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4番、サード、いたち野郎

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書籍「近田春夫の考えるヒット」



近田春夫の考えるヒット
著者:近田春夫
文藝春秋
1997年
387ページ


読みやすさ
(文章)     ★★★★★
(構成)     ★★★★★
読みごたえ    ★★★★★
初心者にも安心  ★★★☆☆
マニアック    ★★★★☆
オリジナリティ  ★★★★★

オススメ度    ★★★★★

1997年から週刊文春で連載している「歌謡曲コラム」といった趣きのもので、この第一弾は97年の約1年間分をまとめたもの。対談も含めて400ページ近くあるんですが口語調で取っ付きやすい書き方をしているせいか早いペースで読めます。フツーの本だと通勤の往復でせいぜい130ページが関の山な私が、同じ時間使って80ページ以上。4日で全部読めちゃいました。

構成は当時のヒット曲を2曲ずつ取り上げ、それを近田春夫が評論していくというシンプルなもの。中身を理解していくにはやっぱり97年のJポップを知らなきゃならんのですが、当時小学~中学生くらいの自分はJポップのCDを買ったことはなかったしものすごく気に入った曲があったわけでもありません。しかし、当時はJポップのCDが大変売れていて、シングルでダブルミリオンとかが出ていたもんでした。テレビでも頻繁に音楽番組をやっていたし、カラオケでも歌われていたんで自然と覚えているんです。この本に掲載された曲の7割以上は知っていたんじゃないかと思います。

では、どんな視点から評論を展開しているのか…というのはその日ごとにコロコロと変わるので一概には言えません。例えばMr. ChildrenEverything(It’s you)という曲を取り上げている回なんて、バンドのフロントマンである桜井和寿が不倫疑惑でマスコミ各紙に出したFaxの文面について説教し続けて終わっています(しかしこれがなかなかいいことを言ってるような気がする…)

今のは極端な例でしたが、これに限らず音楽面以外の話がちょいちょい出るんです。有名なミュージシャンやアイドルならばテレビ出演のイメージから、ジャケットの表情から、そしてレーベルの持つ性質からなどなど…。

では肝心の音楽面からの語りはどうかというと、編曲やプロデュースにはやはりうるさい。逆にほとんど取り上げないのが楽器のテクニック。B’zの項目でギタリストの松本孝弘を高く評価していますが、「世界レベルで良い音(フレーズ等を含む)の一言だけ…実際その後世界的な賞をもらうことになります(グラミーの何かでしたっけ)

歌謡曲の分析は、歌詞の内部にも切り込みます。ここが洋楽に対するコラムと最も違うところではないでしょうか。和製ポップス/ロックは「基本的に輸入された表現の方法」であり「その和洋折衷の解釈」をどのようにしたかが大事とのことで、これを前提とするならば歌詞の分析は避けられないようです。その一例として、和製ヒップホップがポピュラーになるためにはどうあるべきか、という話の中で、ヒップホップの母国のストレートな歌詞をそのまま取り入れるべきでなく、「つまらないものですが」という感覚で生きる日本文化に準じた歌詞にしてはどうだろうかと提案しており、「取り込む必要のないもの」の存在が示されています。洋楽を変換する(つまりパクる)行為そのものが面白くもあり、それでいて一筋縄でいかないということなんですかね。

ただ、この「洋楽」のオリジナルの解釈というのがまた厄介な問題で、いわゆる確信犯と呼ばれるような知的方法論がキザすぎて敬遠される場合もありますよね。そうした歌謡曲の持つ「意識」「無意識」にも話は及びます。そして、歌謡曲の未来について語る対談の箇所、これがまた現在にすり合わせると結構当たっているんです。終盤のこの対談だけ読むのもありかもしれません。

この本を読んで、じゃあ久しぶりにあの時のJポップを…という気分になるかというとあんましなりませんが、読み物としては非常に面白いと思います。普段自分が読むようなロックのコラムより断然楽しい。では、この手の評論を海外産ロックに持ち込めないのか? というと難しいのかもしれません。先に書いた歌詞のことも含め、そのお国の文化と絡めるのは、国内のものでないと体感レベルではいかんともしがたいってのがあるので…それに文章そのもののタッチもクリエイターならではの独特なものですし。さすがにこの解釈は大袈裟でしょう、というのもありましたが、いろいろ試みながらのコラム執筆だったと思うので、ま、多少はね? Jポップ批評の本てたくさん見かけますがどれも立ち読みすらしたことないので、比べるくらいのつもりで目を通してみるか…それにこのシリーズも随分先まであるんです。

ちなみに連載第一回より

「私は今日の日本の歌謡曲だの、Jポップだのについてまったくくわしくない。プロの音楽家の私ですらそうなのだ。だから読者諸君!! なーんも最近の音楽知らなくても安心してね」

とのことだそうです。安心してお手にとってみてください。



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書籍「デヴィッド・ボウイー(ジェリー・ホプキンス)」



デヴィッド・ボウイー


著者:ジェリー・ホプキンス
訳者:きむらみか
音楽之友社
1987年
464ページ

読みやすさ
(文章)     ★★★★☆
(構成)     ★★★★☆
読みごたえ   ★★★☆☆
初心者にも安心 ★★★★☆
マニアック   ★★☆☆☆
オリジナリティ ★★☆☆☆

オススメ度   ★★★☆☆


デヴィッド・ボウイのディスコグラフィは大体分かるのですが、バイオグラフィについてはまとまったものを見たことがない、ということで古い本ですが図書館にあったので借りてみました。しかしすごい分量…読み終えるのは大変でした。

ありがたいことに、自分の知りたかったヒットするまでの期間について多めにページを割いています。全464ページのうち、Space Oddityでチャートインするまでが100ページ強くらいでしょうか。アルバムで言えば「レッツダンス」を出すあたりまでです。よく知らなかったRCAにたどり着くまでのレーベルの渡り歩き、そしてそこに至るまでの人脈などについて、一つの流れとして描かれます。マネージャーやバックをつとめるミュージシャンとか。そして「ジギー」以後についても、どういったことに身を砕き、音楽界隈以外でどのような人物と交流していたか、などなど。ボウイの行動をテンポよく追えるようになってると思います。

ご存知のように、ボウイという人はアルバムを出す都度まるで別のミュージシャンかのような変身を遂げています。モッズからフォークへ、グラムからファンク、そしてベルリンから洗練されたダンス音楽へ…。作風がこれほど紆余曲折を経ている大物もなかなかいないでしょう。ヒーローズを発売した際の自身の発言で

「僕は、みんなにとって実に予測可能な人間なんだと感じた。そのことが僕をウンザリさせたんだ。僕は自分の嫌いな、大衆人気ど真ン中コースに乗っかろうとしていた…僕は、創造的で芸術的な成功を欲し、かつ必要としていた…最高にバカバカしいことを言える体勢になってきたよ。『もしもみんなが僕のレコードを買うのを止めてくれたら心底嬉しい。そうなったら僕は退いて、何か他のことにかかれます』ってさ」

という具合いなので、この本にもありますが、RCAのお歴々は大変だったことでしょう…。

ボウイが音楽を始める頃の年齢にさかのぼると、彼の演奏は他を凌駕する表現力に満ちあふれていたようだし、タイプとしてはアメリカでいえばヴァン・ダイク・パークスランディ・ニューマンのような知的なものだったそうですが、そうした音楽性を身につけた経緯はここでは分からないですね。スウィンギング・ロンドンに興味を持って、楽器練習してステージ立ってみたら評判良かった、くらいな流れになっていて、彼の表現力の源泉みたいなものはどうだったのか。よく言われる兄の精神状態(本書が印刷された頃に兄の訃報が入ったそうです)、父親の死といったことにも触れてはいますが、彼の表現活動への結び付きという視点はここでは皆無です。特にそういう結び付きがないと判断したのかどうなのか…。
では淡々と書かれているものかというとそうでもなくて、セリフの言葉遣いが「~だってんだヨ!」みたいな懐かし少年少女マンガみたいな表現でちょいと息巻いていたりしています。昭和62年てこんな時代でしたか…。出てくる関係者やミュージシャンがみんなこの口調なんで、真剣に読む人でなければこれはこれで楽しめます(^q^)

そんな茶目っ気があるわりには、客観的な立場から見た構成になっていて、アルバム評、ツアー評各国各紙のものを賛否両方について付記しています。ただ、ボウイ自身が自分の発言や写真などについてしっかり管理してきたらしく(インタビューを許す人物や時間はボウイ自身が厳選していたみたい)、本人のインタビューはナシ。たまにあっても昔の雑誌等から拾ったもののようですので、その辺は期待しないように…。そのため史実の信頼度においては読み方次第というところですが、中立な視点を持とうという書き手の意図は伝わってくると思います。

ボウイはたくさんバイオグラフィが出ているので、最近のも読んでどのあたりが違うか、っていうので比べるのもおもしろいかもです。







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書籍「アトランティック・レコード物語」


アトランティック・レコード物語

著者:ドロシー・ウェイド

ジャスティン・ピカーディー

訳者:林田ひめじ

早川書房

354ページ

2300円


読みやすさ
(文章)     ★★★★★
(構成)     ★★★★☆
読みごたえ   ★★★★★
初心者にも安心 ★★☆☆☆
マニアック   ★★★★★
オリジナリティ ★★★★★

オススメ度   ★★★★★


アトランティック・レコードの創始者・アーメット・アーティガンを軸に米国レコード業界の変遷を描写していますが、表面的な動きではなく、万人の目には触れない裏側を詳細に描いています。それは表沙汰にできないレーベル間の取引であったり、マフィアの介入であったり、冷淡なビジネスであったり、ミュージシャンとの不和であったり…中立的な立場から客観的に検証できたのは、アメリカ人ではない著者だからこそできたのかもしれません。信頼できる幾多もの証言は立場によって食い違いも見せますが、それもまた人間の性ということでむしろリアリティにあふれています。

このアーメット・アーティガンという人物は、なんとトルコ人だそうで…。しかも上流階級に属するような立場にいたそうですが、ブラック・ミュージック好きが高じて社会的地位も捨ててこの業界に飛び込んだそうです。

この本で何度も書かれていることですが、アーティガンが他のレーベルの人間と違うのは、心から音楽を愛し、ミュージシャンに最大限の敬意を払い、そして根っから明るい性格の持ち主だということ。この業界の他のやり手といいえばたしかにビジネスの才覚はあっても、なかば騙すようにミュージシャンとの契約を取り交わしたり、音楽にまったく興味がなかったり、困っている同業者を潰しにかかるなど、やはりサツバツとしたものみたいです。その中でアーティガンは人間的な信頼を勝ち得た人物として、70年代にはローリング・ストーンズのようなビッグネームを獲得できるまでになっていくのですね。

ただ、そこまでに至るのも紆余曲折があり、ここが立場違えば見方も違う、ってことで面白いのですが、黒人音楽で成長してきたアトランティックは60年後半にもなるとバッファロー・スプリングフィールドなどを皮切りに白人のロック・ミュージシャンとも契約するようになります。しかし、これは一部の黒人ミュージシャン側から見れば一種の「裏切り」にも感じ取れたようです。さらに、傘下にあったスタックスとの関係にも一因が。スタックス特有のメンフィス・サウンドを獲得するべく、アトランティックのミュージシャンをスタックスのスタジオに連れて行くなどしたことで関係は悪化の一途をたどることに。折しもブラック・パワー真っ盛りの時代であり、一部の過激な黒人グループは政治的な活動の末、レコード業界に数々の要求をけしかけていたようです。

その結果、意外なことが次々と起こります。レーベルの意思として分けられていなかった白人部門と黒人部門が区別され、さらにはラジオ界もチャンネルごとに白人向けと黒人向けのものとが分けられてしまったそうです。

一見矛盾する要求にも思われますが、これは黒人が職に就きやすくなるためのもので、たしかにレコード業界は白人が中心となって動いていたし、公民権運動でもこれを支持する動きがあったそうです。ただ、これについてアーティガンは「そんな考えは浅はかだと思うんだ。なぜなら、われわれの究極の目的は、黒人を”白人の”仕事に就かせ、白人を”黒人”のしごとに就かせること、つまりあらゆる種類の差別をなくすことだったんだからね」と一蹴。結果的には人種間の溝がさらに深まることになりますが、アーティンガンが白人のロックをレーベルに持ち込んだのは、そこに新たな音楽性を予見したからで、現にアトランティックはロック音楽にシフトして以降大きな成功を収めています。

喧騒を極めるレコード業界において、アーティガンがなぜ同業者やミュージシャンから信頼を得ていたのか。古くは業界でタブーとされていたミュージシャンへの印税を約束し、恵まれず亡くなった尊敬すべきアーティストには葬式の世話をするなど、面倒見がよかったことにあるようです。また、音楽のジャンルを超えて優れたレコードを生み出す眼も確かなものだったそうです。商業的な音楽を後付けで作るのではなく、嗅覚で探し出していた頃のお話…これはフィル・スペクターにも通じるセンスです。

また、伝説のラジオDJであるアラン・フリードについて、業界を振り回し、そして振り回されてきた数奇な命運が詳述されています。彼について興味のある方もこの本は参考になるかと思います。この頃の、レコード業界が試行錯誤のすえ成長していく過程が、一番面白いかもしれないですね。80年代以降は見さかいがなくなって、プロモーションが先行しすぎたりして現実を目の当たりにするのは辛いものがあります。大手レーベルによる苛烈を極めたマネーゲーム、ラジオでのオンエアをかけた賄賂合戦(ペイオラ)、それにまつわる訴訟とスキャンダル、そしてレーベルの吸収合併劇…そうした良くも悪くもダイナミックなところも描かれていて、ボリュームたっぷり中身も濃ゆい読み応えのある内容になっています。強くオススメ。

この本は絶版ですが、今月には似たような本が出るみたいですね。表紙が同じなので再版かと思ったのですが、著者が違うからきっと別の本なのでしょう。こちらもどういったものか気になるところです。





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書籍「ホワイト・アルバム・ネイキッド」



兎にも角にも、まずは明けましておめでとうございます。

もっと可愛い蛇があればよかったんですが、こんなしかありませんでした。群馬スネークセンターに行ってみたいのう、とどうでも良いつぶやきを後にしまして、今年は書籍紹介からいきます~。もう41冊目…。





ホワイト・アルバム・ネイキッド
著者:デヴィッド・カンティック
訳者:安藤由紀子
扶桑社
2006年
307ページ
1,905円
 
読みやすさ
(文章)     :★★★☆☆
(構成)     :★★☆☆☆
読みごたえ   :★★☆☆☆
初心者にも安心 :★★☆☆☆
マニアック   :★★★☆☆
オリジナリティ :★★★★☆
 
オススメ度   :★★★☆☆
 
ビートルズの本でも久しぶりに読もうかしらん、ということで、ホワイト・アルバムだけにターゲットを絞ったらしい本を図書館で借りてきました。
以前は多少ビートルズ関連の本も読んでいまして、じゃあなんで今さらこういう類の本を、ということなんですが、生来本を読んでも頭に入らない&貧弱な記憶力&すぐに言葉が出ない、というタチなので、色々と思い出すつもりで読んでみるのもいいかもしれん、という思いに至ったわけです。ホワイトは好きなアルバムですしね~。
 
しかし2006年になってもまだビートルズの研究テイストな本は出ていらっしゃるんですね。というか、毎年結構な数出てますよね。たまにレココレの後ろの方読むと、だいたいビートルズ関連の本が出てる、気がします。デビューから50年てことですが、まだまだ彼らの残り火は消え入りそうにありません。
 
著者はイギリス人のジャーナリストで、音楽関連ではNME誌で80年代から寄稿しているとか。

 
◆「1968年」との結び付け


構成は曲目ごとの考察オンリーではなくて、このアルバムが出た1968年という時代背景を意識してる感があります。もちろんメインは各曲の説明で、メインソングライターや、誰がどの楽器を担当したのか一目で分かる書き方をしていますが、その他の目次では1968年に起こった出来事の説明、同時代の他のヒット曲やアルバム紹介なんてのがあります。
1968年といえば、ご存知のようにロック音楽が最も盛んな時期だったり、政治も大きな変動があり……というより、ロック音楽などのカウンターカルチャーと社会が強く反発し合いつつ、切っても切れない関係にあった時代、と言った方が良いかもしれません。ブラック・パワーにベトナム戦争、相次ぐ要人の殺害事件……社会の大きなうねりが世界中で起こり、戦後生まれ世代を突き動かして花開いたのが、その言葉通りフラワームーブメント。
そんな時代に生まれたこのホワイト・アルバムは、ヒッピー連中の起こした大事件で名前が取り沙汰されてしまいます。チャールズ・マンソン率いるヒッピー集団による連続殺人事件。その現場には血で「Helter Skelter」と書かれていたという……実際は綴りを間違っていたらしいですが。ご丁寧にも、そんなチャールズ・マンソンの事件とホワイト・アルバムの関連についてもページを割いています。
 
そーゆー時代だった、つーことで、たしかに1968年のロック・アルバムはいわゆる名盤扱いが多いイメージ。そして大抵のものがいわゆるサイケデリックとくくられるものですが、ビートルズのサイケなアルバム(と言っていいのか…)といえばその前年の「Magical Mystery Tour」の印象が僕の中では強いですね。
「Revolution9」は時代と呼応する部分があるかもしれませんが、この曲が生まれた直接的な要因はオノ・ヨーコの影響によるもの。「Black Bird」が公民権運動の曲だと言われることがあるそうですが、ポール本人の話が曖昧。「Revolution1」は歌詞が時代性と深いつながりを見せていますが、サウンド面はサイケ色なくシンプル。そんなわけで時代背景へ結び付けるには材料が弱く、どうも一部の「1968年」を軸にした構成について、説得力に欠けると思います。


◆ダイレクトな曲解釈


その他ざっと中身の感想を書くと、同時代の他の曲/アルバムを紹介する「Other Music of 1968」の一言解説がとにかくドイヒー。巳年だけに蛇足(爆) あと、エベレストジャケは「Let It Be」じゃなくて「Abby Road」での話だった気がする、というような記述もあり、間違いが色々あるかもです。これはビートルズ本の宿命ですな…。
 
あと、以前から思っていたんですが、イギリス人の本てダイレクトに曲の評価を下すなーと。こちらの本でも「駄曲/傑作」とはっきり書いてます。主観なりに根拠は示していますが。
例えば、僕がこのアルバムで一番どうでもいいと思う曲は「Why Don’t We Do It In The Road」なんですが、この本では「ビートルズ・クラシックのひとつであるといえよう」「ビートルズがレコーディングした曲のなかで最高にシャープで簡潔で、滑稽なロックの位置を保っている」と絶賛。これの逆ももちろんあります。
 
また、別の本ですが、ずっと前に読んだイギリス人の本だと、赤盤/青盤のCDが2枚組で出ることに憤慨し(随分前ですね)「青盤はオクトパス・ガーデンを抜けば1枚になるのに」と書いてるのがあったり…多分それだけじゃ1枚に収まらないんじゃないかしら…どうなんでしょう。
 
そういえば、これを読んですごい久しぶりに思い出した曲がひとつありました。このレコーディング前にメンバーはインドのマハリシさんのもとへ瞑想しに行ってまして。そこで完成した曲というのが実は結構あって、その中には遊びで作った曲に、同行していたビーチ・ボーイズのマイク・ラブへ捧げた「Spiritual Regeneration/Happy Birthday, Mike Love」というのがありました。これがビーチ・ボーイズ風のコーラスを模倣していて結構楽しいです。
 
 


Spiritual Regeneration/Happy Birthday, Mike Love

----------------------------------------------------------------

…ということでどんなわけで、よければ皆さんのホワイトへの思いに代えて

「このアルバムで最も良いと思う曲/最もダメと思う曲」

をぜひコメントに残していってください。新年のあいさつがてらにでも(笑)
 
ちなみに自分の場合は
 
最も良い曲「While My Guitar Gently Weeps」
最もダメな曲「Why Don’t We Do It In The Road」

 
です。良い方は「Sexy Sedie」「Blackbird」などなどと迷いました。While…もデモ・バージョンがさらにいいんですが(^_^;) 
 
というわけで、皆さんのホワイトのご感想もお聞かせください!

最後になりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします( `・∀・´)ノ



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書籍「80’s ポップス 愛される100曲」




80’s ポップス 愛される100
著者:北井康仁, 山崎智之, 濱田廣也
初版:2010年
発行:P-Vine Books
ページ数:239
価格:1900円
 
読みやすさ
(文章)    :★★★★☆
(構成)    :★★★☆☆
読みごたえ  :★★★☆☆
初心者にも安心:★★★☆☆
マニアック  :★★★★☆
オリジナリティ:★★★★★

オススメ度  :★★★★☆
 
そういえば80’sってポップス/ロックのシーンでは大変賑やかな時代だったのに、自分が聞くのは限られていて、個別に好きなミュージシャンを挙げる方が早いんじゃないかってくらいのレベルです。リアルタイムではなかったのでいわゆる一発屋もそんな知らないし、ディスコ系はもっと知らない、という具合でした。しかし、この本を読むとそうした雑多で瞬発的で、社会背景も少なからず関係した80’sポップという時代をゆるく包み込んでいた空気に、なんとなく触れることができたような気がします。
 
基本的にはビルボードチャート上位作品が多く掲載されてますが、それだけに限らないのがこの本のマニアックぽい視点で、例えば英米で記録なしも日本でヒットしたヒューバート・カー「エンジェル07」や、スミス「ハウ・スーン・イズ・ナウ」も米チャートではランク外ながら、米国へ打って出たシングルとして100選入り。1枚につき2ページ割いてますが、ソロワークスや同プロデューサー、同系統ミュージシャンによるシングルなどを脚注で補足していて、シーンの広がりが具体的に分かるっつー仕組みです。

この頃の音楽て、なかなかロック雑誌みたいのではそういう文脈で取り扱われないので、今となってはこうした少しマジメな本も貴重かもしれません。ずっと前から「産業ロック」なんて言われてるくらいだし、こういう十把一絡げの言葉が、この時代のポップスを見る目を曇らせているのかも。
 
80’Sサウンドといえば、派手なシンセ、打ち込みの強いビート、ノせるベースライン、分かりやすいメロディ…この本でも各所で書いてありましたが、ベテランミュージシャンの転換期としても機能したこの時代。ジェファーソン・スターシップ、シカゴ、ジェネシスボウイなどなど。80’Sならではのコマーシャルな音というのはたしかに存在したんだと思います。ただ、そのアプローチがいくつもあるってことに、この本を読んで気付かされました。今挙げたようなベテラン勢のリバイバル、映画とのタイアップ、CMソング、MTV、バンド・エイドに端を発するチャリティーもの、ニューロマにゲイカルチャー、往年の名曲のカバーにサンプリング、レゲエやAOR、メタルにネオアコなどなど…。メディアと音楽を結ぶつながりが複雑になり、マーケットが拡大した結果なんでしょうか。これほどポップスがメディアやファッション/スタイルと親和性を持って市場を席巻するなんて、もうないかもしれませんね。
 
僕がこれを読んで初めて知ったことを列挙すると…

◆クリストファー・クロスは60年代からツェッペリンやジェスロ・タルの前座で活躍。フランク・ザッパに傾倒していた。さらに、80年代には2万ドルもするギターシンセのシンセアックスを買った。他に買ったのはアラン・ホールズワースのみ。
◆34歳2児の母・アネーカが歌う「ジャパニーズ・ボーイ」という曲が英国1位を記録。
◆ロジャー・テイラー「炎のスピリット」が国内盤シングルで出てた。
◆バックナー&ガルシアのアルバム「パックマン・フィーバー」でマスタリングを担当したのはボブ・ラドウィック。

 
うーむ、まだまだ知らないこと、知らない曲がたくさんです。精進します。
 
ついでに、この本で紹介された曲の中から、知ってるものに限りますが好きな曲を5つ選んでみました。
 
Hubert Kah「Angel 07」
Tears for Fears「Everybody wants to rule the world」
F-R David「Words」
Aztec Camera「Oblivious」
Dire Straits「Money for Nothing」

 
 

Hubert Kah「Angel 07」


………

これはもしかして、アメリカ勢がひとつもない…。
いくらブリティッシュ・インヴェイジョン第二弾、それに諸外国の頑張りがあったとはいえ、アメリカ栄光の80’Sですらヨーロッパ贔屓。選んでいて最後までそのことに気づかなかったので、こればかりはどうしようもないす。好みの問題ですね。
 
ちょいとアメリカにも目を向けると、やはりR&Bが強いですね。そして現代にも通じる音楽性。たまーにメジャーミュージシャン目当てでアメリカン・アイドル見ると、イマドキのR&B風の曲も、80年代からあまり変わってないのかな、と思ってしまいます。その80年代だってモータウンの影響が強いと書いてありますし、長い歴史の中で根本がしっかりしてるってことなんでしょうか。
 
これからボロボロ段ボールなエサ箱を漁る楽しみが増えそうです。

この「100曲シリーズ」は他のテーマでも出てるみたいなので、気になるものは読んでみたいですね~。


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