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書籍 洋楽inジャパン~日本で流行ったロック&ポップス~['68-'86]

JUGEMテーマ:音楽

洋楽inジャパン~日本で流行ったロック&ポップス~['68-'86]



稲増龍夫&ポップス中毒の会
学陽書房
1994年初版
ページ数:232
定価:税込2060円


読みやすさ
(文章)      ★☆☆☆☆
(構成)      ★☆☆☆☆
読みごたえ   ★★☆☆☆
初心者にも安心★★☆☆☆
マニアック    ★★☆☆☆
オリジナリティ ★★★★★

オススメ度:  ★★☆☆☆


1968~86年にかけて、日本でヒットした洋楽(特にシングル)にどのようなものがあったかを紹介、またオリコンチャートから色々な側面について分析した本。

この本のタイトルを見て、僕は中身が気になってしょうがなかったんです。というのも、僕が物心ついた頃には日本で売れた洋楽の数や量というのはたかが知れたもので、アルバムCDこそオリコン上位に入ることはあっても、シングルに関してはほとんど記憶がなかったので…(ちなみに、僕が初めて認識した外タレは、スキャットマン・ジョンでしょうか(爆)?残念ながら若いうちに亡くなられてしまいましたが…)。この本でも年代を86年までに区切っていますが、僕が生まれたのは84年。日本においては、「洋楽」という言葉が持っていた価値観が変わりつつあった転換期だったのではないでしょうか。価値観と書くとやや誤解を招くかもしれませんが、言い換えれば洋楽がポピュラーだった時代とそうでない時代、とでも言うべきなのでしょうか…。
そんなわけで洋楽全盛期をまったく肌で体験できなかった僕は、その昔日本中の若き男女がミュージック・ライフを愛読し、女性はクイーンにのめりこみ、男性はハードロックやプログレにハマっていた中学校の教室の様子なんてのは想像できないですし、ピンク・フロイドが箱根にやってきたことや雨の中GFRが水道橋で轟音を鳴らしていたなんてことなんて、古事記か聖書にでも書いてあることかのような…

恐らく僕と同じ年頃の人に、クリストファー・クロス、F.R.デイヴィッド、デュラン・デュラン、a-ha…はたまたニール・セダカ、フランシス・レイ、デヴィッド・キャシディ…なんて名前を出しても、恐らくピンと来る人は本当にごく僅かではないでしょうか。というのは、自分も中古レコードを買い始めるまでは知らない人たちでしたから…イマドキのロック雑誌には決して掲載されることのない過去の流行洋楽ナンバーたち…そりゃ後追いの人たちが知らないのも無理はないですね。

そんなわけでレコ屋でよく見かける国内盤シングルや国内盤LPはどのような背景でもって在庫過多になっているのかというのは興味深いことで、自分にとっては未知の世界。相当な読みごたえを期待したのですが…


まず執筆者ですが、稲増さんという方は当時法政大の教授をやっていた方だそうです。学者が書く本は大抵ダメなものが多い気がするんですが、この本も然りで、いかに自分が音楽通であるかを語り尽くし、更に古臭い既成概念でロックと時代の関係を総括したようなオープニングでスタート。
執筆はこの方だけでなく、ポップス中毒の会という、10人をはるかに越える人数で分担して書かれている。
基本的にはオリコンチャートの枚数から、売れたシングル曲やLPをテーマ別(映画音楽、アイドル、AORなど…)にいくつか掲載してくれているのは(完全にとは言い切れないが…これについては本書でも言及されていた)客観性があるデータを元にしているのが嬉しい。
しかし、作品ごとの評文が僕的にはかなりイタイ感じで、いわゆる「図に乗りすぎた」調子の文章ばかりが目立つ。思い出口調で自己陶酔したもの、コレクター自慢、身勝手が行き過ぎている批評、読んでも意味不明なもの(爆)…などなど。恐らくフリーの人たちなんだろうけども、テーマ別に書く担当を絞るとかしてくれないと、一々文章の調子が変わっているのも読みづらい。とにかく文章や構成はちょっとマズいと思う。

何より憤りを感じたのは、マニアを気取った連中が書いている割には、国内盤LP紹介の際に、国内盤帯がついていないLPの写真を掲載したものがかなり多かったこと。帯付にこだわらないならこだわらないで全部外したものの写真でも掲載してくれればよかったのだが、こう中途半端に帯が付いていたり付いていなかったりだと、この本が体現したいことのこだわりのレベルに疑問を持たざるを得ない。ビートルズのバンドスコア表紙の、アルバム写真の右上に「CP-...」なんて印刷されていること以上に気になってしまう。実にけしからん。

…と、またしてもとんでも辛口になってしまいましたが、色々驚かされたデータがあったことも事実です。例えば、シルヴァー・ヘッドのファースト・アルバムがオリコン31位、テンペストのファーストもオリコン47位(売上が1.4万枚!)なんてとこでしょうか。イタリアでムービー・ミュージックを多く担当したゴブリンのシングル「サスペリアスのテーマ」も日本ではなかなか売れていたことなんてのも…もし当たり前のことだったらすみません…

ページの最後の方に申し訳なさそうに掲載されている多数のやっつけコラムは、統一性こそないものの、テーマがどれも独特なので読み物としては面白いものも。


…やや厳しくつけてしまいましたが、ありそうでなかなか出会えなかった種類の本ではあったので、オリジナリティは満点をつけてみました…。




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