきました。スコットランドも音楽オタクの男の子はウンチクが好きなんですね。それに無関心な女の子、って構図も微笑ましい限りで…。
ヨーロッパのアーティストはベジタリアン系多しですかね?ポール・マッカートニーとか他にもいたような。イエスやドイツのマニュアル・ゲッチングもクジラ食べる日本人にお怒りだったそうで、多分イヌイットには言えなくても、日本には言えるんでしょうね…クジラとアザラシは違うんじゃ、と言われれば致し方なしですが…。

無題

  • いたち野郎
  • 2015-10-04 01:40
  • edit
Kinks girlさん、コメントありがとうございます♪ キンクスのお話、もちろん大歓迎です!!

RCAはぼくも好きで、以前いくつか記事にしてた気がします。最近もよくプリザヴェイションact1に入っている「美しきジュネーブ」聴いてます。

ベルセバの相場はよくしらないのですが、レコードの人気が高い(のと枚数が少ない)ので1000円以内で探すのは難しいかもしれません。しかし1万3千円は高すぎ?2000円代なら大抵のアルバムを買えるんじゃないかな…と思っています。

クイーンは音楽を聴くきっかけになったバンドなので、今でもぼくの中では寵愛しまくりです。気に入った曲やアルバムがあったら、教えてくださいね!
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